【乗船レポート】持続可能で先駆的なMSCクルーズの最新客船
「MSCワールドエウローパ」

【乗船レポート】持続可能で先駆的なMSCクルーズの最新客船 「MSCワールドエウローパ」
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2023.03.09
常に美しく機能的な客船を建造してきたMSCクルーズが満を持して
初のLNG燃料客船「MSCワールドエウローパ」をデビューさせた。
その機能性や乗り心地はいかに。
写真・文=藤原暢子
最新船MSCワールドエウローパのアトリウム。天井のLEDは海で魚や時にクジラの姿が。まるで自分たちも海底にいる気持ちになる

MSCクルーズ史上最大、かつ同社初の液化天然ガス(LNG)を燃料とする「MSCワールド エウローパ」のお披露目に向かった。カタールの港で目に入ったのは未来的で美しい流線型をした船だった。

 

船内に入ると、内装は既存の船より落ち着いた色使いだが、アトリウム天井の巨大なLEDスクリーンが青い海中になっていて、時折巨大なクジラが現れる(※)。客船でありながら、乗船している私たちも海(それも海中)の中にいることを意識し、思わず襟を正した

 

到着した翌朝、最初のイベントは「MSCクルーズのサステナビリティー」についての説明会だった。LNG燃料だけでなく、スマート・ヒーティング、高度浄化システム、バラスト水処理装置など、環境のための最先端の取り組みや大プロジェクトが詳細に紹介された。こうしたプロジェクトは同船だけでなく、今後続く新造船も同様に適用される。自然や寄港地と共存しながら船旅をいかに楽しんでもらえるか、MSCクルーズの真摯な姿勢が見えてくる。

 

同社の持続可能かつ革新的な未来図に感銘を受けながら、さっそく船内のそぞろ歩きに繰り出した。

 

流線型の未来的な船体。船体中央から船尾にかけ、Y字型の吹き抜けになっている
CRUISE GALLERY
流線型の未来的な船体。船体中央から船尾にかけ、Y字型の吹き抜けになっている
CRUISE GALLERY
8デッキのほぼ中央部分から船尾までが吹き抜けのプロムナード。両サイドにはショップやレストラン、バーが並ぶ。10デッキ以上にはプロムナードに向いた客室も
プロムナード中央にあるのが「ザ・ヴェノム・ドロップ@ザ・スパイラル」

●新鮮な魚介と野菜

 

同船には6カ所のスペシャリティー・レストランがあるが、そのうちの3つが同社初のものだ。

 

一つは地中海風魚介レストラン「ラ・ペスカデリア」で、入り口には魚市場のように新鮮な魚がずらりと並ぶ。隣のテイクアウト・コーナーでは魚介のフリットが人気でランチ時は列ができるほどだ。

 

ワールド・プロムナードにある「ラ・ペスカデリア」。見慣れたものから初めて見る魚介までが鮮魚店のように入口に並ぶ
CRUISE GALLERY
ワールド・プロムナードにある「ラ・ペスカデリア」。見慣れたものから初めて見る魚介までが鮮魚店のように入口に並ぶ
料理はグリルがメインでギリシャ風の付け合せがつく
内装も海辺のレストランのよう

そしてもう一つは、船上で育てたハーブや野菜を使用する「シェフズ・ガーデン・キッチン」。船上で育った“新鮮”な野菜の味を生かした料理がアラカルトで提供される(もちろん魚や肉と共に)。さまざまなエリアを航海する船でどのような野菜が栽培でき、それを料理にしていけるかは未知数だが、洋上の太陽で育った“自船菜園”が家庭菜園並みにクルーズ業界にも広まっていくかもしれない。

 

各種レストラン以外にもMSCクルーズが培ってきた料理や地中海の客船らしく、“宅配ピザ”など、危ない誘惑、いや食の楽しみはとどまることを知らない。

CRUISE GALLERY
大きなガラス窓もあってヘルシーな印象の「シェフズ・ガーデン・キッチン」
店内や外のテラス席まわりにも水耕栽培などのハーブや野菜が育てられている
このレストランはスエーデンのミシュランシェフ、二クラス・エクステッド氏(写真下)とのコラボレーションで実現した
新しいスペシャリティー・レストラン「オラ!タコス&カンティーナ」は気軽に立ち寄れるメキシカン
メキシコの味をフローズン・カクテルやビールとともに
4つある、エレガントなメイン・ダイニングのひとつ
「海渡寿司バー」(通路)と、その奥の「海渡鉄板焼き」は不動の人気
アメリカン・スタイルの「ブッチャーズ・カット」も通路席と落ち着いた店内席が

お酒に強くない私だが、食だけでなく、同船ではドリンクの幅も広がった。

 

個人的に気に入ったのは、「ラジ・ポロ・ティーハウス」。南国風のリラックスした雰囲気の中で、英国気分で各地のお茶が味わえる。迷路のような廊下には、20世紀に各国から運ばれた当時の資料や、茶葉のサンプルが並び、香りも楽しめる。輸送に使われた入れ物やお茶をいれる道具、茶に関する書物なども見られる、いわば体験型ティーハウスだ。夕方にはもちろん3段皿のアフタヌーンティーも提供。

南国の老舗ホテルのティーハウスのような「ラジャ・ポロ・ティーハウス」
CRUISE GALLERY
南国の老舗ホテルのティーハウスのような「ラジャ・ポロ・ティーハウス」
店外のユニークかつ勉強になる展示もゆっくりと見たい

一日に何度も利用したのは「コーヒー・エンポリアム」。さまざまなコーヒー豆を好みの抽出方法で提供してくれる。ペストリーやスイーツもある上、場所が8デッキのプロムナードにあるので、とにかく足を運びやすかった。

さまざまなコーヒー豆を多様な淹れ方で飲める「コーヒー・エンポリアム」
テイクアウトして船尾を眺めながら飲むのもいい
健康志向派や飲みすぎた後はジュース・バー「ゼスト」へ。オーガニックドリンクやプロテイン入りなど種類が豊富
甘党は甘いモノがすべてそろう「スイーツ・テンプテーション」へ。人気店「ジャン・フィリップ・ショコラ&カフェ」ももちろん健在
関連記事
TOPへ戻る
シェアアイコン