2001年・夏に発行の「読むクルーズ」に引き続き、医師・作家の米山公啓氏が再び責任編集者として登場。 日本の津々浦々を、四季折々に、船で旅した「にっぽんの船旅」が好評発売中です。
屋形船から渡船、フェリー、ジェットフォイルにレストラン船、そして客船…… 好奇心いっぱいの乗船レポート17本に加え、船の種類もエリアもさまざまに、登場する船の数・150隻。日本の自然と海、そして人の温かさに包まれながら、船の玉手箱のような、1冊ができあがりました。
漫画家の藤子不二雄Aさん、ヴァイオリニストの川井郁子さんとの船対談や、モニターとしてクルーズ客船に乗船できる!プレゼントコーナーも見逃せません!
この春〜夏、ディスカバー・ジャパン、お楽しみ・にっぽん、船で味わってみませんか。
<内容>
- ・日本の客船&フェリーに乗って、にっぽん巡り。
- 飛鳥/にっぽん丸/ぱしふぃっく びいなす/いしかり/きそ/ゆうかり/オレンジ8/フェニックスエキスプレス
- ・日本と世界の海・船対談 Dr米山×藤子不二雄A・川井郁子
- ・日本の港から、海外へ! パンスターフェリー
- ・ジェットフォイルで島へ セブンアイランド夢
- ・日本の四季は船で楽しむ お花見ボート/納涼船/屋形船/砕氷船
- ・全国のレストラン船アラカルト
- ・マリーナから海に出てみよう!
- ・ザ・にっぽんの港 レーティング
●判型:A4判 120ページ 送料150円 ●定価:880円(税込)
本の内容はこんな感じです。
<日本の客船大解剖>
世界一周クルーズなら
結論はやっぱりにっぽん丸!?
商船三井客船 にっぽん丸
「今度、にっぽん丸に乗るんですよ」
と、ヨットをやっている人に言うと、
「帆船って、いいですからね」
などと妙な返事が戻ってくる。
「にっぽん丸って、客船のにっぽん丸なんですけど」
「ああ、そうでしたね」
と、ようやく納得している。
そうなのだ、船オヤジ、船小僧には常識だが、一般人の客船についての知識はそんなものだ。
帆船「日本丸」(初代)は、いま横浜のランドマークタワーの近くで、余生を送っている。昭和5年に文部省航海練習船として造られ、1万1500名もの実習生を育てた……そういう説明はもういいか。
とにかく、客船の「にっぽん丸」に乗船である。それも、ジーンズのLEVI'S 501XXくらい大定番である「夏祭りクルーズ」へ行くのだ。
「うーし、一丁、踊ろかね」と気合いを入れて横浜港から出港。
「食のにっぽん丸」は、クルーズ好きの中では、常識中の常識。医者が使う言葉「ムンテラ」が「病状説明」の意味だけでなく、「医者の自己防御」という意味があるのと同じくらい常識なのである。
5年前、私がオリアナというイギリスの客船に乗って、「豪華客船と名乗っているくせに、ひでー食事だ。トーストはコンクリートだ(これは私が言ったのではなく、船のトークショーでコメディアンが言ったのですが)」などと書いた本『医者を忘れて大航海』(幻冬舎文庫)を出したのが、クルーズの取材を始めるきっかけになった。
まあ、あの文庫、多少の間違いもあったが、何も知らない強みで、素直な感想を書いた。
つまり、そんなに豪華ならホテルの食事と比べてどうだ、という感想を書いたのだ。しかし海を走っている船の中で、地上のレストランと同じレベルの食事を出すことが、いかに大変か、取材を続けるうちに次第にわかってきた。船の食事に悪態ばかりついてはいけないと、少しは謙虚な気持ちになった。
船の食事が大変なことだとわかってきても、外国船に1週間も乗っていれば、次第に日本食が恋しくなってくる。
サービスで日本食を出してくれる外国船も増えたが、「それは寿司とはいいません。寿司のような格好をしたご飯の固まりです」的なものだったりで、日本の食文化は誤って伝わっていると悲しむばかりだった。
で、「食のにっぽん丸」はどうだったか。結論から言えば、「ワールドクルーズへ行くなら、にっぽん丸かぁ?!」というのが結論。つまりワールドクルーズは、どんなに船が豪華だろうと、2週間も乗っていれば、船内生活に飽きてしまう。そして船の中での楽しみは食事となってくる。それに耐えられるだけの、食事を十分期待できそうなのだ。
<<本文より抜粋>>
<日本の四季を舟で味わう>
ビールと夜景で
暑さを吹き飛ばす納涼船
東海汽船 東京湾納涼船
東京湾の夜景にうっとりするもよし、
ゆかたダンサーズとフィーバーもよし!
