驚きの世界一が続々と!
クルーズ客船の世界一、世界唯一は?【大きさ部門】

驚きの世界一が続々と! クルーズ客船の世界一、世界唯一は?【大きさ部門】
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.02.10
世界に数多くあるクルーズ客船は、それぞれ特徴、個性がある。
他から抜きんでた「世界一」=ナンバーワンと、
その客船にしかない「唯一」=オンリーワンを紹介していこう。
まずは【大きさ部門】を紹介していこう。

構成=クルーズ編集部

世界最大のクルーズ客船は「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」。
Q世界一大きい客船は?
22万8081トンの「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」
(ロイヤル・カリビアン・インターナショナル)

ときは昭和元禄、東京オリンピックを無事に終えた日本が、高度経済成長期の真っただ中にあった頃、テレビではひげを生やした長髪の男性が、気球から地上に向かってタクトを振っていた。下界では大勢の人たちが「大きいことはいいことだ」と大合唱していた。それは板チョコの宣伝で、子供たちはそのCMソングを覚えて、皆で歌った。

 

メーカーによれば「今までの日本は慎ましやかな幸せが美徳とされてきた。これまでにない速さで経済大国の道を歩みつつあるこれからは、もっと胸を張って、大きいことはいいことだと主張しよう」という思いを込めたという。ギブ・ミー・チョコレートの時代はもはや昔、これからは堂々といきましょう、といった気分が世の中にあふれていたのだろう。

 

日本はまさにこの世の春。産業界は「規模の経済」を信じ、いけいけどんどんの時代だった。企業はスケール・メリットを追求し、売上と利益で成果をあげた。ひと回り大きくなり、しかも安くなったチョコは売れた。

同じ頃、米国では今につながるクルーズ船社が産声を上げ、船隊の整備が始まった。そのひとつが現在でも売上や船隊規模のナンバーワンを誇り、日本でも馴染みのプリンセス・クルーズやコスタクルーズなどを傘下に収めるカーニバル・コーポレーションだ。

 

ただし船の大きさ、巨艦レースの覇者はというと、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)やセレブリティクルーズを擁するロイヤル・カリビアン・グループに軍配が上がる。

 

2020年4月、ロイヤル・カリビアンの創始者の一人、アルン・ウィルヘルムセン氏が90歳で亡くなった。同社によれば、彼こそがロイヤル・カリビアンの真骨頂である巨大客船建造と大船隊整備の立役者だった。クルーズ業界の黎明期から「規模の経済」をとことん追求してきた経営者だったという。

 

巨艦レースはカーニバルとRCIによる抜きつ抜かれつの展開だったが、雌雄を決したのは2009年に就航したRCIの「オアシス・オブ・ザ・シーズ」(22万5282トン)である。史上初めて20万トン超えを果たした。全長361メートル、全18デッキで最大6680人の乗客が洋上ライフを楽しみ、2200人の乗組員が安全・安心・快適な船旅を支える。

 

シリーズ船は4隻で、現在、世界最大は最新の「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」(22万8081トン、2018年3月就航)だ。内装や設備などは徐々に変更を加えているが、相当なRCIフリークでない限り、船名以外でこれらを外観で見分けるのは難しい。

 

ところで今さらだが、ここで表記している「トン」は「総トン」のことである。船の重さではない。国際条約に定めた数式に当てはめて計算した容積のようなイメージだ。一般的に客船は総トン数で大きさを表すが、容積といっても日常的に使う「立方メートル」とは別ものだ。ほかにも原油や石炭、鉄鉱石のような重いものをどれだけ積めるかが重要な船、例えばタンカーやバルクキャリアと呼ばれる貨物船は通常、「重量トン」を使用する。「トン」の種類はほかにもある。ややこしい。

 

トン数競争と同型船の連続建造は規模の経済そのもの。建造費や運航コストを低減でき、運賃競争で優位に立てる。売れれば売れるだけ儲かる。ただし投資額が莫大なので、リスクも大きい。売れなくなれば、ダメージは大きくなる。

 

人々の夢を実現し、多くの幸せを運んできたメガシップたち。その前に大きく立ちはだかったのは、新型コロナウイルスという0・1マイクロメートルの敵だ。新たにどんなビジネスモデルで立ち向かうのか。復活の日を待ちたい。(文=植村史久)

同社が所有するプライベート・アイランド「パーフェクト デイ アット ココケイ」に停泊する20万トン超客船2隻
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同社が所有するプライベート・アイランド「パーフェクト デイ アット ココケイ」に停泊する20万トン超客船2隻
Q世界一大きいプールがある船は?
「オアシス・オブ・ザ・シーズ」
(ロイヤル・カリビアン・インターナショナル)
アクアシアター

就航当初、世界初の20万トン超え客船として大きな話題を呼んだ「オアシス・オブ・ザ・シーズ」(22万5282トン)だが、驚きはそのサイズだけではなかった。空まで吹き抜け、本物の木が植えられた公園「セントラルパーク」、その上を通過するスリル満点のジップラインなど、既成概念を壊す施設の数々に、多くのクルーズファンが魅了された。

 

「アクアシアター」もそのひとつだろう。洋上のプールというと乗客が入って楽しむものというイメージだが、こちらはシアターの名がついているとおり、「見せる」プールだ。シンクロナイズドスイミングや飛び込みを取り入れたショーが行われるプールで、深さは5メートルもあり、洋上最大。上演に当たっては登場する演者たちの多くがオリンピックなどで活躍した選手だというのにも驚く。

 

ちなみに同シリーズ船で世界最大の「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」には25ものプールやスライダーがある。

 

一般的に洋上のプールは陸のホテルなどと比べて、乗客定員の割に小型なものが多い。というのも、船は洋上を航海するため、大きなプールは海が荒れた場合など、大きく水が流れ出たり、時に船の安定性に影響を与えることもある。

