三井オーシャンフジ、初めてのクリスマス
聖なる夜を彩る、美食と歌声

新規就航後、初めてとなるクリスマス・シーズンは、華やいだ船内の中で
ほっと心温まる数々のイベントが開催されていた。
乗船してすぐの船内散策で目に飛び込んできたのは、人の背の高さを越えるクリスマス・ツリー。三井オーシャンフジのメイン・ダイニングである「ザ・レストラン富士」前のホールは、正統派のデコレーションがなされたクリスマス・ツリーに、いくつものプレゼントの箱が添えられていた。
デコレーション用とわかっていても、そのプレゼントの箱の中には何か入っているのでは……とワクワクしてしまう、華やかな空間。クリスチャンではないけれど、やっぱりクリスマスは心が躍る。


そして船旅の楽しみは多様にあれど、季節のイベントを目一杯楽しませてくれるのもそのひとつ。それが新規就航したばかりの「三井オーシャンフジ」に乗れるとなれば、なおさらだ。
乗船したのは、クリスマス・シーズン真っただ中の12月23日。乗船港である神戸で前泊した夜は、クリスマスらしい真っ赤に彩られたポートタワーを眺めながらクリスマス気分に浸った。
●3万トンのサイズが心地よい
アットホームなクリスマス・キャロル
就航したばかりの船とあって、乗船直後、多くの乗客がまずは船内散策に出かけていた。
三井オーシャンフジの名物スポットが、吹き抜けになっているらせん階段だ。ちょうど上から見下ろしてみると、眼下には先ほど目にしたクリスマス・ツリーが眺められた。手すりもライトアップされ、その上品なデコレーションを前に多くの乗客がスマートフォンで撮影していた。
三井オーシャンフジは3万トンというサイズで、クルーズ船の中では小ぶりだ。船内散策をしている中でも、すでに先ほどもすれ違ったクルーと再び顔を合わせた。


アットホームな雰囲気がこの船の魅力のひとつだが、それが感じられたのが、乗船した翌日に行われた、クルーによるクリスマス・キャロルの披露イベントだった。
MITSUI OCEAN スクエアの奥のソファエリアで行われた同イベントでは、サンタクロース帽をかぶったクルーたちが美声を響かせた。ショーに出慣れているシンガーやダンサーもいる一方で、普段はバックヤードで働くクルーも参加し、「ジングルベル」「ホワイト・クリスマス」といったクリスマスソングの数々を披露する。
伴奏がアコースティック・ギター一本というのも、そして歌声を響かせるクルーの表情ひとつひとつがはっきりわかる距離感も、この船らしいアットホームさを演出していた。「この日のために、みんなで時間を合わせて練習してきました」という、クルーズディレクターの美貴子さんのスピーチに、自然と拍手が起こった。


●外国船として就航したからこそ、洋食はお手の物!
三井オーシャンフジを運航する商船三井クルーズは、もう一隻「にっぽん丸」も運航している。こちらは長年「美食の船」と親しまれてきた。そんな背景もあり、クリスマスにまつわる食事には当然期待が高まる。
「三井オーシャンフジはもともと、外国船として運航していました。だから特に洋食を作るための設備が充実しています」と教えてくれたのは、にっぽん丸でもおなじみの中山勝利総料理長。
その一例が、パン。にっぽん丸ではパンがおいしいと評判だが、三井オーシャンフジも同様で、さらにパンの種類ではにっぽん丸以上の数を提供しているという。
三井オーシャンフジにはカフェが併設されたMITSUI OCEAN スクエアというラウンジ空間があるが、そこでは日替わりで各種パンやペストリーが提供されていて、その種類は毎日8~10種類もあった。
「でもベーシックな味は、にっぽん丸と同様に『日本人の舌に合うもの』。自分のおばあちゃんが食べて『おいしい』と言ってもらえるものを目指しています」と中山総料理長。

