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居住型クルーズ船「オデッセイ」運航停止 燃料高で
世界を巡る居住型クルーズ事業を手掛けるヴィラ・ヴィ・レジデンスは27日、「ヴィラ・ヴィ・オデッセイ」(総トン数2万4344トン)の運航を停止したと発表した。船はカンボジア南部のシアヌークビルに停泊中。米メディアによると、居住者は同日午後2時までに下船するよう求められた。米メディアはカンボジア当局の話として、乗客203人と乗組員156人が乗船していたと伝えている。
同社によると、客室1室当たりに換算した月間の燃料費は、これまで平均約1800ドルだったが、アジアの一部では最近、推定6000〜8000ドルに跳ね上がった。
同社は航行のペースを落としたり、港での滞在を増やしたりして燃料を節約してきたが、値上がりを吸収できなかった。高騰分をすべて居住者に転嫁するのは現実的でないとして、赤字を抱え続けることは難しいと判断した。
今後60日間で事業の再建と資本再構成に取り組むが、今後の選択肢を検討している段階で、資金調達や取引は確定していない。「結果は保証されない」としている。居住者の下船と一時的な滞在先の確保を支援するという。
オデッセイは1993年に「クラウン・ダイナスティ」として建造された船で、その後、フレッド・オルセンの「ブレイマー」として就航していたが、2023年末にヴィラ・ヴィ・レジデンスが購入。2024年10月に北アイルランドのベルファストを出発し、居住型クルーズ船として航海を始めた。約3年半かけて世界425港を巡る計画だった。
旅行代金ではなく「客室の権利」を売るビジネスモデルで、購入者は住まいとして客室を保有し、毎月の管理費も払う仕組み。公式サイトによると、販売価格は、譲渡・売却ができる永代所有が11万9999ドルから、5年契約が5万9999ドルから。所有者の月額管理費は月3500ドルから。
公表されている料金体系を見る限り、収入の柱は客室の販売代金と月額管理費とみられる。いずれも契約で金額が決まっている一方、燃料費は会社が負担しており、燃料価格の急騰が収支を直撃した可能性がある。
ヴィラ・ヴィ・レジデンスは今年7月、販売可能な客室の85%超が売れたと発表し、2隻目の船「レガシー」を2029年初めに就航させる計画も公表していた。その約3カ月後の運航停止となった。
オデッセイは2025年8〜9月に日本を初めて周遊し、函館、横浜、清水、神戸、長崎、鹿児島、那覇、石垣などに寄港した。
写真:2025年に日本を訪れたオデッセイ(ヴィラ・ヴィ・レジデンス提供)

