実際、ハンモックに体を委ねると、布が体をサポートしてくれるせいで、普段は届かない筋肉が気持ちいいほど伸びていく感覚があった。終わった後の体の爽快感はまさに格別。クラス終了後、参加した乗客のひとりが「これは毎日でも来たい」と言っていたが、その気持ちがよくわかった。

その後、まだ体を動かしたい欲があったので、「アスカ ウェルネスクラブ」へ。12デッキに位置するアスカ ウェルネスクラブは、海を眺めながら24時間自由に使えるフィットネスセンターだ。訪れたのは、夕食前の夕暮れどき。トレッドミルの目の前には大きな窓があり、水平線がオレンジ色に染まり始めていた。走りながら夕陽が沈んでいくのを眺めていたら、普段なら20分で飽きるはずの有酸素運動が、気づけば40分を超えていた。

●デッキで遊ぶ、海の上のスポーツ時間
ウェルネスがたっぷり楽しめる飛鳥Ⅲでは、スポーツウェアに加えて水着も必須だ。好天に恵まれた日は「アルバトロスプール」へ。グリーンウォールと木目調の装飾が印象的な屋外プールで、両サイドにふたつあるジャグジーに体を沈める時間もまた極楽。さらにデッキチェアに寝そべり、波音を聞きながらグラスを傾ける午後──それ自体が、ひとつのウェルネスだ。

ふと上階に足を運ぶと、「アスカ フィールド」では、パドルテニスに興じるグループがいた。時には潮風に球が流される、その不規則さも含めて笑いながら楽しんでいる姿が、いかにもクルーズらしい。ここは3on3、バスケットボールにも対応したマルチコートで、体を思い切り動かしたい人にとっては格好の場所だ。
アスカ フィールドから船内に入ったところにあるゴルフシミュレーター「ザ・リンクス」には、アメリカのトッププロも使用するという「フルスイング」が導入されている。世界の有名コースで仮想プレーができる体感型の施設で、荒天時でも楽しめるのは大きな強み。予約は必要だが、無料で楽しめるため、ゴルフ初心者でもぜひ一度は体験したい。

●スパと大浴場で、体をとことん甘やかす
翌朝いちばんにグランドスパへ向かった。展望大浴場からは船の針路を、露天風呂からは移りゆく大海原を眺めながら、ゆっくりと入浴が楽しめる。特に露天風呂から島影をゆったりと眺める時間は、飛鳥Ⅲならではの贅沢。脱衣室では「今回もう3回も入った」「わたしも!」なんてお風呂好きの会話も聞こえてくる。
さらに航海日などでたっぷり体を甘やかしたいときは、「アスカ サロン&スパ」へ。飛鳥Ⅲオリジナルコスメを使ったフェイシャル・ボディトリートメントをはじめ、ヘアスタイリング、メイク、ネイルまで、多彩なサービスが提供される。オリジナルコスメの上品な香りに包まれながら、熟練の手腕を感じながら体をほぐす時間は、リラックスの中でも最上級だろう。クルーズ中は日常よりよく食べ、よく歩き、よく眠る。体がほぐれた状態でスパの施術を受けると、普段では届かない深さまでほぐれていく感覚がある。
スパを利用した女性は専用扉でグランドスパにもアクセスできるため、入浴とトリートメントをひとつの流れとして楽しむことができる。有料・乗船後予約制のため、特に航海日は早めに予約することをすすめる。さらにクルーズの終盤に予約し、最後の仕上げとして利用する乗客も多いと聞いた。


飛鳥Ⅲで過ごした数日間で、体も頭もめまぐるしく動き、温まり、伸ばされ、ほぐれた。
クルーズ最終日、ふと鏡の前に立つと乗船前より顔色がよかった。目の下のくまが、少し薄れていた気がした。それがきっと「飛鳥Ⅲ」の効果だ。気づけば新たな文化や体験をたっぷりと味わい、さらに心身ともに整っている。そんな最高に贅沢な時間の使い方が、この飛鳥Ⅲでは叶うのだ。
秋の常陸那珂・仙台クルーズ
日程:2025年11月4日(火)~9日(日)
コース:横浜~常陸那珂~仙台(オーバーナイト)~
クルージング~横浜
クルーズ代金(2名一室利用時1名分):570,000円(アスカバルコニーD)~2,750,000円(ロイヤルペントハウス)
船名:飛鳥III(郵船クルーズ)
総トン数:5万2265トン
乗客定員:740人/乗組員数:約470人(※2026年4月現在)
取材協力:郵船クルーズ






