新たな海を拓く船、MITSUI OCEAN FUJI

独自の寄港地観光にアフタヌーンティー
新たなクルーズを切り拓いていく船
三井オーシャンフジで良かったことはと聞かれたら、その答えのひとつが「寄港地観光ツアー」だ。
実は乗船前に送られてきたパンフレットを見て、頭を悩ませた。魅力的な寄港地観光ツアーが複数あり、選べないのだ。三井オーシャンフジでは国土交通省や全国の地方港湾・観光局と連携し、独自の寄港地観光ツアーを提供している。
三井オーシャンフジを筆頭に、多くの客船の定番寄港地である釜山では、韓国料理教室にも参加できるツアーが設定されていた。韓国料理のニンニクの量に驚いたり、子どもの参加者の上手な包丁さばきに感心したり。こうした体験型ツアーに参加することで、寄港地の印象は一層強くなる。
鹿児島の歴史ある薩摩焼の窯元・沈壽官窯では、職人でもあった方がガイドしてくれ、通り一辺倒ではない熱意ある案内に心打たれた。最後にツアー参加者でショップに向かい、「こっちもすてき!」なんてワイワイ買い物を楽しんだ時間は、さながら大人の修学旅行のよう。
充実した寄港地観光ツアーで縁あった参加者とは、その後の船内でもおしゃべりを交わす仲になった。顔を合わす機会が何度かあったのも、三井オーシャンフジの3万トンというサイズ感と、7日間というある程度日数があるクルーズならではだろう。




その他にもこの船だけのユニークな体験は少なくない。そのひとつが日本式のアフタヌーンティー「玉手箱」。その名の通り玉手箱に着想を得たもので、日本茶と一緒にお菓子を楽しめるのが、懐かしくも新しい。玉手箱さながら煙が立ち上る楽しい仕掛けもあり、3時のお茶がかけがえのない時間に。


こうしたちょっとした楽しい仕掛けは、バーでも健在だ。「オブザーベーションバー36」で目をひくカクテルは、カクテルグラスの上に大きなシャボン玉がのったような「富士サンセット」。シャボン玉がパチンと割れ、煙がするりとカクテルグラスを滑り落ちると、思わず歓声を上げてしまう。


にっぽん丸で人気の落語のような和式エンターテインメントから、外国人シンガー&ダンサーが活躍するプロダクションショーまで和洋折衷のエンターテインメントもこの船の特長。初めて体験する各種ゲームやクイズも数多くあった。
「にっぽん丸が大好きでこの船に乗ったけれど、にっぽん丸とはまったく別の船で。だから三井オーシャンフジという新しい船として向き合って、また新しい楽しみを見つけました」と、以前も取材でお目にかかった乗客の方の弁。
確かにこの船は「にっぽん丸2」ではない。「三井オーシャンフジ」として、新たな海を、クルーズの世界を拓いていく船なのだ。




日程:2024年12月23日(月)~29日(日)
コース:神戸~博多~釜山~鹿児島(停泊)~横浜
クルーズ代金:506,000円~1,984,000円
船名:三井オーシャンフジ(商船三井クルーズ)
総トン数:32,477トン
乗客定員:458人
取材協力:商船三井クルーズ