News

クルーズ業界、注目のウェーブ・シーズン始まる

2023.01.10
業界

欧米クルーズ船社、旅行代理店によるウェーブ・シーズンが始まった。パンデミックに対する一連の規制が緩和されたことで、クルーズ業界は昨秋以降ほぼ全ての船隊が動き出している。昨年11月のブラックフライデー、サイバーマンデーの販売促進も成功し、同時期としては過去最高水準の回復ぶりを見せた。年明けから3月末のこのプロモーション・シーズンに、2023年、2024年の予約をどれだけ積み上げられるか、今後の需要動向を占う意味で注目が集まる。

 

北米マーケットでは年初に温暖なシーズンに向けて旅行プランを立てる傾向が強い。クルーズ各社が打ち出すクルーズ代金の割引や付加価値の高いパッケージ商品は、カップルや家族にとっては楽しみでもあり狙い目。波に乗せるように旅行者を誘導することになぞって、この名前が付けられており、いわばクルーズ業界恒例の年中行事。どれだけ販売の手応えを得られるか、船社にとっては一年で最も重要な書き入れ時とされる。

 

ウェーブ時期のクルーズ代金は、ブローシャー価格(正規料金)の30%〜50%割引は珍しくない。2人で予約すれば1人分は無料となる「2 for 1」と呼ばれる販売や、同室の3人目、4人目は無料あるいは大幅な割引料金が適用されるケースもある。子供は無料で乗船できるほか、予約時に支払うデポジットがわずか1ドルといったケースも過去には見られた。家族やグループ参加者には特に見逃せないプロモーションだ。

 

米国内のゲートウェイ空港からの航空運賃やクルーズ前日のホテル宿泊、飲料パッケージ、インターネット使用、ショアエクスカーションなどの無料提供、客室のアップグレードを用意する船社もある。

 

魅力的なプロモーションが展開する一方で、運航が再開されて以降、クルーズ代金は比較的タイトに推移してきたことや、ここに来てチップやインターネット使用料、飲料パッケージなどを値上げする動きが出ている。コロナ禍前の水準まで予約を獲得できるか、業界の真価が問われるシーズンとなりそうだ。

TOPへ戻る
シェアアイコン