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FOMOからJOMOへ、旅行スタイルの変化に注目〈NCL調査〉

2025.10.16
業界

コロナ禍で移動を制限された分を取り戻そうとする「リベンジ・トラベル」や詰め込み型の休暇に代わって、「JOMO(Joy of Missing Out:見逃すことの喜び)」という新しい考え方が、旅行スタイルを変えつつあるようだ。

 

ノルウェージャン・クルーズ・ライン(NCL)が国際的な市場リサーチ会社ユーゴヴ(YouGov)に委託して行った調査で、70%以上の旅行者が従来の詰め込み型観光から、心身の健康や柔軟性、選択肢を重視したリフレッシュ型の旅へと移行していることがわかったという。

 

FOMO(Fear of Missing Out:取り残されることの恐怖)に駆られ、旅行者がバケットリストの目的地を次々と回り、SNSに投稿することに追われる従来型の旅行とは異なり、JOMOはよりゆったりと意図的な旅のスタイルを重視する。

 

この調査では、FOMOは「すべてをこなす」文化を助長し、旅行後にさらに休暇が必要になることもあると49%が回答。これに対し、JOMOは「より少なく、しかしより意味のあることを楽しむ」ことを推奨する。

 

以前の休暇では、回答者の71%ができるだけ多くの観光名所やランドマークを回ることを優先したが、35%が「リフレッシュできるどころか疲れ切って帰宅した」と回答している。

 

現在では、77%が次回の休暇をリラックスし、ゆったりと過ごすことを意図的に計画しており、プレッシャーよりも「今この瞬間の充実」、スケジュールよりも「シンプルさ」を重視している。JOMO旅行は「見逃すこと」ではなく、「本当に重要なことを選ぶ」のが優先される。

 

この変化は、常に全力で目標に向かって働き続ける”ハッスル文化”や、ネットの常時接続に疲れた旅行者には、特に顕著だという。67%の人がJOMOスタイルの旅行をセルフケアとしてとらえており、45%は「ゆっくりと人生を楽しむため」、40%は「すべてを見て体験するというプレッシャーから解放されるため」、38%は「自分の時間を持つため」、34%は「固定された計画よりも自然な流れを楽しむため」、32%は「自然を体験するため」と回答した。

 

旅行者がJOMOスタイルの休暇で最も重視するのは、「義務からの解放」(52%)、「自然の中で過ごす時間」(48%)、「自分のペースで過ごせること」(39%)。旅行者の半数以上(54%)が、クルーズはJOMOスタイルの旅行に最適な環境を提供すると考えており、スパリゾート、ビーチ、自然体験型旅行と並んで注目の選択肢となっている。

 

カリブ海(30%)は、ゆったりしたリズム、自然の美しさ、リラックスできる機会の多さから、JOMO旅行のトップエリアに浮上している。温暖な気候、静かなビーチ、自然へのアクセスの良さにより、カリブ海は「見逃す喜び」を体験するのに最適な環境という。

 

カリブ海だけで18隻もの客船を運航するNCL。多彩な航路と寄港地、選択肢が豊富で快適な洋上ライフ、さらにプライベート・アイランドでの休息など、NCLが提供するクルーズはJOMOスタイルの旅を体験できる格好の場であることから、こうした旅行者の意識変化に期待している。

 

この調査は2025年9月12日~23日、ユーゴヴの登録メンバーを対象にオンラインで実施。過去5年以内に旅行した、または今後2年以内に旅行を予定している1万2185人(うち旅行者9658人)に行った。対象国はアルゼンチン、ブラジル、カナダ、ドイツ、イタリア、メキシコ、スペイン、英国、米国。サンプルは年齢、性別、地域で割付制御され、結果は各国の成人人口(18歳以上)を代表する。

 

写真提供:NCL

FOMOからJOMOへ、旅行スタイルの変化に注目〈NCL調査〉
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