拠点、英国での運航再開。「クイーン・エリザベス」の新しきクルーズ体験

寄港地のひとつリバプールでは乗客約400人が時間をずらして計13種類のツアーに参加した。定員の半数しかバスに乗らず、ゆったりと観光できたのがうれしい。キュナード・ラインの生誕地でもあるリバプールを車窓から市内観光し、ビートルズの聖地巡礼ツアーへ。乗客の平均年齢は50代くらいだろうか。ビートルズ世代なので車内で曲が流れると、皆が口ずさんでいた。

 

バスは乗客間の距離をとるため定員25人に抑えられていた
CRUISE GALLERY
バスは乗客間の距離をとるため定員25人に抑えられていた

女王船の伝統と風格はそのまま

 

クイーン・エリザベスでは全客室で無料の温かい朝食ルームサービスが頼める。一度はのんびりした朝を味わってもいい。メイン・ダイニングへ行くなら、ダイアナ妃のお気に入りだったという卵料理エッグ・フロレンタインもおすすめだ。メニューには新鮮な材料に加え、グルテンフリーや植物由来ビーガン料理も増えた。豆腐や味噌がメニューに載ることもあった。

 

メイン・ダイニングのほか、ステーキハウスや屋外デッキの軽食、パブランチ、ビュッフェ・ディナー、カフェ・カリンシアのスナックなど試したい食スポットが多くて悩むのも楽しい。

 

ウエルカムパーティーがないため、最初のフォーマル・ナイトは船長から全員にスパークリングワインまたはシャンパンがふるまわれた。またリピーターには後日スパークリングワインのボトルが客室に届いていた。

「ステーキハウス・アット・ザ・ベランダ」での一皿
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「ステーキハウス・アット・ザ・ベランダ」での一皿
フォーマルな装いの筆者と夫。フォーマルナイトは船内がキュナードの船らしい華やかさに包まれた
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フォーマルな装いの筆者と夫。フォーマルナイトは船内がキュナードの船らしい華やかさに包まれた

女王船のカリスマ性

 

感染対策がされていても、クイーン・エリザベスに足を一歩踏み入れると、この船のカリスマ性を感じるだろう。船内には王室御用達の品々が多い。女王の紋章がついたペンハリガン社製のシャンプー類やトワイニング紅茶はその一例だ。またキュナード・ラインとコラボした英国の老舗会社もある。ウエッジウッドの食器はキュナードとのダブルネームで、船内で乗客が使う食器として提供されている。

 

アールデコ調など美しいインテリアも有名だが、決して堅苦しい雰囲気にならないのはクルーが提供するホワイトスター・サービスのおかげではないだろうか。日本人クルーのトモエさん、ミキさん、ハナコさんの3名も、マスクを通して輝く笑顔で活躍していた。新たに導入された船内デジタルサービス「My Voyage」のつなぎ方を説明したり、寄港地の情報を提供したり。親切でフレンドリーな接客は、こんな状況だからこそありがたい。

 

クイーン・エリザベスは2023年に日本発着クルーズを予定しており、飛行機に乗らなくても「英国」が楽しめるはず。さらに船内の日本語対応で楽しみも倍増するだろう。

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女王陛下エリザベスⅡ世の肖像画は、掲げてある場所が変わっていた
ディナーのテーブルセッティングも美しい

【その他の感染症対策】

 

船内生活
● 無料Wi-Fi利用でツアー予約、会計など実施、低接触に
● エレベーター定員は最大4名まで
● セルフランドリー定員は最大3人まで

 

レストラン・バー
● 入口での検温はなし、手指消毒
● ベイクドアラスカのパレードなし
● ビュッフェはウエイターの取り分けサービス
● バーのカウンターサービスなし、席へ配膳

 

イベント
● ウエルカム&リピーターのパーティーなし
● 船内案内ツアーなし
● 社交ダンス時はマスク不要、席に戻ったら着用
● ダンスホストは不在
● 運動時はマスク不要
● ロイヤル・コート・シアターは着席場所に制限あり、ボックス席は自由に着席可

 

プール・ジャグジーなど
● 一回15分まで
● プールは最大12人、距離を1メートル以上開ける
● ジャグジーは最大3人
● サウナの実施はなし

 

寄港地ツアー
● 前集合なし、定時に各自上陸
● バスは乗車率5割、席は片側中心
● 車内はマスク着用、屋外では不要
● 観光後の再乗車時は手指消毒

【取材メモ】

英国サウサンプトン発着クイーン・エリザベス
日程:2021年9月3日(金)〜10日(金)
コース:英国周遊サウサンプトン〜グラスゴー〜リバプール〜ベルファスト〜サウサンプトン
総トン数:9万900トン 乗客定員:2,081人/乗組員数:1,005人
※今航海では定員6割で運航された。

取材協力:キュナード・ライン

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