便利なデジタルツールとともに
帰ってきたプリンセス

乗船時、港のターミナルでパスポートを提示すると、手のひらに収まるほどの小さな丸いタグを渡された。これがうわさの「メダリオン」かと、さっそく首から下げてみる。重さはほとんど気にならない。

メダリオンはプリンセス・クルーズが各船で2017年から導入を開始したウエアラブル（着用型）・デバイスで、クルーズカードの代わりとなるもの。「ダイヤモンド・プリンセス」では2021年に導入し、今春から日本発着クルーズでも運用が始まった。スマートフォンのアプリと連動させることで、さまざまな使い道ができる優れものだ。

乗船してまず驚いたのが、客室のオートロック機能だ。客室まであと1メートルのところまで来ると自動的にドアの鍵が開き、逆に客室から離れれば自動的に施錠される。いちいちカードを扉に触れる必要がなく、非常に快適だ。

乗船前に専用アプリで登録しておいたパスポートやクレジットカード情報、スマホで撮影した顔写真などの個人情報が、メダリオンにひもづけられている。以前のように、カード登録のためわざわざレセプションに並ぶ必要がないのはありがたい。あくまでもひもづいているだけなので、万が一紛失しても情報が抜き出される心配はないというのも安心だ。

専用アプリにはクルーズ中の船内イベントの情報が表示されるので、いちいち紙の船内新聞を持ち歩かなくて済む（紙を希望する場合は、事前に登録すれば客室に届けてくれる）。そのほか、寄港地ツアーの予約もアプリで可能。各寄港地の情報も掲載されていて便利だ。アプリは操作性がよく、非常に使いやすいので、デジタル機器が苦手な人も臆することなく、ぜひ使ってみてほしい。