日常に戻りつつあるスペイン、アンダルシアへ。欧州リバークルーズ乗船記

日常に戻りつつあるスペイン、アンダルシアへ。欧州リバークルーズ乗船記
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.04.22
コロナ禍も長引くなか、海外ではすでにクルーズが以前のように動き始めている。
そんな状況のなか、欧州の河川で多数の船を運航するクロワジー・ヨーロッパの
スペイン、アンダルシア地方のリバークルーズにフォトグラファー斎藤正洋氏が参加した。
日本からの海外渡航、そして日常に戻りつつある船旅の様子をレポート。外部サイトでの動画ともリンクしている。
撮影・文=斎藤正洋
■DAY1 

日本出国は慎重に

 

コロナ禍の旅行は、コロナに感染しない注意が最大のポイントだ。加えて最新情報、今回であればスペインの入国条件に変化がないか随時チェックすることが求められた。

 

今回の飛行機はカタール航空。航空券はコロナ禍の特例で、無料で搭乗日時の変更が可能になっている。搭乗条件は48時間以内のPCR検査とその陰性。スペイン入国時の条件は、ワクチン接種証明と健康状況報告書類(事前に入力、プリントしておくべし)がすべてだった。予想外に簡単だったのだが、一方でこの時期の海外旅行は完全な自己責任になるので、万一の際の保険なども内容確認も重要だ。

 

出発時の成田第2ターミナルはガラガラだった。それでもレストランの一部は開いている。そんななか吉野家は満席ではないが、かなり繁盛していた。

 

3時間前に空港に着いたが、前出の書類をすべて用意していたのでカタール航空のチェックインは普段と変わらないスムーズさだった。コロナ前と同様の搭乗のように感じたが、飛行機は概ね3割の搭乗率。そこに密はない。そして食事時以外はマスクの着用が義務となっていた。

 

これだけ空いていれば3列シートのひじ掛けを上げて横になれた。ノイズキャンセリングイヤホンを持っていくといい。音だけはビジネスクラスになる。カタール航空の食事は中東のテイストが入った料理だが、おいしい。日本の航空会社と同等だと感じた。

 

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https://www.funatabifun.com/croisieurope/andalusiareport/part1/

出発前の成田空港第2ターミナル。ほとんどのカウンターは閉まり、見たこともないほど人影が少なかった
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出発前の成田空港第2ターミナル。ほとんどのカウンターは閉まり、見たこともないほど人影が少なかった
■DAY2 

マドリードからセビリアへスペイン国内移動

 

空港は平常時とあまり変わらないかと思うほど人は多い。そして空港内でマクスは必須。中東からヨーロッパへ乗継便は夜明け発だが、搭乗率は7割程度まで増えている。やはり到着時の待機期間がなければ、人は動くのだなと思う。

 

13時、マドリードに到着。まずPCR検査書類と接種証明を提出。1分も確認せずにパスし、イミグレーションへ進むと腕にタトゥーの入った男性が、隣席の人と話をしながら入国印を押してくれた。荷物を取って入国すると、係員から健康証明書の提示を求められる。それも見せるとすぐにOK。これでスペイン入国は終わった。普段とほとんど変わらないという印象だ。

 

マドリードからセビリア行きのフライトは1日3便ほどあるのだが、入国手続きに時間がかかる場合や、飛行機が遅れる可能性を考えて、事前予約はしなかった。鉄道の窓口でセビリアに行く方法を聞くと、マドリードのアトーチャ駅での乗り継ぎで、後はスペインの新幹線で2時間半とのこと。アトーチャ駅での改札で手続きがわからず手間取ったが、窓口で教えてもらって無事に新幹線に乗車した。

 

手元の資料としてあるのはスペイン広場の数枚の写真だけで、セビリアについてはほとんど調べていなかったので、車中の時間を使って見どころを探した。

 

夜8時にセビリア駅に到着。予約していた徒歩で10分ほどの歴史地区の宿に向かう。駅周辺は日本と比べるとかなり暗い(危険という意味でなく)。海外アクセスを自動設定している楽天モバイルは自動的にスペインの電波に切り替わるので、なんの手続きもなく日本と同様にGoogle Mapを見ながら宿についた。

 

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セビリアの歴史地区の通り、ヨーロッパの観光地では外で食事をするのが普通だったりする
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セビリアの歴史地区の通り、ヨーロッパの観光地では外で食事をするのが普通だったりする
■DAY3<乗船1日目> 

セビリアを歩き、夕方に徒歩で乗船

 

翌日、早朝からセビリアを歩いてみる。東京と比べて、3~4度温かい漢字を受ける。セーターが一枚でも寒いとは思わない。Seta De Sevilla(セビリアのキノコ)というオブジェや、世界最多の爵位を持つ貴族婦人が数年前まで実際に住んでいた宮殿Las Duenasなどを見て、午後3時にホテルに戻り、荷物を受け取り、また歩いてセビリア港に向かう。

 

歩いて行きたかったのは、その途中にスペイン広場があるから。そこから正面に下っていくとセビリア港なので、その道を通って到着したかったのだ。

 

