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マンハッタン・クルーズ・ターミナル再開発でマスタープラン発表

2025.11.14

ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)はこのほど、マンハッタン・クルーズ・ターミナル(MCT)の再開発・近代化に向けた長期的な基本計画(マスタープラン)を発表した。同プロジェクトは、ニューヨーク市を世界のクルーズ旅行・観光産業のリーダーとして位置付けると共に、持続可能なインフラ整備と、マンハッタン西側の市民や来訪者に向けた生活環境改善を目指している。

 

このマスタープランは、12か月にわたる地域コミュニティとの意見交換を経て策定された。老朽化した90年の桟橋や施設の更新、公共アクセスの向上、完全電化した港湾インフラの導入、ハドソン川公園や周辺コミュニティとの統合など、重要なインフラ課題に対応する。

 

これに沿ってNYCEDCは既存船への対応と将来のクルーズ船を想定しながら、排出ガスの大幅削減、地域の大気環境の向上を目指す。NYCEDCによるとマンハッタン・ブルックリン両クルーズ・ターミナルでは、2024年に約150万人の乗客を迎え、ニューヨーク市全体で5億ドルの経済効果を生み出し、約3,000件の地域雇用を支えているという。

 

プランではマンハッタン・クルーズ・ターミナル(MCT)を現代的で強靭なウォーターフロント拠点として再構築。段階的に開発を進め、老朽インフラを新しい桟橋と単一ターミナル構造に置き換え、最大8000人乗りのクルーズ船2隻と6000人乗り1隻を同時に受け入れ可能にする。

 

計画の柱は、持続可能性とニューヨーク市の脱炭素・気候変動適応目標。MCTはまず2000万ドルを投じて陸電供給システムを整備。将来的には全船が陸電に接続可能となり、またタグボートなどの港湾船もバッテリー充電ができ、ハイブリッド化、完全電動化が進むとしている。

 

さらに、MCTには太陽光パネルやハドソン川の水を利用した熱交換システムなど、再生可能エネルギーを最大限活用できる設備を導入する考え。

 

写真提供: NYCEDC

 

マンハッタン・クルーズ・ターミナル再開発でマスタープラン発表
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