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「シルバー・ミューズ」が横浜寄港、23年春はほぼ満船

2023.03.28
外国客船

27日、新港ふ頭客船ターミナル(横浜ハンマーヘッド)にシルバーシー・クルーズの「シルバー・ミューズ」(4万700万トン)が寄港した。3月15日から29日までの大阪発着クルーズの途中に立ち寄ったもので、同社としては約3年ぶりの日本寄港再開となる。同日に開催されたメディアや旅行関係者向けの船内見学会では「グランド・スイート」をはじめとした客室やレストランなどの船内設備が公開された。同船はオールインクルーシブのラグジュアリー船として知られており、全室バトラーサービス付きなのが特徴だ。

 

船内見学会後のセミナーでは同社日本・韓国支社長の糸川雄介氏があいさつ。「コロナでクルーズがキャンセルになるなか、我々の日本への配船意欲は全く衰えていなかった。欧米市場向けにインバウンドの側面で日本に配船しているが、日本市場にとっても欧米に行かないとなかなか乗れなかったシルバーシーに乗れる機会がたくさん増える。会社としても日本市場に期待している」と語った。

 

同氏によれば、23年春の日本発着クルーズはわずか数室を残す程度でほぼ満船。船の乗客定員は596名だが、1本目の大阪発着クルーズについては一人利用もおり、大阪港出発時点で約540名が乗船した。秋のクルーズについては70~85パーセント程度の予約率だという。

 

乗客は欧米がメインだが、日本人も数は少ないが乗船している。糸川氏は日本人について「ヨーロッパや地中海に加え、コロナ前とは違う傾向としてエクスペディション船でいく南極や北極、ガラパゴスや北オーストラリアなどが活発化している。お客さまの動向も、昨年は『海外に当分行けないから日本発着クルーズから』という感じだったが、いよいよ行けるようになってからは『3年海外クルーズが止まっていた分、絶対行きたいところに行きたい』という意識に変わったのでは」と分析した。

 

シルバーシー・クルーズは日本発着クルーズを定期的に実施する計画で、23年春はミューズと「シルバー・ウィスパー」(2万8258トン)で各3本の計6本、秋は2船合わせて3本を予定。2024年春にはミューズと「シルバー・ムーン」(4万700トン)で4本、秋はミューズで1本のクルーズを予定。秋にはミューズに加え、今年8月に就航予定の新造船「シルバー・ノヴァ」(5万4700トン)で2本のクルーズを発表している。ちなみに2025年は「シルバー・ドーン」(4万844トン)で東京からニューヨークまでのワールドクルーズを実施。136日間で30ヵ国・59港をめぐる。

 

糸川氏は「5月には日本でもコロナが5類になり、クルーズに乗るための規制がゆるんでいくのでは。運航を再開したが、ここからは復活というフェーズに入っていく」と語り、今後のクルーズ増加に期待を示した。

 

このほか、セミナーでは糸川氏が「シルバー・ノヴァ」や同型船で2024年に就航予定の「シルバー・レイ」を紹介。ノヴァについては持続可能なクルーズを目指し、LNG燃料と電池バッテリーのデュアル駆動により温室効果ガスの排出量を4割削減し、停泊中における有害排出物を0にするなど環境に配慮しているという。

 

写真は左から新港ふ頭客船ターミナルに寄港中のシルバー・ミューズ、146平方メートルの広さを誇るグランド・スイート、日本・韓国支社長の糸川雄介氏

「シルバー・ミューズ」が横浜寄港、23年春はほぼ満船
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