驚きの世界一が続々と!
クルーズ客船の世界一、世界唯一は?【サービス&施設部門】
他から抜きんでた「世界一」=ナンバーワンと、
その客船にしかない「唯一」=オンリーワンを紹介していこう。
今回は【サービス&施設部門】を紹介していく。
構成=クルーズ編集部
(ヴァージン・ボヤージズ)
ボヤージュ・バイナル
多彩な音楽体験がかなう
18歳以上限定の新生船社
航空や金融、エンターテインメントなどさまざまな事業を展開してきたヴァージン・グループが新たに誕生させたヴァージン・ボヤージズ。18歳以上限定の大人専用クルーズ体験をコンセプトとしたり、健康や若返りを目指すプログラムを充実させたりと面白い試みが盛り込まれている。
2020年2月に引き渡された第1船「スカーレット・レディ」(10万819 2トン)には、ユニークな音楽体験がかなう施設が登場している。それには同グループの発端ともなる、リチャード・ブランソン会長が中古レコード通信販売会社を立ち上げ、その後「ヴァージン・レコード」を設立したという背景も影響している。
そのひとつが、洋上初のレコードショップ「ボヤージュ・バイナル」。あらゆるジャンルのレコードが並び、気に入ったものを試聴できるリスニングスペースも備わる。レコードだけでなく、音楽雑誌、ヘッドフォンなども販売する他船にはない独自の施設だ。
そのほか、日本のカラオケスタイルが楽しめる「ザ・グルーピー」、ブランソン会長が最初に作ったレコーディングスタジオにちなんで名づけられたナイトクラブ「ザ・マナー」なども配される。ヴァージン独自の音楽体験が楽しみだ。
(リージェント セブンシーズ クルーズ)
リージェントスイート
総額2000万円以上!
特注ベッドで上質な眠りを実現
洋上でも毎日質の高い睡眠をとりたい──。そんな願いをかなえるため、リージェント セブンシーズ クルーズが導入したのは、スウェーデンの寝具メーカー、ヘステンス社と共同開発した高級ベッド。その値段は1台20万ドル、日本円にして2000万円以上。客船に置かれているベッドの中では最も高級だ。
この特注のベッドは職人が約9週間かけて作り上げ、2020年2月に就航した新造船「セブンシーズ スプレンダー」(5万4000トン)のリージェントスイートに設けられた。木製フレームはスウェーデン北部のパイン材を使用、その上にはボックススプリングを使用したクッション性のあるボトムが敷かれ、深みのある寝心地を実現している。
マットレスやパッドには綿やウールなど上質な毛が何層にも重ねられ、体の疲れを最大限に吸収する役割を果たしている。ベッドリネンは2種類から選べ、枕もジェルやそば殻など自分の好みに合ったものを使用できるのがうれしい。
一方、プリンセス・クルーズは、睡眠の専門家と共同開発した「プリンセス・ラグジュアリー・ベッド」を全船に導入。着脱式のピロートップで好みの寝心地に調節できるなど、さまざまに研究して作られた快眠ベッドだ。こちらは約25万円でプリンセスのホームページから購入可能。値段を比べてみても、リージェントのベッドがいかに高級であるかが分かる。
「プライド・オブ・アメリカ」(8 万439トン)はハワイ4島をめぐるクルーズに通年就航する唯一の客船。カボタージュ規制により、国内港湾間の船の移動は自国船籍に限定されるので、ハワイを周遊するためには、米国船籍である必要がある。
クルーズ客船の船籍はバハマやパナマなどが多い。なぜなら、船籍国の法律に従って船を運営する必要があるため、人件費や船の維持費などを抑えることができるからだ。それでも米国船籍でハワイを周遊するのには、それだけの価値があるということだ。
同船はホノルルを出航し、オアフ島、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島を7泊8日でめぐる。映画『ジュラシック・パーク』のロケ地にもなったカウアイ島のナパリコーストに船で近づけば、大迫力のパノラマが眼前に迫ってくる。ハワイの大自然を間近に感じることのできる数々の絶景は、このクルーズでしか見られない。
客室の内装もハワイアンテイスト。米国船籍の船だけに、クルーにも一定数の米国人がいて、彼らの陽気なサービスも評判がいい。
大海原を眺めながらの“洋上ピクニック”をかなえるのは、セレブリティクルーズのソルスティス・クラス「セレブリティ・ソルスティス」(12万1878トン)、「セレブリティ・イクノス」(同)、「セレブリティ・イクリプス」(同)、「セレブリティ・シルエット」(12万2 210トン)、「セレブリティ・リフレクション」(12万5366トン)の5隻。
約2000平方メートルもの広さを誇る、洋上唯一の天然芝ガーデン「ローンクラブ」が屋外デッキに設けられている。近くのバーから軽食をテイクアウトすれば、芝生の上で潮風に吹かれながらのピクニックが楽しめる。
広い芝生エリアを生かして、クリケットなどの簡単なゲームもでき、ジャズコンサートなどが開催されることも。
セレブリティ・イクリプスは今秋、アラスカからシンガポールへの移動途上で日本初来航を予定していた。今年はかなわずとも、2022年秋に「セレブリティ ソルスティス」が日本寄港を数回予定しているので、初来航の日を心して待ちたい。
ホーランド・アメリカ・ラインの客船に乗ると、船内のいたるところに置かれた美しい生花が目を引く。船内に常駐するフローリストがそれぞれの寄港地で新鮮な生花を仕入れ、大きな花瓶からテーブルの飾りまで、さまざまにアレンジして船内を彩っている。ホーランド・アメリカの船に乗船したら、飾られている生花を毎日チェックしてみよう。
ファミリーや3世代にも好まれ、広々とした空間が魅力のメゾネットタイプの客室。そんな客室を、探検船ながらかなえたのが「シーボーン・ベンチャー」(2万3000トン)だ。全室スイートで、極地を航行できるPC6クラスの耐氷性能を備えた船として設計されている。極地体験と船内のさらなるラグジュアリー空間を実現した期待の新造船だ。
アンケートでは、プリンセス・クルーズに置かれている1本5,288ドル、日本円にして約56万円のワインが一番高価となった。全船のワインリストに載っているそうなので、ダイニングやスペシャリティー・レストランでぜひメニューをのぞいてみよう。リーズナブルなものから高級なものまで、好みに合わせて選べるのもプリンセスの特徴だ。
シルバーシー・クルーズの全船に配されるスパ「ZAGARA」のトリートメントではフェイシャルやボディなどメニューも豊富で、約5万円と高価なメニューも受けられる。好みのオイルが選べたりと乗客それぞれに合わせたオリジナルの施術も特徴だ。サウナやスチームルーム、屋外ジャクジーなども備わり、リラックスした時間が過ごせる。