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カーニバル、年次サステナビリティ・レポート発表

2023.04.13
業界

カーニバル・コーポレーションは12日、カーボン・ニュートラルはじめ廃棄物の削減、リサイクルなどへの取り組みをまとめた2022年の年次サステナビリティ・レポートを発表した。

 

報告書によると、カーニバルは2011年以降、船隊を大幅に拡大してきたが、現在、主要クルーズ船社の中で唯一、2011年比で温室効果ガス(GHG)排出量を削減している、としている。同社は船隊の最適化、エネルギー効率の向上、旅程の効率化、新技術と代替燃料の導入などにより脱炭素化を強力に進めており、2030年までにCO2排出量を2018年比で40%、2019年比で20%削減する計画。2023年には2019年比で乗客定員1人当たりの燃料消費量を15%低減、CO2排出量を15%削減できる見通し。

 

また、環境に配慮したアップグレード(LED照明、空調システムの自動化、ポンプやファンの可変速駆動など)を継続し、1隻当たり平均5%の燃料消費量の削減を実現。全船隊で装備完了時には、年間1億ドルを超える燃料費削減を想定している。港での陸電供給については現在、船隊の57%が対応可能で、排出ガスや騒音の低減に貢献している。燃費対策の一環として、同社は船底に空気を送り込む空気潤滑システム(ALS)の採用も進めており、これまで5隻に設置、6隻が工事中、8隻が発注済みとしている。

 

液化天然ガス(LNG)燃料船については8隻が就航。さらに3隻を発注済みで、2025年までにLNG燃料船は船隊の20%を占める予定。同社は世界初のリチウムイオン蓄電池システムにより、旅客船としては世界最大のバッテリーを試験搭載したほか、メタノール由来の水素を使用した燃料電池技術の開発にも取り組んでいる。

 

フードロス対策やリサイクルにも積極的だ。同社は2022年の乗客1人当たりの食品廃棄物量を2019年比で30%以上削減。2025年までに40%削減する新たな目標を設定している。並行して、食べ残した食品を分解・液化し、自然界に戻すための食品用バイオディジェスターを船に600台以上設置している。さらに、船内に25台以上の食品脱水機を設置し、食べ残しの食品から余分な水分を取り除き、廃棄物の量を90%以上削減している。

 

2018年以降、使い捨てプラスチックを50%以上削減し、5億個以上の使い捨てアイテムを除去し、持続可能な代替品と交換した。また、使い切り容器を用意する代わりに製品を一括購入し、パッケージ量を減らすなどの対策も続けている。

(ゴミの分別回収ボックスとリサイクル品の荷下ろし風景 写真提供/カーニバル・コーポレーション)

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