商船三井クルーズの34年ぶりとなる新船就航

新たな海を拓く船、MITSUI OCEAN FUJI

新たな海を拓く船、MITSUI OCEAN FUJI
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2025.03.27
東京国際クルーズターミナルに入港する「三井オーシャンフジ」。ふたつのファンネル、真ん中の円盤形のガラス天井が特徴的だ。デッキはラグジュアリー船らしく、本物の木材が敷かれている

さらに特筆すべきは日本のフランス料理を革新し続けてきた三國清三シェフが監修するメニューが並ぶ「北斎 FINE DINING」(予約制有料)だ。同シェフは2024年に37年続けた四谷のレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」の幕を下ろしたばかり。そして洋上で新たに提供する味は、「オテル・ドゥ・ミクニを再現しています」と胸を張る。シャンパンやワインには三國シェフ自身がセレクトしたものも。かつてオテル・ドゥ・ミクニに足を運んだ人は懐かしく、初めての人は洋上でこそ味わえるフランス料理の真髄に舌鼓を打つだろう。

 

北斎FINE DININGでは前菜、スープ、サラダ、メイン料理にデザート、プティフールと続くプリフィックスメニューを提供。前菜、メイン料理は好みに合わせてチョイスが可能だ。デザートの前にはワゴンで運ばれてくる多彩なチーズも用意されているから、ぜひともお腹をすかせて美食の世界へ飛び込みたい。

クラシカルな雰囲気の「北斎 FINE DINING」。三國シェフのワインも置かれ、ペアリングも可能
クラシカルな雰囲気の「北斎 FINE DINING」。三國シェフのワインも置かれ、ペアリングも可能
プレゼンテーションも美しい北斎のメインディッシュ「牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ風」
プレゼンテーションも美しい北斎のメインディッシュ「牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ風」

癒やしの場であり社交の場でもある
この船を象徴する、つい足が向く空間

 

これぞ三井オーシャンフジだと思った施設がある。「公室でどこが好き?」と聞かれても、同じ場所を挙げる。デッキ7にあるMITSUI OCEANスクエアだ。

 

海外のラグジュアリー船では、ホテルのように並んで待つレセプションより、デスクに座って相談できるスタイルが一般的だ。このMITSUI OCEANスクエアはそうしたデスクスタイルのサービスデスク機能に加え、カフェ、そして図書コーナーの機能も兼ね備えている。デッキにも出られるし、時間によってはここでイベントも開催される。終日航海日にはゆったりと本を広げ、読書を楽しむ人の姿も。ここはリラックスするスペースであり、社交の場でもある。

本はテーマに沿って陳列してあり、興味深いものが多数
本はテーマに沿って陳列してあり、興味深いものが多数
おしゃれな制服のバリスタもいて、ていねいにコーヒーをいれてくれる
おしゃれな制服のバリスタもいて、ていねいにコーヒーをいれてくれる

 

このMITSUI OCEANスクエアでは、紅茶やコーヒーは無料でオーダーが可能だ。さらにショーケースに美しく並んだ軽食やスイーツも無料で楽しめる。朝はサラダやヨーグルト、お昼は各種パンなど、そしてその後はスイーツなど、常時810種類が並ぶ。

 

三井オーシャンフジはもともと外国船として運航されてきた船だけに、船内のギャレー(調理施設)はパンを焼く機能が充実しているという。クルーズ中は日替わりでパンが並び、クロワッサンやデニッシュのほか、時にはていねいに作られたあんパンも提供されていた。どれでも好きなものを気兼ねなくオーダーできるのがうれしい。

 

「ラグジュアリー船の重要な要素のひとつが、自分の好きなようにのびのびと気兼ねなく過ごせること」。同船のハンセン船長はそう語ってくれた。MITSUI OCEANスクエアはまさにそれを体現するスペースだ。

栗のミルフィーユ、フルーツタルトなど日替わりのスイーツは、小さ目のサイズだから色々な種類を試せる
栗のミルフィーユ、フルーツタルトなど日替わりのスイーツは、小さ目のサイズだから色々な種類を試せる
対面式のソファのほか、大人数で過ごせるゆったりとしたソファエリアも
対面式のソファのほか、大人数で過ごせるゆったりとしたソファエリアも
同船のジェイコブ・マインハート・ハンセン船長はデンマークの自治領であるフェロー諸島出身
同船のジェイコブ・マインハート・ハンセン船長はデンマークの自治領であるフェロー諸島出身
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