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バンクーバー港、クルーズ船に初のLNG燃料補給

2025.05.14

バンクーバー港は先週、外航クルーズ客船向けに初めてLNG燃料を供給した。アラスカクルーズに就航するシルバーシー・クルーズの「シルバー・ノヴァ」(5万4700トン)に、シースパン・エナジー社の燃料船「シースパン・ガリバルディ」が補給した。

 

シースパン社は昨年秋、バンクーバー港に寄港する船舶向けにLNG燃料を供給する初の認定サプライヤーになった。現在、北米西岸で3隻の補給船を運航、シップ・ツー・シップで対応している。同社は今年、バンクーバーでコンテナ船、自動車運搬船、ばら積み貨物船に対してLNG燃料補給作業をすでに成功させている。

 

アラスカクルーズで毎年数多くのクルーズ船が入出港するバンクーバー港は、LNG燃料供給のほかにも持続可能な運航と環境保護に取り組んでいる。港湾局が主導するエコ・プログラム(カナダ西海岸のセイリッシュ海に生息する絶滅危惧種のクジラを保護するために、自主的に船の減速を調整するプログラム)には昨年、クルーズ会社の90%以上が参加した。

 

同港では陸上電力への接続により港湾関連の温室効果ガス排出量を、2009年以降4万5000トン以上削減している。ブリティッシュコロンビア州の低排出の水力発電グリッドを利用でき、2024年には寄港したクルーズ船の80%以上が陸電に接続した。

 

バンクーバー港は今年、301隻のクルーズ船の入出港を予定。食料や飲料、燃料の補給、修理などを通じて、寄港ごとに平均300万ドルの経済効果を地元にもたらしているという。

 

シルバー・ノヴァは5月〜8月、バンクーバーを拠点に7泊〜14泊のアラスカクルーズを展開する。

 

写真提供:バンクーバー港

バンクーバー港、クルーズ船に初のLNG燃料補給
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