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クルーズ・オブ・ザ・イヤー2024、グランプリは飛鳥Ⅱ2024年世界一周クルーズ
日本外航客船協会(JOPA)は5日、「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2024」の選考結果を発表、グランプリ・国土交通大臣賞に郵船クルーズの「飛鳥Ⅱ 2024年世界一周クルーズ」を決定した。同船はコロナ禍後、実に6年ぶりとなる日本船による世界一周クルーズを実施し、中東情勢の影響により直前に航路を変更するなど難しい状況にもかかわらず、充実した内容で運航したことが高く評価された。
そのほか優秀賞3点、特別賞5点を決定した。選考結果と選評は以下のとおり。
クルーズ・オブ・ザ・イヤーは、日本で販売されたクルーズ商品のうち、特にオリジナリティーにあふれ、日本のクルーズマーケット拡大に貢献したものなどを表彰するもの。授賞式は12月19日(木)に都内で開催予定。
■グランプリ・国土交通大臣賞:飛鳥Ⅱ 2024年世界一周クルーズ
(郵船クルーズ株式会社)
コロナ禍後、日本船による世界一周クルーズの実施は実に6年ぶりとなった。中東情勢の影響により直前に航路を変更するなど難しい状況にもかかわらず、充実した内容で実施できたことが高く評価された。クルーズ途中にドイツで建造中の「飛鳥Ⅲ」を見学する造船所ツアーを実施するなど、未来へつながる内容だったことも評価された。多くの人が世界を旅するクルーズが、まさに平和の象徴であることを強く印象づけた。
■優秀賞:MITSUI OCEAN FUJI Debut Cruise 2024
(商船三井クルーズ株式会社)
日本船社による新たなラグジュアリー客船の就航という話題性の高さが評価された。デビュークルーズ6航海では、日本各地で同船をお披露目しながら乗客が寄港地を堪能できるようなゆとりあるスケジュールを組んでいる。選考時点では就航前であったが、成功への期待を込めての授賞とした。
■優秀賞:MSCクルーズ沖縄シーズン
(株式会社 MSCクルーズジャパン)
MSCクルーズジャパンは冬季に那覇発着クルーズを約3ケ月にわたって実施。短期間で参加しやすい日程を設定し、旅行会社と協力して、日本で初めて超大型船によるフライ&クルーズを大規模に展開した点が高く評価された。新しいマーケットを開拓した功績は大きく、閑散期となる冬季の沖縄の観光業にも大きく寄与した。
■優秀賞:2024 ソーラーエクリプス アメリカ大陸横断皆既日食観測クルーズ14日間
(株式会社阪急交通社)
「ディスカバリー・プリンセス」による北米皆既日食クルーズと、メジャーリーグ大谷選手が当時在籍したエンゼル・スタジアム訪問、ディズニーランド・リゾートでの皆既日食観測を組み込んだツアー。個人旅行では手配困難な盛りだくさんの内容で、「これぞ日本の旅行会社のすごさ」との評価を得た。クルーズファン、天文ファン、ディズニーファンが双方向に別分野に興味を広げた点も高く評価された。
■特別賞:空知信用金庫創立100周年記念特別航路 にっぽん丸チャータークルーズ
(一般社団法人旅の力、株式会社JTB北海道事業部、空知信用金庫)
空知信用金庫創立100周年記念事業として実施したチャータークルーズで福島県小名浜に寄港し、クルーズ客船として初めて福島県浜通りの東日本大震災の被災地域を組み込んだ「ホープツーリズム」ツアーを実施。船内では被災地域の産品を提供・販売するなどPRも展開した。天災の多い日本における社会貢献の新しい形としてクルーズを活用できたことが評価された。
■特別賞:シルバーウィーク食の日本一周クルーズ 七尾港
(石川県七尾市、商船三井クルーズ株式会社)
能登半島地震以後、クルーズ客船として初めて石川県七尾に寄港。オプショナルツアーでは従来の奥能登観光が難しい中、限られた観光で現地の現状を知ってもらう機会となった。船内では能登の産品を販売。出港時にはこれまでにない多くの市民が港を訪れ、賑わいを創出するなど、客船の訪問が被災地の「元気」になり得ることを示した。
■特別賞:第3号ふ頭及び周辺 地域の再開発が生んだ新たな人の流れ
(北海道小樽市)
小樽駅および観光中心部に近い第 3 号ふ頭及びその周辺地域を再開発し、CIQ機能を備えたクルーズ旅客ターミナルや大型バス駐車場、大型クルーズ船対応岸壁を整備。これまで市中心部から離れた勝納ふ頭に係留していた大型クルーズ船も第3号ふ頭を利用できるようになり、乗客が徒歩で寄港地観光が可能な港として、船会社や旅行会社から高い評価を得た。市民や観光客、乗客の交流空間として新たな賑わいの創出にも貢献した。
■特別賞:佐世保港
(佐世保市港湾部)
クルーズ客船の寄港時に、船会社や旅行会社などと連携したイベントを多数開催。乗客・乗組員に加え、市民や観光客を巻き込んで大規模なフェスティバルに仕立て、5000~3万人が来場する盛り上がりを見せた。幅広い年代にクルーズへの興味・関心を高めることに成功。担当部署の熱量の高さと企画力が高く評価された。
■特別賞:クルーズのお客様“おもてなし”トライアル ~我が国港湾の客船受入水準
向上を目指して~
(一般社団法人横浜港振興協会)
同協会は横浜港での客船受入業務を受託している。乗客・乗組員向けに観光案内・土産販売・日本文化体験を実施する「クルーズコンシェルジュデスク」の充実や、市内3つのエリアを結ぶ「横浜みなと周遊バス」の実施、東京での観光・宿泊が多いクルーズ客に横浜のホテルの認知度を高める見学会「サロン・ド・ヨコハマ」など、ソフト面でのサービス向上への取り組みが評価された。