清水港から行く
静岡の魅力を探す旅
●清水港客船誘致委員会・山田会長に聞く
街とともに描く清水港の未来予想図
2020年2月から清水港ではコロナ禍の影響で、予定していた75隻の客船の寄港がストップした。その後、同年10月にはトライアルクルーズに参加して日本船3社の感染対策を確認。日本船寄港に向けた清水港の安全対策協議会などを経て、2 0 2 0年11月、11カ月ぶりにコロナ後の初寄港が実現した。11~12月の2カ月間で、日本船3社合わせて7回寄港している。
「最初は地元の方から心配の声が寄せられましたが、客船誘致委員会のホームページやSNSで寄港予定や入場制限の情報を公表するとネガティブな反応はなく、応援の声が届きました」と当時を振り返る。
清水港では客船受け入れの再開にあたり、市内自治会長への説明会、日の出ふ頭への一般見学者の入場禁止措置、出店者や港湾関係者から2週間分の健康観察票を回収するなどの感染症対策を実施し、現在も状況を見ながら対策を継続している。
「客船は“港の華”です。今から30年以上前、初めて清水港にクイーン・エリザベス2が寄港したときのように、港が見学に来られた市民でいっぱいになる景色を再現したいですね」。清水港と客船の関係は30年以上。市民にとって客船は身近な存在になっていると感じているという。
●客船誘致と清水港のこれから
「客船誘致委員会では、これまで隔年でアメリカに行き、ポートセールスを実施していました。通常であれば2022年1月に渡米予定でしたが、コロナ禍なので今回はリモートに変更。運航会社と話す機会を作り、前向きに清水港の魅力をアピールしていきます」。さらに新たな取り組みも視野に入れている。
「今後、清水港は海洋文化都市のビジョンで大幅リニューアルされることになるので、今まで利用していただいた船会社との縁を強化しながら、寄港実績のない、特に小型高級船との関係作りにも力を入れたいですね」とコロナ後を見据えている。
「清水は温暖な気候で、そこに暮らす人や働く人たちは、おおらかだなと感じます。街に出ていただければ、のんびりと温かな雰囲気を体験できるはずです。今はコロナ禍で自由行動が制限されていますが、解除されたらぜひ街のさまざまなスポットをめぐって、地元の方との交流を楽しんでいただきたいです」。