●メニューで花咲く旅話 特別な日の夜更かし
季節の食材を用いて上品に仕上げた食事も船内生活での楽しみのひとつ。ディナーは洋食、和食、中華と、その日によって違った装いで提供されるので飽きない。小籠包やブイヤベースといった、世界各地のこだわりメニューも多く、そんなメニューが並んだ日は、乗客同士、当地を訪れた思い出話に花が咲くきっかけにもなった。ちなみに上陸が叶わなかった上五島だが、ご当地メニューである五島うどんが船内のランチで食べられたのはうれしい出来事だった。
七尾へ入港する前夜には、フォーマルナイトが行われた。思い思いに着飾ってフルコースのディナーを味わい、プロダクションショーやコンサートを鑑賞する。特別な夜だけに、ほかの日よりも遅くまでプログラムが組まれていた。普段は早寝早起きが多い乗客も、この日ばかりは夜更かしを楽しみ、船内はいつまでも華やいでいた。
今回のクルーズでは約700人の乗客が乗っていたが、そのうち8割がリピーターだという。終日航海の充実ぶりもまた、飛鳥Ⅱが人気を集める理由のひとつなのだろうと納得したのだった。
CRUISE GALLERY
洋食ディナーの牛フィレ肉のポワレとフォアグラのパイ包み
秋が感じられた和食ディナー
取材メモ秋の日本一周クルーズ
日程：2019年9月16日（月）〜27日（金）
コース：横浜〜神戸〜瀬戸内海クルージング〜唐津〜上五島〜七尾〜新潟〜函館〜大湊（むつ）〜横浜（※取材は横浜〜七尾）
クルーズ代金：57万2000円（Kステート）〜288万2000円（Sロイヤルスイート）
船名：飛鳥Ⅱ（郵船クルーズ）／総トン数：5万142トン
乗客定員：872人／乗組員数：約470人
2019年12月号
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