キュナード・ラインの伝統と革新

【キュナードKEYWORD】
女王陛下の船

キュナードは1839年の創立より英国と北米間の英国王室の郵便事業も担っていた。王室との縁の深さから、 1 9 3 8年には「クイーン・メリー」という女王の名を冠した初めての客船を就航させることに。その後「クイーン・エリザベス」「クイーン・ヴィクトリア」と3人の女王の名を付け、船が代替わりしても、命名式は女王や王室関係者が行っている。

 

現「クイーン・エリザベス」もエリザベス女王が命名。3隻の船には、歴代女王の肖像画や銅像、王室との歴史を捉えた写真などが飾られており、クルーズをしながら英国王室の歴史に触れることができる。英国王室とともに歩んできたキュナードの船には英国らしい習慣や雰囲気が今も残り、クルーたちもそれを誇りに日々働いている。

 

 

2010年「クイーン・エリザベス」の命名を行う女王
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2010年「クイーン・エリザベス」の命名を行う女王
【キュナードKEYWORD】
ホワイトスター・サービス

キュナード社は長い歴史の中で多くの困難を乗り越えてきた。「タイタニック」を所有していたホワイトスター・ラインはキュナードのライバル会社だったが、1934年にキュナードが吸収合併。ホワイトスターの社名は消えたが、その質の高いサービスを「ホワイトスター・サービス」と呼び、今も受け継いでいる。

 

船長をはじめ、乗客と直接接することのない乗組員にいたるまで、全員がホワイトスター・サービスの12カ条が記されたカードを携帯し、バッジも着用。「お客さまおよび同僚に常に敬意を持って接すること」「お客さまのリクエストにはノーと言わないこと」「乗務中の船とサービスについて常に学ぶこと」など、伝統のサービスの根幹はここに存在し、そしてこれは乗組員の誇りにもなっている。

 

 

乗組員が襟元に付けている同サービスのバッジ
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乗組員が襟元に付けている同サービスのバッジ
【キュナードKEYWORD】
4つのカテゴリ-

大西洋横断の黄金時代より定期船は客室のカテゴリーによってレストランや施設を分けていた。それは王室や文化人などのプライバシーを守るものであると同時に、一般客室の乗客もまた肩肘張らずに生活環境に合った船旅を楽しめるという利点があった。
現在もキュナードはこのカテゴリー制を維持しており、「クイーンズ・グリル」「プリンセス・グリル」「ブリタニア・クラブ・レストラン」「ブリタニア・レストラン」という4つのダイニングの名称でカテゴリー分けをしている。

 

とはいえ客室やサービスに著しい違いがあるわけではない。手頃な料金でキュナードの船を体験したり、特別な記念日には客室をグレードアップしたりと、乗船の度にいろいろなアレンジや選択することができるというわけだ。

上級客室のディナー、男性は常にジャケットとネクタイ着用とのサイン
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上級客室のディナー、男性は常にジャケットとネクタイ着用とのサイン
【キュナードKEYWORD】
大西洋横断

多くの人がキュナードに特別な思いを寄せるのは、その洗練されたブランドゆえだけではない。今や唯一の、大西洋横断をするオーシャン・ライナー(定期運航船)、「クイーン・メリー2」を擁する会社であるからだ。

 

荒波に耐えうる船体の強さ、天候に左右されないように航海できる速度、さらには無寄港のまま7日間で大西洋を横断するための燃料や物資の貯蔵スペースなど、一般的な客船とは違う設計が求められ、その費用は全体の建造費の中でも多くの割合を占める。
また先祖が欧州から米国に移住した人にとっては同じ体験を追随させてくれる船でもある。そんな強さとロマンに加え、7日間退屈する暇がないような施設や興味深い講座を繰り広げる船はキュナードの真髄を教えてくれる。

現在もかなりの頻度で、大西洋横断を行うQM2
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現在もかなりの頻度で、大西洋横断を行うQM2
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