 

プールの水は海水をくみ上げてろ過して使っている船が多く、その充填などの時間を考えても、巨大プールの設置は構造上難しいのだ。

船尾にある円形の「アクアシアター」。飛び込み台の高さは10メートル、オリンピックの飛び込み競技と同じ高さだ
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船尾にある円形の「アクアシアター」。飛び込み台の高さは10メートル、オリンピックの飛び込み競技と同じ高さだ
Q世界一大きい客室は?
「ノルウェージャン スター」
「ノルウェージャン ドーン」
(ともにノルウェージャンクルーズライン)
621平方メートルのガーデンヴィラ

近年新造船が続々就航するなか、最大客室を擁するのはやはり最新船か……という予想を裏切り、見事「世界一の広さを誇る客室」に輝いたのは、ノルウェージャンクルーズラインから2001年、2002年にそれぞれ就航した「ノルウェージャン スター」(9万1740トン)と「ノルウェージャン ドーン」(9万2250トン)にある客室、3ベッドルーム ガーデンヴィラだ。

 

その広さは実に621平方メートル、畳にすると約375畳。その名のとおり、2階建ての広い屋外テラスがあるのが特徴で、専用のジャクジーも備えつけられている。リビングにはグランドピアノが置かれ、大海原を見渡しながら入れるバスタブもある。同室に8人まで滞在可能だ。

 

もちろん最新船でも大型客室は存在する。リージェント セブンシーズ クルーズの最新船「セブンシーズ スプレンダー」(5万4000トン)の客室、リージェントスイートは、バルコニーを合わせると413平方メートル。もともと客室がゆったりとしたラグジュアリー客船の中で最大面積を誇り、最大で6人が同時に宿泊できる。無制限にトリートメントを受けられるスパスペースもある。

感染症予防の観点から「居心地の良い客室で、家族だけでゆったりと過ごしたい」と考える人もいる今日、大型客室の需要は高まっていきそうだ。

屋外スペースにはジャクジーもあり、客室から出ずしてリゾート気分満載だ
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屋外スペースにはジャクジーもあり、客室から出ずしてリゾート気分満載だ
413平方メートルの広さを誇る「リージェントスイート」。すぐに予約が埋まる人気客室
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413平方メートルの広さを誇る「リージェントスイート」。すぐに予約が埋まる人気客室
Q洋上で一番大きいボールルームは?
「クイーン・メリー2」 ボールルーム

「ボールルーム」とは、日本語で「舞踏室」の意味。洋上においては社交ダンスを行うスペースで、船によっては「ダンスホール」「ラウンジ」などの名で呼ばれている施設が匹敵することも。

 

洋上最大のボールルームを誇るのは、英国キュナード・ラインの「クイーン・メリー2」(14万9215トン)だ。ここでは英国ならではのアフタヌーン・ティーなどの提供もされ、クラシック音楽のショーも行われる。

 

クイーン・メリー2はそのほか数々のオンリーワンを有す、オリジナリティーある客船だ。定期的に大西洋横断航路に就航する唯一の客船であり、愛犬がともに旅できるケンネル10室も備える。これはもともと「大西洋横断」を経て、ペットともども引っ越しをする人もいた時代の名残だ。ケンネルにはリバプールにある街頭柱やニューヨークにある消火栓などを配置し愛犬もくつろげる仕様になっている。

 

ほかにも洋上唯一のプラネタリウムがあったりと、伝統とオリジナリティーを共存させる船、それがクイーン・メリー2だ。

「クイーン・メリー2」のボールルーム
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「クイーン・メリー2」のボールルーム
Q洋上一大きいステーキを食べられる客船は?
ホーランド・アメリカ・ラインの全船

クルーズ中のごちそうの代表格がステーキ。メイン・ダイニングのメニューに並ぶことも多く、また専門のステーキハウスを設ける客船も少なくない。

 

本誌で各船社や販売代理店にアンケートをとったところ、洋上で一番大きなステーキは、ホーランド・アメリカ・ラインの全船にあるステーキハウス「ピナクル・グリル」のポーターハウスステーキ、23オンス(約652グラム)という結果になった。このピナクル・グリルはシックな装飾に囲まれた高級感あふれるステーキハウス。有料とはいえ、39ドルでシーフードを含む好きなメニューが食べられるとあって、乗船早々に予約が埋まってしまうこともある人気レストランだ。

 

そのほかラグジュアリー客船では、「お好きなサイズをお切りします」というサービスもあるし、追加で好きなだけオーダーすることも可能。

 

「おなかいっぱいステーキを食べたい」という野望は、クルーズ船上では比較的容易にかなう願望かもしれない。ただし食べすぎにはご注意を……。

 

 

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Q世界で最大のシアターは?
「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」のロイヤル・シアター

世界最大客船だけに、シアターも1,400席以上ある。上映されるミュージカルなども本場ブロードウェイにも劣らないもので、休憩時間が挟まれる長編作品も。同船は世界最大だけに、ほかの数字もけた違いだ。セントラルパークなどに2万700本もの植物が植えられ、7泊クルーズでは平均6,800キログラム以上の牛肉が消費されるという。

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Q世界最大・最長のレーストラックは?
「ノルウェージャン アンコール」のスピードウェイ

ノルウェージャンクルーズラインの最新船シリーズにはレーストラックが搭載されていて、最長は「ノルウェージャン アンコール」(16万9116トン)のもの。全長335メートル、前船よりも60メートルも長くなっている。そもそも洋上でレースをしたいのか?と疑問に思う人もいるかもしれないが、実際やってみると大迫力で、人気のアトラクションになっている。

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2020年10月号に掲載
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