スペインでコロナを避ける方法も大体わかってきた。咳をしている人に近づかない、密を避ける――基本的に日本と同じなのだ。圧巻のスペイン広場を見て、セビリア港に着くとドイツの高級客船「オイローパ」が停泊していた。海から50キロも上流でも3万トンクラスの船が入れるのだと驚く。岸壁は700メートルほどあった。

 

クルーに声をかけてゲートを開けてもらい、今回乗船する「ベル・デ・カディックス」(Belle de Cadix)へチェックインする。少し早いかと思ったが、既に数組がチェックインしていた。夕食まで時間があるので、船内を歩き回る。ついでに客室を見せてもらうと、喫水線近くの1階客室は丸窓で開かない仕様、2階客室は四角い広い窓だが開かない。3階は四角い広い窓で開く仕様になっていた。午後6時からクルーの紹介とクルーズのブリーフィングが行われた。

 

今回はマラガでリタイア生活をおくる3組のイギリス夫妻と一緒に、英語を話すグループの一員となった。クルーは船長からレストランまで全部で18名とのこと。フィリピンからのクルーで固められ、わかりやすい英語を話してくれる。最初はクルーの人数がかなり少ないという印象を受けた。だが日が経つにつれ、抜群チームワークと仕事ぶりということが伝わり、十分以上のサービスを受けることになる。

 

ウェルカムディナーはラビオリ、アスパラのチーズソースがけ、チキンカツソテー。デザートはクレマカタラーナ。ラグジュアリー客船のディナーに肉薄しているという感じるほどの味だった。

 

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セビリアのランドマークの一つ、セタ・デ・セビージャ。街全体を見渡せる上からの風景は絶景だった
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セビリアのランドマークの一つ、セタ・デ・セビージャ。街全体を見渡せる上からの風景は絶景だった
貴族の末裔が10年前まで実際に住んでいたラス・ドゥエニャス宮殿。すべてがあまりにも大きく庶民には「住む」感覚が想像できなかった
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貴族の末裔が10年前まで実際に住んでいたラス・ドゥエニャス宮殿。すべてがあまりにも大きく庶民には「住む」感覚が想像できなかった
■DAY4<乗船2日目>

コルドバへのツアーに参加する

 

船でコルドバに行くのを期待していたが、グワダルキビル川はセビリアの上流で治水の堰があり、上流には行けないようだ。この日は午前7時半に出港する。スペインではこの時間が日の出だ。午前10時にはコルドバのメスキータに向かうローマンブリッジに到着した。

 

グアダルキビル川を渡って、まずはメスキータ観光。1時間半ほど見学して、ユダヤ人地区”フデリア”を散策する。ゆったりとフデリア地区のアンダルシア料理を楽しみ、1時間ほどの自由行動をする。午後3時には移動し、午後5時にはセビリアに戻った。

 

ディナーはサーモンのペーストサラダ、スズキのラタトゥーユ、チーズ、キャラメルとウォールナッツのチーズケーキ。その後に、夜のスペイン広場観光へ。これもすばらしかった。

 

旅の動画はこちらへ(※外部サイトへのリンク)

https://www.funatabifun.com/croisieurope/andalusiareport/part4/

コルドバの宝石といえる「メスキータ」。500年に及ぶ増築と、イスラム・キリスト教が混在した稀に見る建築には驚愕する
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コルドバの宝石といえる「メスキータ」。500年に及ぶ増築と、イスラム・キリスト教が混在した稀に見る建築には驚愕する
■DAY5<乗船3日目>

セビリアの主要観光エリアを歩く

 

3日目は午前9時からセビリアウォーキング、1時間ほど歩いてアルカサール、フデリア、スペイン広場周辺を4時間かけて歩く。午後2時から遅めのランチ、メニューは子豚の三枚肉のステーキだ。

 

午後3時にカディスに向けて出港する。2つの橋をくぐる瞬間、歓声が響く。乗客がハメを外して勝手にベルを鳴らす風情も楽しい。グアダルキビル川の本流へ。泥色の幅の広い川で、全域地平線まで見えそうな風景だ。そして海に近づくと静かな青い色になった。サンセットを楽しんで、海に出た時間でのディナーが始まった。

 

メニューはほうれん草とキノコのリゾット、仔牛のステーキ、デザートは焼きパイナップルとマンゴーのアイスクリームだった。

 

旅の動画はこちらへ(※外部サイトへのリンク)

https://www.funatabifun.com/croisieurope/andalusiareport/part5/

 

セビリアのアルカサール。イスラム様式が好きだったキリスト教の王がアルハンブラ宮殿と並び立つ宮殿と命じて建てたもの
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セビリアのアルカサール。イスラム様式が好きだったキリスト教の王がアルハンブラ宮殿と並び立つ宮殿と命じて建てたもの
三日目の夕方、セビリアからカディスへ向かう夕暮れ。乾いた空気の地中海のサンセットは驚くほど深い色を見せる
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三日目の夕方、セビリアからカディスへ向かう夕暮れ。乾いた空気の地中海のサンセットは驚くほど深い色を見せる
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