ダイヤモンド・プリンセスの日本発着
世界と出会う、味わう、楽しむ
海の上の多国籍リゾートへ

ダイヤモンド・プリンセスの日本発着 世界と出会う、味わう、楽しむ 海の上の多国籍リゾートへ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2025.10.27
外国人乗客と日本人乗客が自然に交わり、
穏やかで和やかな時間が流れる――。
ダイヤモンド・プリンセスの日本発着クルーズは、
安心感とエレガンスに包まれながら、
国際的な出会いを楽しめる体験が待っている。
写真・文=石井真弓
クルーズ2日目のウェルカム・パーティーは、正装した人々が集った。グラスタワーの前に船長があいさつを行う

■海外バカンス気分のクルーズライフ

 

「今回、乗船したお客さまの人数は2723名で、39カ国の国籍の方々が乗っています。日本人の方は1281名です」。

 

横浜港から出港した「ダイヤモンド・プリンセス」の船長主催のウェルカム・パーティーで、マイクを持った船長がにこやかに話していた。日本の次に多い国はオーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどとのこと。アジア諸国の方々も多そうだ。日本発着の日本一周クルーズは近年、外国人にますます人気が高いと聞いていたが、今回初乗船し、そのことを改めて実感した。

 

ダイヤモンド・プリンセスは日本で造船された最大規模の大型船だ。米国に拠点を置くプリンセス・クルーズが運営する外国船だが、日本発着クルーズでは日本語スタッフが約100名いるほか、船内新聞をはじめさまざまなサービスで日本語対応が行われているので、日本人乗客も快適に過ごすことができる。日本にいながら外国気分を味わえる異国情緒と言語の安心感というバランスの良さが、日本人に人気の理由の一つなのだろう。

 

チェックインしたのは14階リドデッキの海側バルコニーの部屋。ダイヤモンド・プリンセスは「メダリオン」が導入された客船で、画期的なのは、メダリオンと呼ばれる直径3センチほどの丸いコインのようなデバイスを身につけて部屋に近づくだけで、自動的にドアのロックが解除されることだ。また、プリンセスの専用アプリから、船内アクティビティーのスケジュール、船内マップの確認や、寄港地ツアー、レストランの予約などが簡単にでき、大変に便利だと感じた。

 

プールは船内4カ所にあり、リゾート度が高い。12デッキ後方のテラスプールも人気だ
CRUISE GALLERY
プールは船内4カ所にあり、リゾート度が高い。12デッキ後方のテラスプールも人気だ
24Kゴールドマルガリータをビュッフェからのランチとともに

■アクティビティで国際交流

 

翌日は太平洋岸を北上する航海日だった。広い船内での過ごし方は十人十色。朝から夜遅くまでさまざまなアクティビティも用意されている。朝、8時からデッキ13の大きなプールサイドで行われた太極拳に参加してみた。青空の下、300インチの大スクリーンに映る講師に倣ってゆるやかに動きながら身体をほぐすのが心地よい。ここではズンバのレッスンや映画鑑賞会なども行われ、日中はプール好きな人々の楽園スペースになっていた。

 

14デッキのネプチューン・リーフプールでの朝のズンバクラス
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14デッキのネプチューン・リーフプールでの朝のズンバクラス

 

この船でユニークなのは、日本発着クルーズ限定のアクティビティだ。浴衣の着付けができる日本人乗客をボランティアで募り、外国人乗客に着せてあげるプログラムも。見に行くと、初めて会う人同士が和気あいあいとした雰囲気で大盛況。ボランティアの女性の一人は以前、東京の一流ホテルで着付けの仕事をしていたそうで「引退してからもこうして人の役に立てるのがうれしくて、時々乗船してます」と話してくれた。

 

ジャパニーズ・アクティビティ・マネージャー、ヒロシさんに話を聞くと、「お客さまが同じ国籍だけで固まらないようなアクティビティを心がけています」とのこと。乗務員と乗客が対決する楽しいゲームなどもあり、コミュニケーションを大切にする姿勢が感じられる。新しいアクティビティでおすすめは、専用ヘッドフォンをつけて踊る「サイレントディスコ」とのこと。クルーズ中のヒロシさんからのアドバイスは「船内でアクティビティを全部体験してみて、ぜひお気に入りを見つけてほしいですね」。

乗務員対乗船客のゲームで盛り上がる。けん玉大会をした日も
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乗務員対乗船客のゲームで盛り上がる。けん玉大会をした日も
多国籍で盛り上がった船内アクティビティ「盆踊り」。函館名物のイカ踊りを練習中
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多国籍で盛り上がった船内アクティビティ「盆踊り」。函館名物のイカ踊りを練習中
浴衣の着付け体験をした男性乗客と着付けを担当した方
船内のアクティビティー・マネージャーのヒロシさん

 

■自由な時間を支える船上サービス

 

大型のクルーズ船は「動くホテル」とよく形容されるが、パブリックスペースが多彩で充実しているダイヤモンド・プリンセスでは、「洋上のミニタウン」という感覚で過ごせる。船内でバリスタがいる5デッキのバー「グッド・スピリッツ・アット・シー」や、14デッキの「カリプソ・バー」は早朝6時からオープン。早起きしてコーヒーをテイクアウトし、お気に入りの場所でまったりと過ごす人も多い。

 

今回のクルーズでは「プリンセス・プラス」という料金プランを利用した。レストランやバーなどで、料金記載のあるドリンクのうちUS 15ドル以下のものなら一日15杯まで無料なので、大変に便利だった。船内には個性あるバーやラウンジが14カ所あり、大いに活用できた。ピアノの生演奏が流れ、いつもにぎわっている船内中央7デッキのバー「クルーナーズ」にふらっと寄ると、ここはマティーニの種類が多いと教えてもらった。さらには「ベイクドアラスカ」のおいしさも発見。船内にはアレンジコーヒーなども多く、お気に入りドリンクを探求するのも楽しいのではないだろうか。

 

このプリンセス・プラスという料金プランには、海上でも高速のWi-Fi、有料のカジュアルレストランなどが回数限定で無料などの特典も含まれる。特に優れものだったのは、専用アプリから食事やドリンクをオーダーできるサービスだ。メダリオンのGPS機能で、なんと、船内のどこにいても配達してもらえるので大変に便利。外のデッキで何か飲みたい、食べたい時などにも重宝した。

夜はプリンセス・シアターでの本格的な歌とダンスのショーを鑑賞
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夜はプリンセス・シアターでの本格的な歌とダンスのショーを鑑賞
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