美しき世界の離島へ

テネリフェ島（スペイン領）

大西洋に浮かぶカナリア諸島のひとつテネリフェ島には、スペイン最高峰のテイデ山がそびえ立つ。高さ3,817メートルの頂上付近までロープウエーで登ることができ、火山活動によってできた奇岩などが見られる。麓には世界遺産に登録されたテイデ国立公園があり、ここでしか見られないエキゾチックな花「タヒナステ・ロホ」（写真）など珍しい植物にも出会える。

▼ベストシーズンと航行客船：開花する5〜6月。年間を通し多くの客船がカナリア諸島をめぐるクルーズで寄港。テイデ山観光はオプショナルツアーの参加がおすすめ。

ザキントス島（ギリシャ）

イオニア海に浮かぶギリシャ南東部の島、ザキントス島。ジブリ作品『紅の豚』の舞台にもなったといわれ、難破船が眠るナバイオ海岸の透きとおる海と白砂のコントラストは息をのむ美しさ。断崖絶壁に囲まれ、近くにはアオウミガメの産卵場所になっている無人島や青の洞窟などがあり、大自然に癒やされること間違いなし。

▼ベストシーズンと航行客船：6〜10月。主に小型船が寄港。2021年7〜10月にオーシャニアクルーズが同地をめぐるコースを数本実施する。

ボネール島（オランダ領）

カリブ海南部のベネズエラ沖にあるオランダ領の島。世界有数のダイビングスポットで、海の透明度は抜群。塩の生産が盛んなことから、プランクトンによってピンク色に染まる塩田と、高くそびえ立つ塩の山がフォトスポットのひとつとなっている。

▼ベストシーズンと航行客船：12〜4月。中型客船〜大型客船を中心に、カリブ海クルーズで寄港。塩田までは港から車で約20分。現地ツアーも豊富。

ガラパゴス諸島（エクアドル）

南米エクアドルから西へ約1,000キロメートルの赤道直下にある19の主な島と、小さな島々や岩礁からなるガラパゴス諸島。特異な地形から、ガラパゴスゾウガメやウミイグアナなどの固有種にも出会える。写真は赤い喉袋が特徴のオオグンカンドリ。

▼ベストシーズンと航行客船：6〜11月。探検船を運航するシルバーシー・クルーズやセレブリティクルーズなどが8日間でめぐるコースなどを設定している。

レユニオン島（フランス領）

マダガスカルとモーリシャスの間に位置するフランスの海外県の島。火山が生み出した独特の景観美は世界遺産に登録されている。活火山のピトン・ド・ラ・フルネーズ山と生い茂る緑のコントラストが魅力。月の砂漠を思わせる広大なカルデラは必見だ。

▼ベストシーズンと航行客船：5〜11月。小型客船〜中型客船を中心にマダガスカル周遊クルーズなどで寄港する。火山トレッキングツアーなどもある。

ボラボラ島（タヒチ）

南太平洋のタヒチ北西に位置するリゾート島。オテマヌ山など大自然に囲まれ、何層にも重なる真っ青な海に水上コテージが並ぶロケーションは絵画のような美しさ。水上アクティビティーやポリネシア文化を学ぶツアーなど見どころも豊富。

▼ベストシーズンと航行客船：5〜10月。ポール・ゴーギャン・クルーズがタヒチに通年就航し、同社のプライベート・アイランドを含む島めぐりが楽しめる。

グリーンランドは地球上の最大の島。名前と反対に、島の大部分は北極圏内で、陸地の80パーセントが氷河や氷床、万年雪に覆われている。

カナダ北東部から船でデービス海峡を渡り、グリーンランドに近づくにつれ、巨大な氷山がいくつも流れてきて、圧倒的な風景に心をうばわれた。

そんな環境の中、島の西部には小さな集落が点在し、イヌイットの人々が暮らしている。ウマナックという村では、岩肌に張り付くようにカラフルな民家が立ち、極地の大自然に暮らす人々の強さとたくましさに感動した。

写真・文＝石井真弓

カウアイ島（米国）

ハワイ最古の島であるカウアイ島では断崖絶壁の海岸線ナ・パリ・コーストが有名。全長約25キロメートル、標高差は約1,000メートルで、映画『ジュラシック・パーク』のロケ地にもなった。雨風や波に削られた岩肌は時間の経過によって表情を変え、船で近づくと眼前に現れる大迫力のパノラマは、陸路では見られない絶景だ。

▼ベストシーズンと航行客船：4〜10月。航行客船の中でもノルウェージャンクルーズラインの「プライド・オブ・アメリカ」によるハワイ4島めぐりが人気。