ルフトナー・クルーズ
緑深きブルゴーニュと、ラベンダー咲く初夏のプロヴァンス
モダンで洗練されたデザイン
■居心地の良さの決め手
旅の舞台となったローヌ川、ソーヌ川沿いの街々の魅力はさることながら、ルフトナーで旅する最大の魅力は、船内のアットホームな雰囲気にあると思う。初日、クルーズ・マネージャーのアンドレアが話した言葉が印象的だった。「皆さんが笑顔になれば、私も笑顔になります。クルーズが終わるまでに、この船が皆さんの“ホーム”になったらうれしいです」。
実は今回、英語の案内や説明を必要とする乗客は団体客を除くとたった4人。ほとんどがドイツ語圏の乗客だったのだが、アンドレアは毎日ドイツ語と英語の順番を入れ替えながら船内放送をしてくれた。さまざまなシーンでこう、別なく対応してくれたおかげで、とても快適に過ごすことができた。
東欧出身が多いクルーはとても気さくで、乗客に寄り添いながらも型にはまらない対応がその距離をぐっと近づけてくれる。加えて、施設の限られたこの船ではクルーズ中、クルーや乗客同士が顔を合わせる機会が多い分、親しみも増していくようだ。黙々と操船していたキャプテンも、クルーズ終盤にはウインクを投げてくれるまでになった。
下船前夜のフェアウェルカクテルでは、オフィサー陣が言葉を尽くして乗客へ感謝を伝える。気付けばすっかり、船内は“家”のように居心地よい空間となっていた。
(上メイン写真)
橋の通過などが続きサンデッキが閉鎖されている時や、ロック(閘門)を通過する時には、船首のリバーテラスに人が集う
■リヨンの街を知る楽しみ
最終日、1週間をともにしたクルーや乗客たちとの別れに後ろ髪を引かれながら下船。朝8時、その晩宿泊するホテルに荷物を預け、リヨンの街に繰り出した。
リバークルーズは一筋にそそぐ川を行くだけあり、発着地が異なるコースが多いが、このコースは違う。発着地が同じ場所であるこのコースの楽しみは、リヨンをじっくりと観光できるところにもある。乗船日は22時に出航し、下船日は8時に下船。前泊後泊すればもちろんのこと、フライト次第では乗下船前後に街歩きする時間が確保できる。そして、発着日以外にも、4日目にリヨンが寄港地としてコースに含まれているから十分に堪能できるのだ。
リヨンはローヌ川、ソーヌ川が街を旧市街、新市街に分けている。寄港日にリヨン市内観光の寄港地ツアーに参加し、この街の全体像をつかめていたおかげで、一人歩く街にも不安は感じない。
2度目の街歩きで何より良かったのは、寄港地ツアーで案内してくれた地元ガイドさんにおいしいレストランが集まる通りや、地元の人も集うおすすめのレストランを聞けたことだ。
ミシュラン星付きのレストランが多数あり、美食の街として知られるリヨンは、お昼時になるとどこからともなくおいしそうなにおいが漂ってくる。4日目に食べたリヨン名物であるクネルがとても気に入り、この日、店を変えてまた食べようと決めていた。
そして、ツアー時の団体行動では立ち寄れなかった場所や気になっていた店を訪ねた。同じ街で2日間を過ごしたことで、この街の魅力と形が少しずつ見えてきた。
■ブルゴーニュとプロヴァンスの至宝7泊8日
コース:リヨン〜マコン〜シャロン・シュル・ソーヌ〜トゥールニュ〜リヨン〜シャトーヌフ・デュ・パプ〜アヴィニョン(停泊)〜アルル〜シャトーヌフ・デュ・ローヌ〜ルプザン〜リヨン
クルーズ代金:1,029〜4,079ユーロ(2名一室利用の1人分/2018年参考)
船名:アマデウス・プロヴァンス(ルフトナー・クルーズ)
全長:110メートル/全幅:11メートル
乗客定員:140人/乗組員数:約40人
問い合わせ先:
インターナショナル・クルーズ・マーケティング(ICM)
TEL03-5405-9213
http://lueftner-cruises.jp