飛鳥クルーズの新造客船、船出に向けて着々と

飛鳥クルーズの新造客船、船出に向けて着々と
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.06.27
エムス川沿いの美しい都市パペンブルクにあるマイヤー ベルフト造船所。建屋から新造船がお目見えする日が楽しみだ

実際、飛鳥Ⅱに乗っていると随所に「本物」が感じられる。木製のデッキしかり、船内に飾られた芸術作品しかり。最近では日本工芸会とのコラボレーションを行って、人間国宝の作家などによる伝統工芸作品も船内に展示している。そんな飛鳥ⅡのDNAが新造船にも着実に受け継がれていく。

 

「飛鳥Ⅱの良さは、新造船にもしっかりと受け継いでいきたいと思っています。一方で新たなダイニングを設けて食の選択肢を増やすなど、新造船ならではの取り組みも盛り込んでいきます。サービス面では、例えば好きな時間に食事がとれるフリーシーティング制も導入できればと考えています。お客さまにクルーズの新たな楽しみをご提供していきたいですね」と遠藤社長は構想を語ってくれた。

 

期待の新造船だが、まだ船名は発表されていない。歳森室長は、できれば2022年度内に船名は明らかにしたいと語る。

 

「2023年の10月までは詳細の設計が続き、2023年11月にスチール・カッティング(※2)、2 024年1月にキール・レイイング(※3)という行事を予定しています。そして2025年初頭にはドックを出て試験航海を行う予定です。マイヤー ベルフト造船所はエムス川の河口から30キロメートルほど内陸部にあります。造船所全体が建屋に覆われており、そこから新造船が川に出てくるところもハイライトのひとつになると期待しています」。

 

遠藤社長はドイツのマイヤー ベルフト造船所は「200年以上という非常に長い歴史のある造船所で、そこで働く人々は手堅いドイツ人気質にあふれています。だからこそ契約通りの船がきちんとできるだろうという安心感があります」と評す。

 

就航は2025年と少し間がある。それまではひたすら楽しみに待ち続けたい。今日も、着実に新造船の計画は進められている。

 

(※2)建造に必要な鉄鋼を切り出す伝統的なセレモニーで、客船建造の幕開けを祝う
(※3)木造船の時代から続く船舶の建造開始を表すセレモニー。現在の工法では最初の船殻ブロックがドックに置かれる

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