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ハンタウイルス感染疑い、探検客船で乗客死亡

2026.05.07
業界

オランダの探検クルーズ会社オーシャンワイド・エクスペディションズは4日、大西洋を航行中の探検クルーズ客船「ホンディウス」(6603トン)で乗客3人が死亡し、複数の乗客・乗組員が重篤な状態にあると発表した。船内では1人の乗客からハンタウイルスの変異株が確認されているが、死亡事例との関連は現時点で確認されておらず、国際保健当局が調査を進めている。

 

ホンディウスは4日13時30分現在、ケープヴェルデ沖に停泊中。乗客・乗組員計149人(23カ国籍)が乗船しており、公表されたリストによると、日本国籍の乗客1人が含まれている。

 

発表によると、最初の事案は4月11日、オランダ国籍の男性乗客が船内で死亡したことに始まる。死因は船上では特定されなかった。遺体は4月24日、南大西洋の英領セントヘレナ島で下船し、妻が付き添って本国への搬送が行われた。

 

その後、4月27日には帰途にあったこの妻が体調を崩し、死亡したとの連絡が同社に入った。夫婦はいずれもオランダ国籍で、現時点では船内の医療事案との関連は確認されていない。

 

同日、英国籍の別の乗客が重篤な状態となり、南アフリカへ医療搬送された。この乗客はヨハネスブルクの集中治療室で治療を受けており、重篤だが安定した状態にあるという。この患者からハンタウイルスの変異株が確認されており、4日現在、感染が確認されているのはこの1人のみとされる。

 

さらに5月2日には、ドイツ国籍の乗客1人が船内で死亡した。死因は特定されていない。

 

現在、船内では乗組員2人(英国籍およびオランダ国籍)に急性呼吸器症状が確認されており、1人は軽症、1人は重症で、いずれも緊急の医療対応が必要とされている。これらの乗組員についてハンタウイルス感染は確認されていない。

 

ハンタウイルスは主にげっ歯類を自然宿主とするウイルスで、感染動物の排泄物や体液を介してヒトに感染するとされる。ヒトからヒトへの感染は一般的ではないとされている。

 

船はケープヴェルデ当局の指示により沖合で待機しており、乗客の下船や医療搬送には同国保健当局の許可が必要とされる。同当局はすでに船内に立ち入り状況を評価しているが、重症者2人の医療搬送は現時点で実施されていない。

 

同社は世界保健機関(WHO)やオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)、関係各国大使館、オランダ外務省と連携し対応を進めている。今後はスペイン領カナリア諸島のラス・パルマス(グラン・カナリア島)またはテネリフェへの航行が検討されており、同地で乗客の下船および医療スクリーニングが行われる見通し。

 

船内では、隔離措置や衛生管理、健康モニタリングなどの感染対策が講じられており、全乗客に対して情報提供と支援が行われているという。

 

ホンディウスには乗客88人、乗組員61人が乗船。主な国籍は英国(乗客19人、乗組員4人)、米国(乗客17人)、スペイン(乗客13人、乗組員1人)、オランダ(乗客8人、乗組員5人)、ドイツ(乗客7人、うち1人死亡)、フィリピン(乗組員38人)など。

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