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ユナイテッド・オーシャンウェイズが中国で8隻新造、海洋へ進出

2025.12.03
外国船社

ユナイテッド・ウォーターウェイズは2日、子会社のオーシャン・アドバイスを通じて中国招商局重工(江蘇)造船所と、クルーズ客船8隻(沿岸向け、エクスペディション向け各4隻)の建造に関する枠組みで契約を締結したと発表した。

 

同社はこれまでリバークルーズを主体に事業展開してきたが、今後はオーシャン・クルーズに本格参入する。新造船は2029年以降、順次引き渡し予定。この合意とは別に、同社は初のエクスペディション型クルーズ船1隻の新造契約を結んだことも明らかにした。納期は2028年。

 

オーシャン・アドバイスのマネージングディレクター、マティアス・クラハト氏は「多くの名門ブランドがリバーで成功を収めていることから、クライアントがその提供内容を海洋分野にも自然に拡大させる流れが見られる」とし、有名ツアーオペレーターや旅行ブランド向けに船舶管理をする、いわゆるワイトレーベルの海洋客船として事業設計している。

 

エクスペディション型の乗客数は最大186人、沿岸型は最大260人で、すべてホワイトレーベル市場(B2B)専用の客船。クラハト氏は「リバー船建造の発表後、当社のパートナーが非常に速いペースでリバー船のスロットを確保したことから、これらの海洋船も向こう12カ月以内に契約できると考えている。すでに8隻のうち3隻が予約済み」としている。

 

中国での建造ついてクラハト氏は「設計、技術の多くは欧州と米国から導入し、それに中国の電化技術を組み合わせる」とし、「予定運航海域の厳しいサステナビリティ基準に適合するハイブリッド船が実現する」と説明している。

 

ユナイテッド・ウォーターウェイズは今年、 ITB(入札招請)で10隻のリバークルーズ船の新造を発表、拡大戦略を進めている。同社のサシャ・ギルCEOは、これらのリバー客船について「わずか6カ月で複数のパートナーをB2B市場で確保し、各船をぞれぞれの名門ブランド向けに割り当てて契約できるパートナーを見つけた」と述べている。新造船は米国、欧州、アジアの顧客ニーズに合わせて、すべてヨーロッパで建造。シリーズの第1船は2028年に初のマルチフューエル仕様でデビューする予定。

 

ユナイテッド・ウォーターウェイズは欧州を中心にリバー客船の船舶管理を展開。2019年に海洋客船を管理するオーシャン・アドバイスを傘下に収めた。

 

写真提供:Tillberg Design of Sweden AB

ユナイテッド・オーシャンウェイズが中国で8隻新造、海洋へ進出
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