人生を“美しく”する船旅
MSCベリッシマで沖縄の島々と台湾をめぐる
那覇と台湾・基隆をダブルポートに沖縄の島々をめぐるクルーズは、好評を博し完売。
再開を熱望するファンの声に応え、2024年11月〜2025年1月に再就航が決定している。
1月の乗船を振り返り、クルーズファンを増やしたその魅力をお届けしよう。
明るく陽気なクルーズライフ
「弟一家もベリッシマに乗ったんだよ」。那覇市内から船に向かうタクシーで運転手さんが話し始めた。出発前の飲食店でもその場に居合わせた客に「ベリッシマに乗るの? うらやましい!」と話しかけられた。「MSCベリッシマ」がファンを増やしているとは聞いていたが、日常会話にまでその名を広めているとは! 期待に胸を膨らませながら港へ向かうと、現れた船体の大きさに圧倒される。17万トン超の船は日本に来航するクルーズ船で最大。船というより、もはやビルのようだ。
船内もまた、スケールの大きい華やかな空間が広がっていた。フロントのあるアトリウムは、3層吹き抜けの空間にスワロフスキーを敷き詰めた階段やシルバーのオブジェが頭上まで連なる。そのまばゆい光景に、いやがうえにも非日常世界へと引き込まれる。きらめく階段を上がると、数々の店が軒を連ねる約100メートルのプロムナードが現れる。その天井はLEDドームに覆われ、時間ごとに多彩な映像を映し出す。訪れるたびに新たな景色が広がるのでつい足が向き、ワクワクが尽きることがなかった。
船内散策も当然楽しく、思うままに歩き回っていたら、初日は船内だけで2万歩を超えていた。1月にもかかわらず沖縄は初夏のような陽気で日中は屋外のプールを楽しむ人も多く、屋内ではボーリングやVRなどのアミューズメントがファミリーに人気だった。エンタメだけでも選択肢が多く、やりたいことを絞るのが楽しくも悩ましい。
印象深かったのは、ナイトライフだ。ロンドンシアターでは開幕時、会場が暗くなると同時に客席から「ヒュー」という歓声と拍手が沸き上がった。ショーの最中も、すばらしいパフォーマンスに対して観客もリアクションで応え、一緒に盛り上げていく一体感を味わえた。別の日にプロムナードで行われたパーティーでは、壇上で踊るダンサーが扇動すると集まった乗客が一斉に踊り出し、壮観! 年齢も性別も国籍も関係なく、一帯が熱狂の渦に包まれていった。ふと、乗船直後にクルーから「楽しむ準備はできている?」と声をかけられたことを思い出す。全力で楽しむことをためらわせない陽気で明るい空気感が、この船には満ちているのだ。