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世界最大の帆装客船「オリエント・エクスプレス・コリンシアン」、命名式を開催

2026.05.07
外国船社

オリエント・エクスプレスとアトランティック造船は4月29日、フランスのサン・ナゼールで世界最大の帆装客船「オリエント・エクスプレス・コリンシアン」(1万5000トン)の命名式を開催した。5月から10月まで地中海、アドリア海を巡るクルーズに就航。その後、大西洋を渡り、カリブ海に展開する。

 

艤装中の姉妹船「オリエント・エクスプレス・オリンピアン」は、2027年春に竣工予定。

 

コリンシアンは全長220メートル、乗客定員は110人。アトランティックが開発した「ソリッド・セイル」風力推進システムを搭載した初の帆装クルーズ客船。3本あるマストの高さは100メートル超。剛性セイルの広さは各1500平方メートル。システムは完全自動で制御する。

 

好条件下では100%風力推進が可能。360度回転することで、風向きに関わらず常に最適な帆角度を維持する。カーボン製マストは最大70度まで傾斜でき、世界の大型橋梁の下を通過できる。

 

2026年2月に実施した風速約10メートル下で海上試運転では、帆装のみで速力12ノットを達成した。システムは、ハイブリッドLNG(液化天然ガス)推進装置と多くのエネルギー効率化機能によって補完されており、同クラス最高のEEDI(エネルギー効率設計指標)評価を獲得している。

 

AIを活用した検知システムが海洋哺乳類や水中の物体を常時監視し、衝突リスクを低減する一方、ダイナミック・ポジショニングシステムにより、海底環境を保護する配慮が施されている。

 

内装は、オリエント・エクスプレス列車と「ノルマンディー」などに代表される豪華オーシャン・ライナーからインスピレーションを得ており、洗練された現代的な様式へ昇華している。プロジェクトは、オリエント・エクスプレスのクリエイティブ・ディレクター、建築家マクシム・ダンジャック氏のビジョンの下、約2000人の職人、芸術家、工房スタッフが従事した。

 

54の客室は全室スイートで、広さは45〜230平方メートルというラグジュアリー仕様。天井高は、業界標準より25センチメートル高く設計し、幅3.6メートルのパノラミック・ウィンドーを備えている。本革、貴重な木材の突き板や大理石が、室内空間を構成する。フル・インクルーシブ制で、各客室には専任バトラーが付く。

 

5つのレストランとプライベート・ダイニングルームは、複数の店でミシュランの三つ星を獲得しているシェフ、ヤニック・アレノ氏が料理を監修する。アール・デコ調のバーをはじめ、115席のショーラウンジ、レコーディング・スタジオを含む8つのバーを配置。そのほか、スパ、16.5メートルの競泳レーンとプール、マリン・アクティビティ用のマリーナなどを備える。

 

命名式があったアトランティックのジュベール乾ドックは、フランスが誇った伝説的な豪華客船「イル・ド・フランス」や「ノルマンディー」が誕生した場所として知られる。

 

写真提供:アコー

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