モダンなリバー船で訪ねる、おだやかな夏のドナウ川
<エメラルド・ウォーターウェイズ>
4日目、ウィーンではバスで街の中心部へ。リンク通りを回りながら、地元ガイドによる街の造りや歴史の説明を受ける。その後、アルベルティーナ付近で日本語ガイドと合流し、徒歩で約1時間の日本語観光ツアーがスタートした。
640年間、ハプスブルク家の歴代皇帝が暮らしたホーフブルク宮殿を見学。ショップやカフェなどが軒を連ねるコールマルクト通り、クラーベン通りも散策した。
やはり日本語ガイドのツアーだと説明はしっかり理解でき、なにより安心感があっていい。それと同時に、ヨーロッパは歴史があるので、訪れる街の予習はしておいたほうがいいと思わされた。
この日は19時から、エメラルドが用意する有料ツアーで、プライベート・コンサートへ出かけた。乗客のためだけのコンサートで、元宮殿だった建物の一室を貸し切ってコンサートが開催される。演奏が始まるまではウエルカムドリンク片手に歓談し、その後、演奏が行われる部屋へと案内された。
『トルコ行進曲』『ハンガリー舞曲』『美しき青きドナウ』など、聴き覚えのある名曲が次々に演奏され、最後はスタンディングオベーションに。参加者たちの表情からも満足感が伝わってきた。
5日目、デュルンシュタインでは個人で街へと出かけた。船着場を出ると目の前にブドウ畑が広がる。この辺りはリースリングが有名だそうだ。5分も歩くと、街のメインストリート、ハウプト通りに到着した。
まず通りを散策する前に12世紀に建てられたケーリンガー城跡に登り、ドナウ川を中心に広がる街やブドウ畑の景色を楽しんだ。頂上までは足元の悪い山道が続き息が上がったが、頂上からの眺めはその疲れを忘れさせてくれた。
メルクに向けて出発すると、今回のクルーズのハイライトともいうべきバッハウ渓谷クルーズが始まる。デッキは渓谷の眺めを楽しむ人々でにぎわっていた。相変わらず日差しは強いのだが、この日はやや風が強かったおかげで、少し暑さが和らいだ感じがした。
デュルンシュタインを出ると右手に中世の要塞教会が、さらに進みシュピッツという街に差しかかると、ブドウ畑やアプリコット畑が広がる。緑のじゅうたんが敷き詰められたような景色を、クルーが運んでくれるワインを飲みながら眺める。
さらに進むと左手に、小高い丘に建つアックシュタイン城が、その先にシェーンビュール城が見えてくる。そうすると次の寄港地、メルクはもうすぐだ。
バッハウ渓谷は見渡す限り緑の山々の連続で、そこに時々小さな街があらわれる。静かで、おだやかで、ドナウの流れに身をゆだねているような、そんな時間だった。
メルクに到着後は、メルク修道院を訪ねた。ドナウ川を見渡すテラスや1888冊を収蔵する図書館などを専属ガイドの案内で見学。その後は歩いて街の中心へ行き、土産物店をのぞいたりしながら、船まで戻った。