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オリエント・エクスプレス、帆装客船2隻の起工・スチールカット式典開催
アトランティック造船(仏サン・ナゼール)とオリエント・エクスプレスは1月30日、最新鋭の帆装客船2隻のキールレーイングとスチールカット・セレモニーを開催した。
最初のブロック据付とコインセレモニーが行われたのは第1船の「オリエント・エクスプレス・コリンシアン」(2万6600トン)。昨年3月のスチールカットからわずか10カ月後の起工式となった。同船は2026年6月に就航、地中海、アドリア海、カリブ海に展開する予定。
この日、第2船の「オリエント・エクスプレス・オリンピアン」のスチールカット(鋼板切断)も行われ、実施的な工事が始まった。コリンシアン就航の1年後に完成予定。
ダブル式典にはアコーグループのセバスチャン・バザン社長兼CEO、オリエント・エクスプレス・セーリング・ヨットのオーナー/オペレーターであるシレンシアのフィリップ・ヘットランド・ブローCEO、アトランティック造船所のローラン・カスタンGM(ゼネラルマネージャー)が出席。606トンのブロックをドック内に下ろし、幸運を祈願するコインセレモニーを行った。今後、2カ月間に16個のブロックを搭載、今年6月の進水に向け工事が進められる。
コリンシアンは全長 220 メートル、3 本の傾斜マストに4500 平方メートルの帆を帆装できる。海面からの高さは100 メートル。「ソリッドセール」と呼ばれるこのコンセプトは、アトランティックが過去 10 年間にわたって開発してきた。最適な風況下では帆のみで航行可能で、最大速力は17 ノットに達する。船内にはレストラン5カ所、バーとラウンジ8カ所、円形シアター、映画室、レコーディング・スタジオ、スパ・ウェルネス センターなどを配置する。
ハイブリッド推進システムは、風力発電と液化天然ガス(LNG)で稼働する最先端の発電機を組み合わせる。水中の騒音公害を最小限に抑えることで、海洋哺乳類を保護するAI検出システムや、ダイナミック・ポジショニング・システムなど多くの最先端機器を導入する。また、風を最大限利用しながら最適航路を選択できるよう、国際ヨットレース界から参加したルーティングの専門家の協力を得て、技術開発を進めている。
写真提供:アコー
