【電撃就任!】元ぱしふぃっくびいなすの松井克哉船長、ポナン相談役に就任へ。優雅な探検船を運航するフランス船社で目指す未来は?
――これからの具体的な動きとしては、3月の日本発着に松井さんが乗船されるのが最初でしょうか。
伊知地 そうですね。この春からいろいろな外国船が動き出すなかで、不安を持っていらっしゃる関係者の方もいらっしゃると思います。弊社として担保できるそういった不安の軽減策のひとつとして、船長職の経験もある松井さんが乗っているというのは、ブリッジを百人力にしますし、安全対策を十分に考えているというひとつのメッセージになるかなと思います。
また2024年の日本発着クルーズはすでに発表していますが、2025年の航路設計も始まります。そうしたところにもサポートしてもらおうと思っています。
松井 基本的には地元の方との打ち合わせができていれば大変なことはないかなと思っています。近くを航行する船とのやりとりをしたりと考えています。ポナンの航路は自分自身が航行したことがあるところばかりですし。
伊知地 地元の人からしたら、「見知らぬ船がきている」と思うこともあるかもしれません。それで無線で連絡したら英語かフランス語しか通じない……となるのと、松井さんがいるのとでは全然違うと思います。我々が目指したいのは、より地域の方々と近いクルーズ。そういう意味では松井さんに来てもらうことで、よりポナンらしいクルーズになるかなと思っています。
――2023年もそうですが、先日発表した2024年の11本のコースも、なかなか普通の客船では目にすることのない、チャレンジングなコースですよね。
伊知地 普通のクルーズではなかなか出てこない港の名前が出てくるのがポナンらしさです。
松井 ぱしふぃっく びいなすでやりたかったけれど、サイズ的に難しかったことを25年以降は挑戦していきたいですね。ゾディアックで小さな港の桟橋に着岸するなど。
――松井さんの操船するゾディアックに乗るという機会もあるのでしょうか。
松井 救命艇はけっこう好きで、操船していましたね。それこそ大阪の天保山から大阪城までゾディアックで行くというようなこともできればと思っています。道頓堀にゾディアックで上陸!とか(笑)。
伊知地 松井船長ファンはぜひポナンにご乗船ください!

――ぱしふぃっくびいなすの松井船長というと、業界内で操船技術が素晴らしいという話もよく耳にしましたが。
松井 それはもう忘れてください(笑)。ポナンのそれぞれの船には船長もいますし、大きな船を動かすのはもうしばらくはいいかなと思っています。
伊知地 小型船ならではの港との付き合いをこれからいろんなところで広げていきたいなと思っていて、やはり相談役としてはそうしたことを重点的に手伝ってもらえればと思っています。それこそ地域ごとで食材を仕入れることもやっていきたいなと。
2024年は「ル ジャック カルティエ」という船でも日本発着を行いますが、1万トンを切っている船で、小さい船だからこそさらに面白いことができるかなと思っています。船内には海の中が見られる水中ラウンジ「ブルーアイ」もあり、それこそ沖縄のきれいな海の中も見られるかなと思います。




伊知地 それから船は安心・安全だということも伝えていきたいですね。弊社のデータなのですが、昨年の10月からこれまで13隻を営業運航しており、計168本のクルーズを実施してきました。乗員乗客計2万7234人が乗って、そこで新型コロナウィルスが陽性になった人が162名、感染率は0.6パーセントです。そこからさらに、重症化を懸念して病院に搬送したのは2名、0.007パーセントです。
――2万7234人のうちの2名ですか。それなら陸上でも急病になる率のほうが高そうです。
伊知地 クルーズ船は業界全体で感染症対策を徹底していて、むしろ日常生活よりもリスクは少ないと感じています。そもそもクルーズ船に乗る方々は、自分は健康だと自負しています。さらに船内はゆったりしていますので、通常の都会に住んでいるより広いスペースを使えます。
現在この数字で運航できていますので、今後は自信を持って船を動かそうと思っています。
――今後がますます楽しみですね。
松井 ぱしふぃっく びいなすの時も、なんとなくネタにつまったら僕のところに来る、みたいな風潮がありました。そこで色々アイデアを出して、結局ボツになったことも多いんですけど(笑)。でも船のサイズが小さいポナンなら、できることがさらに広がる。アイデアはたくさんあるので、僕自身楽しみです。
■ポナン公式サイト