【最新船は、こんなにもすごい!】ロアール・アムンセン

【最新船は、こんなにもすごい!】ロアール・アムンセン
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.12.27

●最新の北欧デザイン。心地よく、センス良く

 

このサイエンスセンターで開かれる各種講座も興味深い。極地の動植物や自然、地質、海洋についてエクスペディション・チームの専門家がさまざまな講演を行う。サイエンスセンターのすぐ隣にはエクスペディション・チームの部屋があり、乗客はそこに立ち寄り、気になることについて質問ができるようになっていた。実際、乗船したクルーズではレセプションは6人のクルーが担当していたが、対してエクスペディション・チームの専門家は20人以上、3倍以上も乗船していたのだ。同社がいかに乗客の知的好奇心に応えようとしているかが伝わってくる。

 

●心地よさが進化した癒やしの施設

 

一方で、クルーズではたとえ極地でも、リラックスしたり、優雅な気持ちに浸ったりという時間も必要だろう。同船にはそうした施設もそろっている。それも最新船らしく、心地よさも進化して。

 

日本人にうれしいのが、サウナとジャクジー。同船の極地クルーズではノルウェーのアウトドアブランド、ヘリーハンセンとコラボしたジャケットが無料でもらえるが、それでも冷える極地でのプログラムのあと、体を芯から温められる施設はうれしい。同船は最新船らしくインフィニティー・プールと広々としたジャクジーの両方があり、南極では雪見風呂、いや南極見風呂も実現できる。

 

日中のプログラムを終えて体を温めたら、次はやはり食である。同船にはメイン・ダイニングに加え、カフェ感覚で気軽に楽しめるフレドハイム、優雅な雰囲気のリンストロムというふたつのレストランがある。食材にはノルウェー産のものもあり、ノルウェーの船らしくチーズの種類も豊富。ビュッフェでも廃棄量を減らすために、小皿で提供されるのもさすがだ。

 

おすすめはリンストロムだ。1回につき25ユーロかかるが、フランス料理とノルウェー料理のフュージョンが、美しくも丁寧に皿に盛られており、極地において、いや極地だからこそ、優雅な味をかみしめた。実際、食後にはたった25ユーロでこの味が!という印象に変わったのは言うまでもない。

 

カフェ風のフレドハイムには、ハンバーガーのほか、タコスや小皿に盛られたサラダなどが気楽に楽しめる。なぜか水餃子もラインナップされていて、こちらも日本人にはホッとする味だった。

 

メニューやインテリアも北欧デザインらしいセンスの良さ。客室を筆頭に、家具にはノルウェーを代表する高級ブランド、エコーネスの製品がさりげなく配置されていて、同社が「プレミアム・エクスペディション」とうたうのも納得がいく。ただし実はそれに気づいたのは、乗船してしばらく経ってからのこと。下船後、もう少し客室のチェアを満喫すればよかったと後悔したのだった。

 

ちなみに客室は全室海側に面し、50パーセント以上がバルコニー付きだ。羊毛やオーク材や印材などスカンジナビア伝統の自然素材を多用し、落ち着いたインテリアは、アクティブな一日の後に心落ち着ける空間になっている。

 

2020年春以降、同社のすべての探検クルーズで、食事時のハウスワインやビール、そしてWi- Fiも料金に含まれるようになる。環境に配慮したグリーンシップで、ワイン片手にノルウェーが誇るスモークサーモンを味わいながら、南極の絶景をSNSにアップする……そんな21世紀らしいエクスペディション・クルーズが、このロアール・アムンセンでかなう。

CRUISE GALLERY
ロアール・アムンセン
窓に面したシートがリンストロムの人気。絶景を見ながら料理を味わいたい
ロアール・アムンセン
フレドハイムのメニューもおしゃれ。ミルクシェイクなどもおいしい
ロアール・アムンセン
料理はプレゼンテーションも美しく、皿やカトラリーなどもシンプルで上品 ©Agurtxane Concellon / Hurtigruten
ロアール・アムンセン
天窓もあり、自然光が心地よいエクスペディション・スイート客室 ©Agurtxane Concellon / Hurtigruten

●フッティルーテンの南極クルーズがおすすめの理由

 

ロアール・アムンセンは主に夏は北極圏に、冬は南極に就航します。クルーズ代金は、エクスペディション・クルーズにしてはリーズナブルで、個人旅行なら航空券代込みで100万円以下で南極クルーズにご参加いただけます。

 

英語に不安がある方などは、各旅行会社で添乗員付きのパッケージツアーなどもご用意しています。

 

毎日の上陸プログラムなどもクルーズ代金に含まれているため、船内使用分以外は余分な費用もかかりません。

CRUISE GALLERY
ロアール・アムンセン
湯気をあげるジャクジー。丸いタイプより広々している ©Oscar Farrera / Hurtigruten
ロアール・アムンセン
サウナも無料で楽しめる ©Oscar Farrera / Hurtigruten

〈SHIP DATA〉
船名:ロアール・アムンセン(フッティルーテン)
就航:2019年7月

総トン数:2万889トン
全長:140メートル/全幅:23.6メートル
乗客定員:530人

『CRUISE』2020年2月号に掲載
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