ルフトナー・クルーズ
緑深きブルゴーニュと、ラベンダー咲く初夏のプロヴァンス
往時の姿を残す世界遺産
■世界遺産の宝庫をめぐる
4日目、再びリヨンに戻ってきた船は、今度はプロヴァンス地方へとローヌ川を南下していく。
15時、リヨンを出ると、こんもりとした山など緑が濃くなってきた。客室のフレンチバルコニーの窓を開け、なだらかな斜面に点在するブドウ畑や街を眺める。
リバークルーズは目の高さで景色が移り変わっていくのがいい。そして、通り過ぎる川沿いの街がとても近いから、生活の声が聞こえてくるのだ。人の営みのそばを旅している実感がある。
シャトーヌフ・デュ・パプに到着した5日目朝、寄港地ツアーで世界遺産の水道橋ポン・デュ・ガールへと出発した。
プロヴァンス地方をめぐるクルーズ後半、世界遺産への訪問も見どころの一つだ。この水道橋をはじめ、この後に向かうアヴィニョン、翌日に訪ねるアルルも世界遺産の街。次から次へと歴史深い景色が登場してくる。
かつてポン・デュ・ガールが渡していた水の源ユゼスへも足を延ばした。曲がりくねる石畳の細い道に沿って石造りの家が立ち並ぶ、まるで迷路のような街だ。石壁がつくるこぎれいな景観はいかにも南仏らしく、初夏の日差しがよく似合っていた。
午後、アヴィニョンに移動を済ませた船に一度戻り、世界遺産の歴史地区へと出かけた。城塞は停泊場所のすぐ目の前だ。この日、船はアヴィニョンに停泊し、翌朝早くに出港する。このコースで一泊停泊するのはここだけなので、キャプテンはじめ多くのクルーが遊びに出かけていった。厚い壁に囲まれ、独立した世界が広がるこの街の夜はどんな様子なのだろう。がぜん興味が湧いた。
6日目の朝、アルルに到着し、ウオーキングツアーへ。古代ローマ時代に繁栄を極めたアルルの街にはその遺跡がいたるところに残っている。そしてここは、画家ヴァン・ゴッホが過ごした地でもある。その古い歴史を感じながらローマ遺跡をめぐる一方で、ゴッホが描いた暮らしの街並みも見て回り、この街の奥深さも味わえた。
(上メイン写真)
このコースへは6月末から8月中旬頃、ラベンダーの刈り取りが始まるまでの時期がおすすめだ。シャトーヌフ・デュ・ローヌには、アマデウス・プロヴァンスのテーマカラーであるラベンダーの“海”が広がる