三井オーシャンフジでめぐる南台湾
港から見える台湾の素顔、3港周遊で知る奥深き魅力

「もうほかの船では満足できないわ」と、3日目の朝食でテーブルを共にした方がつぶやいた。理由を尋ねると、「お部屋と食事よ」と、短い答えが返ってきた。そう、船内で過ごす時間の豊かさもまた、この旅の大きな魅力だった。
まず魅了されたのが、客室の広さだ。ゆったりとしたソファやテーブルがあり、部屋で過ごす時間が増える空間だった。ウォークインクローゼットに加えて収納が多く、荷物が増えても部屋は終始すっきり。湯船に浸かれることも“滞在の質”を確実に高めた。
にっぽん丸の系譜と聞けば、食事への期待は自然と高まるが、それに応える内容だった。メインダイニング「ザ・レストラン 富士」では、和食と洋食のフルコースはもとより、沖縄発着ならではの沖縄御膳も印象的だった。「テラスレストラン 八葉」では、沖縄や台湾の料理が何度も登場し、船内でも沖縄と台湾の旅気分を満喫できた。ルームサービスでは、温かい料理を24時間、いつでも客室で味わえる。「MITSUI OCEAN スクエア」は居心地が良すぎて、朝に夕方にと度々立ち寄ってしまった。さらに、200種を超えるドリンクが料金に含まれるので、食事や気分に合わせて選ぶ楽しさがある。
6泊のクルーズでもやはり心残りがあり、それもまた、満ち足りた船内時間の証しだろう。





船内イベントもまた、那覇発着という航路らしさを感じさせた。
特に印象深かったのが、琉球民謡歌手・前田博美さんによる「唄で巡る琉球列島音楽の旅」だ。那覇を出港し、台湾へ向かう航路に沿って、島々を一つ一つ民謡でたどっていく構成で、唄を聴くほどに船が南へ進み、旅情が増していく。琉球舞踊「はいさい美ら舞」によるステージも圧巻で、指先まで美しい舞に見入ってしまった。これら二組は「オーシャンステージ」でのメインショーに加え、「オーシャンクラブ&バー」でもイベントを開催。トークやカチャーシーのレクチャーを通じ、距離の近い交流も生まれていた。最終日のプロダクションショーのあと。出演者と船内スタッフが総出で並び、乗客一人一人を見送ってくれた光景も感動的で心に残る。
多国籍なスタッフとのフランクな会話を楽しみながら、サービスにはにっぽん丸の存在を感じさせる、日本式のもてなしがある。そのバランスが心地よい。
どの旅先でも、知らなかった魅力に出会わせてくれる。滞在するほどに良さが見えてくる。だからまた、この船で旅をしたいと思うのだ。




那覇発着 エキゾチック台湾クルーズ~高雄・安平・台中~
日程:2026年1月18日(日)~1月24日(土)
コース:那覇~高雄~安平~台中~那覇
※天候の影響により台中寄港は基隆に変更
クルーズ代金:42万1000円(オーシャンビュースイート)~159万6000円(MITSUI OCEANスイート)
船名:三井オーシャンフジ(三井オーシャンクルーズ)
総トン数:3万2477トン
乗客定員:458人/乗組員数:約340人




