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堺泉北港50周年、記念式典やクルーズ・シンポジウム

2019.08.29
業界

大阪府の堺市、泉大津市、高石市に広がる堺泉北港が、堺港と泉北港が統合してから今年50周年を迎え、記念式典と記念イベントが24日、泉大津市内で開催された。主催は大阪府と3市。記念イベントとしてうずしお観光船「日本丸」がクルーズを実施するため、田中清剛大阪府副知事から船長に記念フラッグが贈呈された。クルーズは約1時間で3回実施。各回400人が乗船した。

記念シンポジウムも開催され、瀬戸内海クルーズでの寄港地としての堺泉北港をテーマに、パネルディスカッションでは広島県呉市や岡山県倉敷市も参加して、活発に意見交換が行われた。主催は堺港湾振興会、高石港湾振興会、泉大津港湾振興会。堺泉北港地元港湾振興会合同研究会として実施された。第1部は、シルバーシー・クルーズ日本・韓国支社の糸川雄介支社長が「世界のクルーズ業界動向と発着・寄港港の要件」で基調講演。クルーズ船社がカテゴリーで分類されており、そのカテゴリーごとに乗客の国籍、運航形態など異なるため、客船誘致でのアプローチもそれぞれ異なることを説明。「ここを間違えると大きな失敗を招く」と指摘した。シルバーシーがコースを決める場合、通常2年半~1年半程度先の岸壁予約を行っていることも示した。

第2部のパネルディスカッションのテーマは「瀬戸内海クルーズ寄港地としての堺泉北港」。パネラーは国土交通省近畿地方整備局の成瀬英治副局長、大阪府港湾局の福井淳太局長、呉市の新原芳明市長、倉敷市の酒井了技監、高石市の阪口伸六市長、糸川氏。成瀬氏は「瀬戸内クルーズ推進会議」が昨年設立されたことを紹介。福井氏はメガシップ寄港可能な点も示した。新原氏は呉市が歴史ある建物が多い点など説明し、地元でのクルーズ・セミナー開催など取り組みを述べた。酒井氏は倉敷市の観光資源や宇野港への客船誘致活動について話した。阪口氏は、世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群など観光資源を説明。また堺泉北、呉、倉敷でクルーズの乗客に提供する特別体験プログラムも紹介された。そのほか糸川氏は、客船が関西の港に寄港した際、「京都は外せない観光地」である点を示し、堺泉北港からのツアー造成も指摘。距離的に近い関西空港にLCC(格安航空会社)が多く就航しているため、LCCとの組み合わせも提案した。また地元から理解を得るためのセミナーや、市民クルーズの実施なども挙げた。

写真左=田中清剛大阪府知事(左)が「日本丸」船長に記念フラッグ贈呈
写真中=寄港した「日本丸」
写真右=糸川雄介シルバーシー・クルーズ日本・韓国支社長

堺泉北港50周年、記念式典やクルーズ・シンポジウム
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