そういえば昔、東京湾の納涼船に乗ったことがあった。カップルばかりで、薄暗い船内は(マジメな僕にとって)怪しい雰囲気だった。
東海汽船が運航している納涼船に乗ろう!と編集部から誘いがあったとき、あの怪しい雰囲気を想像したが、とーんでもなかった。
夕方、竹芝桟橋に行くと、若い人であふれている。いままで乗ってきた船といえば、中高年の人がダントツに多かった。こんなに若者が多い船は、地中海のコスタ・クルーズ以来だ(新婚旅行が多いので若者が多い)。
ゆかたを着ていくと、1000円割引だそうで、私もゆかたで乗船した。といっても、わざわざデパートでゆかたを買ったので、1000円割り引いてもらっても、あまりお得ではなかったのだが……。
この納涼船は7月から9月の半ばまでの限定で、いまでは東京湾の夏の風物詩でもある。船は東京〜大島などを航行している旅客船。大島から到着して、また出発するまでの時間を効率よく使って、営業しているのだ。すばらしい船の有効活用ではないか。
フードブースからおつまみを買って来たり、オードブルを予約して船室で宴会するのもいいが、それでは納涼船の意味がない。
船が出港すると、イベントステージで、ディスクジョッキーが始まり、最大の呼び物である「ゆかたダンサーズ」が踊り出すのだ。
早速、ステージがあるデッキに行くと、すさまじい熱気。かわいらしい3人娘がゆかたを着たまま、踊りまくっている。自分たちが踊るだけでなく、まわりもノセて踊らせる。乗客をあっという間に熱狂の渦に巻き込み、船上リオのカーニバル状態となって、大騒ぎ。2500円で飲み放題だから、みんなほどよくアルコールもまわっている。「マカレナ」など懐かしい曲がかかると、おじさんたちもどこからかわき出てきて、子供、若者、オヤジの大ディスコタイムとなった。
<<本文より抜粋>>
●訂正とお詫び
クルーズ6月臨時増刊「にっぽんの船旅」内、飛鳥レポートの記事中に以下の誤りがありました。訂正し、関係者の皆様にお詫び申し上げます。
P11 写真キャプション
誤「日本船はまだカジノ解禁でないので、勝った分は景品と交換。」
↓
正「日本船はまだカジノ解禁でないので、購入するチップの枚数に応じて記念品と交換。」
<日本と世界の海・船対談 Dr米山×藤子不二雄A>
船旅のいろんな体験を
マンガにしていますよ。
藤子 最初にQE2に乗ったのはね、ニューヨークからサザンプトンまで。昭和46年?だったか、ビートルズがアメリカに初めて渡った航海の帰路に、乗船したんです。それから何回か乗って、一昨年も横浜〜香港を1週間乗りました。昔は海外に行くのが大好きだったんで、連載を描きためたり、無理言って1カ月休んだりしてましたよ。「作者病気のため休載」(笑)とかいってね。
米山 世界中、いろんなところに行かれたのでしょうね。
藤子 旅行はほんとに好きで、ほとんど世界一周してますよ。中でも、船の場合は優雅でしょ。ほかの旅行なら、まあ、アクシデントがある面白さがありますけどね。
米山 クルーズ中は、漫画を描かれないのですか。
藤子 ほとんど今は、旅行中は描かない。やっぱり、自分の仕事場でないとね、一切描けないですよ。
――港々に、編集者が待っていたら?
藤子 それはさすがにしょうがないと思いますけれどね。手塚(治虫)先生なんて、タクシーの中でも描いていたらしいけれど、ぼくはとてもできない。でも、船の旅も、作品にしてますよ(といって、コピーを取り出す)QE2の中で、ぼくを船旅が初めての主人公にしてね(笑)。
米山 すごい!(見入る)
藤子 一週間でしたけど、とても楽しかったですねえ。あの時代はみんな忙しかったから、船に乗る間は、時間のない空間で過ごせるという喜び! これが、貴重な経験だった(しみじみ)。
米山 外国船にずいぶん乗られて、そのあとが昨年の飛鳥ですね。日本船のクルーズは、いかがでしたか。
藤子 QE2の独特の緊張感もいいけれど、日本船は気楽ですね。今回は割とシニアの方も多くて、のどかで良かったです。それと食事が、バラエティーがあって、とても食べやすかったんで。実は僕は、禅宗の寺に生まれたので、極端に言えば、肉と魚は食べられないんですよ。だから海外に行くと大変で、いつもパンケーキばっかり食べてるんです(笑)。
米山 船の上では、何をされているんですか。
藤子 退屈させないようにいろんなイベントがありますよね。QE2なら、デッキゴルフやカジノとかね。あと、映画はほんとに日替わりで見ましたよ。
米山 今までに、何回くらい客船に乗られてるのですか。
藤子 といっても、数えるくらいしか乗ってないですよ。たまに乗る方がいいかも。QE2に乗った時に、1人で世界一周しているイギリス人がいておどろきました。何カ月もズーッと乗っているんですね。あの、船の上で生まれた時からずっと過ごす映画、『海の上のピアニスト』は、とってもロマンチックな話でしたね。
米山 あの映画は僕も好きです。
藤子 映画といえば『南太平洋』のタヒチがとても好きでねえ。映画になったの見て、素晴らしいと思って、行ってみたんですよ。それが、大変な目に遭ってね……。
<<本文より抜粋>>