商船三井クルーズの34年ぶりとなる新船就航

新たな海を拓く船、MITSUI OCEAN FUJI

新たな海を拓く船、MITSUI OCEAN FUJI
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2025.03.27
東京国際クルーズターミナルに入港する「三井オーシャンフジ」。ふたつのファンネル、真ん中の円盤形のガラス天井が特徴的だ。デッキはラグジュアリー船らしく、本物の木材が敷かれている

独自の寄港地観光にアフタヌーンティー
新たなクルーズを切り拓いていく船

 

三井オーシャンフジで良かったことはと聞かれたら、その答えのひとつが「寄港地観光ツアー」だ。

 

実は乗船前に送られてきたパンフレットを見て、頭を悩ませた。魅力的な寄港地観光ツアーが複数あり、選べないのだ。三井オーシャンフジでは国土交通省や全国の地方港湾・観光局と連携し、独自の寄港地観光ツアーを提供している。

 

三井オーシャンフジを筆頭に、多くの客船の定番寄港地である釜山では、韓国料理教室にも参加できるツアーが設定されていた。韓国料理のニンニクの量に驚いたり、子どもの参加者の上手な包丁さばきに感心したり。こうした体験型ツアーに参加することで、寄港地の印象は一層強くなる。

 

鹿児島の歴史ある薩摩焼の窯元・沈壽官窯では、職人でもあった方がガイドしてくれ、通り一辺倒ではない熱意ある案内に心打たれた。最後にツアー参加者でショップに向かい、「こっちもすてき!」なんてワイワイ買い物を楽しんだ時間は、さながら大人の修学旅行のよう。

 

充実した寄港地観光ツアーで縁あった参加者とは、その後の船内でもおしゃべりを交わす仲になった。顔を合わす機会が何度かあったのも、三井オーシャンフジの3万トンというサイズ感と、7日間というある程度日数があるクルーズならではだろう。

鹿児島寄港時にはデッキから桜島が望めた。プールのまわりには「プールサイドレストラン&バー湖畔」がある
鹿児島寄港時にはデッキから桜島が望めた。プールのまわりには「プールサイドレストラン&バー湖畔」がある
眺望が楽しめる「オブザーベーションバー36」。日中は歌をうたうイベントなども開催されていた
眺望が楽しめる「オブザーベーションバー36」。日中は歌をうたうイベントなども開催されていた
韓国の釜山での料理教室の様子。地元の人に案内してもらうツアーは、人との交流も心に残る
韓国の釜山での料理教室の様子。地元の人に案内してもらうツアーは、人との交流も心に残る
デッキ5のオーシャンクラブ&バーの奥にある「プールセルリアン」。穴場的な空間で、寄港地観光ツアーの後にのんびりするのもいい
デッキ5のオーシャンクラブ&バーの奥にある「プールセルリアン」。穴場的な空間で、寄港地観光ツアーの後にのんびりするのもいい

 

その他にもこの船だけのユニークな体験は少なくない。そのひとつが日本式のアフタヌーンティー「玉手箱」。その名の通り玉手箱に着想を得たもので、日本茶と一緒にお菓子を楽しめるのが、懐かしくも新しい。玉手箱さながら煙が立ち上る楽しい仕掛けもあり、3時のお茶がかけがえのない時間に。

アフタヌーンティー「玉手箱」。富士山を模した練り切りなど凝った内容(予約制有料4,000円)
アフタヌーンティー「玉手箱」。富士山を模した練り切りなど凝った内容(有料予約制4,000円)
晴れた終日航海日などはプールサイドレストラン&バー 湖畔でハンバーガーなどが楽しめる
晴れた終日航海日などはプールサイドレストラン&バー 湖畔でハンバーガーなどが楽しめる

 

こうしたちょっとした楽しい仕掛けは、バーでも健在だ。「オブザーベーションバー36」で目をひくカクテルは、カクテルグラスの上に大きなシャボン玉がのったような「富士サンセット」。シャボン玉がパチンと割れ、煙がするりとカクテルグラスを滑り落ちると、思わず歓声を上げてしまう。

一番右が「富士山サンセット」。ししとうを使った「原宿ヒート」(一番左)など、凝ったカクテルが多い
一番右が「富士山サンセット」。ししとうを使った「原宿ヒート」(一番左)など、凝ったカクテルが多い
日本各地のジンを取りそろえた「オーシャンクラブ&バー」では、バーテンダーがカートにカクテルの材料を乗せ、目の前で迫力のシェイクを見せてくれる
日本各地のジンを取りそろえた「オーシャンクラブ&バー」では、バーテンダーがカートにカクテルの材料を乗せ、目の前で迫力のシェイクを見せてくれる

 

にっぽん丸で人気の落語のような和式エンターテインメントから、外国人シンガー&ダンサーが活躍するプロダクションショーまで和洋折衷のエンターテインメントもこの船の特長。初めて体験する各種ゲームやクイズも数多くあった。

 

「にっぽん丸が大好きでこの船に乗ったけれど、にっぽん丸とはまったく別の船で。だから三井オーシャンフジという新しい船として向き合って、また新しい楽しみを見つけました」と、以前も取材でお目にかかった乗客の方の弁。

 

確かにこの船は「にっぽん丸2」ではない。「三井オーシャンフジ」として、新たな海を、クルーズの世界を拓いていく船なのだ。

オーシャンステージで行われるプロダクションショーは観客席との距離が近く、迫力がある
オーシャンステージで行われるプロダクションショーは観客席との距離が近く、迫力がある
乗船して早々、船長のウェルカムパーティーが開催され、にっぽん丸でおなじみの面々も登壇した
乗船して早々、船長のウェルカムパーティーが開催され、にっぽん丸でおなじみの面々も登壇した
シャープな外観も特徴的。日本の各港でその姿を見られるのを楽しみにしたい
シャープな外観も特徴的。日本の各港でその姿を見られるのを楽しみにしたい
CRUISE GALLERY
シャープな外観も特徴的。日本の各港でその姿を見られるのを楽しみにしたい
シャープな外観も特徴的。日本の各港でその姿を見られるのを楽しみにしたい
取材メモ

日程:20241223日(月)~29日(日)

コース:神戸~博多~釜山~鹿児島(停泊)~横浜

クルーズ代金:506,000円~1,984,000

船名:三井オーシャンフジ(商船三井クルーズ)

総トン数:32,477トン

乗客定員:458

取材協力:商船三井クルーズ

https://www.mitsuioceancruises.com/

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