太平洋フェリー「きたかみ」、新たなる航海へ

●もう一つのスペーストラベル

 

「苫小牧〜仙台間は夜間航海が長くなります。天気のいい夜はデッキに出て星空を眺める。これはぜひ皆さまに体験していただきたいですね」(中村パーサー)

 

新「きたかみ」はとかくプロジェクションマッピングの演出が注目されがちだ。しかし、よく考えてみたい。この航路では、満天の星の下でリアルなスペーストラベルを体感できるのだ。

 

「自然に触れ合うことが、この航路の醍醐味です」という川尻船長の言葉には、船旅の原点が垣間見えた。中村パーサーは言う。
「これまでの太平洋フェリーは、お客さまにショーなどの楽しさを提供してきました。でも、きたかみは船内やデッキで宇宙を感じるなど、自分なりの楽しみを見つけられると思います」

 

新「きたかみ」のカラーは何か。あえて言うなら、白。スペーストラベルのスペースは「空間」という意味も持つ。「きたかみ」という真っ白な空間に、乗客がそれぞれ自分の色を付けていく。そんな船旅なのかもしれない。

CRUISE GALLERY
わきあがる白い雲をイメージした浴槽が、宇宙遊泳気分を高める展望大浴場
北海道の大学生たちが、太平洋から昇る朝日を眺めていた。夜は満天の星、日中はイルカの遊泳などを見る。デッキはリアルなスペーストラベルを体感できる空間だ
ペンアイコン取材メモ

日程:2019年9月19日(木)〜21日(土)
コース:仙台〜苫小牧 苫小牧〜仙台
※往復
運賃(片道):8,300円(C寝台)〜
2万1100円(特等)
船名:きたかみ(太平洋フェリー)
総トン数:1万3694トン
乗客定員:535人

2019年12月号掲載
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