飛鳥Ⅱが描く、洋上の別世界へ

●めくるめく感動の連続

楽しみにしていた飛鳥Ⅱオリジナルのプロダクションショーは「バック・トゥ・ジ・80‘ｓ」。1 9 8 0年代にヒットした懐かしの洋楽で構成されたショーで、歌あり踊りあり、聞いているほうも自然と体が動き出す。あちらこちらから歓声も上がり、劇場は熱気に包まれた。

別の日には、飛鳥Ⅱ専属マジシャン渡邊卓也氏とシンガー＆ダンサーによるイリュージョンマジックショー「アナザー・ワールド」も上演。一つのイリュージョンだけでも十分楽しめそうなのに、歌やダンスの間に次から次へと多数のイリュージョンが展開する。地球の生命と宇宙を感じさせる壮大なテーマにも感動した。小学生のお嬢さんが「どうして消えちゃうのか、ぜんっぜん、わからない！」と頬を紅潮させていたのがかわいらしく、忘れられない。

●別世界へのいざない

今回のゲストエンターテイナー、東儀秀樹さんの雅楽を初めて聞いたのは、映画『風のかたみ』だった。繊細な音を奏でる神経質で近寄りがたい人なのだろうと想像していたが、とにかくステージでの話が面白い。だが、曲を奏でるとその世界にすっと引き込まれる。篳篥や笙などの雅楽器の音色に酔い、即興のピアノに引き込まれる。和装の乗客も多く、東儀さんのコンサートを楽しみにクルーズに参加した方も多かったのだろう。船内ショップで販売されていた東儀さんプロデュースの紅茶は、翌日、売り切れになっていた。