進化する「フリースタイルクルージング」
アジア地区に3隻投入、ノルウェージャンクルーズラインの未来は

進化する「フリースタイルクルージング」 アジア地区に3隻投入、ノルウェージャンクルーズラインの未来は
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2024.06.18
ノルウェージャンクルーズラインは2024年~2025年にかけて、クルーズ船3隻をアジア地区に配船することを発表した。
来日中のノルウェージャンクルーズラインの アジア太平洋地区副社長兼マネージング・ディレクターであるベン・エンジェル氏、
アジア太平洋地区総括ダイレクター・オブ・セールスのダミアン・ボーグ氏、そして日本地区代表の矢島隆彦氏にNCLの未来について話を聞いた。
文=クルーズ編集部
日本を航行する「ノルウェージャン スピリット」。2024年、2025年と日本への配船が決まっている

――好調のノルウェージャンクルーズライン(以下NCL)ですが、日本市場はいかがでしょうか。

 

ベン・エンジェル氏(以下エンジェル) 日本の戻り具合は少しゆっくりですが、確実に戻ってきています。

2024年、2025年とNCLは「ノルウェージャン スピリット」「ノルウェージャン サン」「ノルウェージャン スカイ」と3隻の船をアジアに配船します。アジアクルーズの需要は高まっています。

 

これらの船は乗客定員が2000人程度、大きすぎないので、アジアの小さな港にも入れるため、魅力的なコースになっています。

 

矢島隆彦氏(以下矢島) 一方で現在日本のみならず、さまざまな港でバスやその乗務員の方が不足しているという課題があります。NCLはそうした地元に対するインパクトも考慮して、決して無理な配船はしません。地元の方々と協働して、乗客が寄港地を心地よく楽しんでいただける配慮をしています。

ノルウェージャン スカイ
ノルウェージャン サン

――アジアクルーズの乗客は、どのような国の方々が多いのでしょうか。

 

エンジェル 欧米人、アジア人など、本当にさまざまな国籍の人たちがいて、乗船するとさまざまなカルチャーがミックスしているのが感じられると思います。

 

――改めて、日本人にNCLの良さをお伝えするとしたらどんなところでしょうか。

 

エンジェル やはり費用対効果、コストパフォーマンスがいいということです。NCLは「フリーアットシー」というパッケージを設定しています。ここにはスペシャリティ・ダイニングやドリンクパッケージ、さらに寄港地観光のクレジットなどが含まれていて、非常に高い価値を付与していると自負します。乗船してからの追加でかかる費用を抑えられる旅のスタイルだと思います。

 

矢島 特にハワイクルーズはそれが顕著です。現在の円安の影響もあり、もしハワイの島々を陸でめぐろうと思ったら、島と島の間の航空券も高く、また現地でのホテル代や食事代もかなりかかります。

 

ダミアン・ボーグ氏(以下ボーグ) 実際、私自身もハワイに行きましたが、現在物価も上がっており、コストは以前より上がっています。その点NCLのハワイクルーズは、ハワイの4島を1週間の日程で効率よくめぐれるうえ、食事代もクルーズ代金に含まれています。NCLのハワイクルーズよりもコストパフォーマンスのいいハワイの旅はないのではないでしょうか。

ハワイを航行する「プライド オブ ああリカ」。1週間の日程で、ハワイ4島を停泊ありで効率よくめぐれる
CRUISE GALLERY
ハワイを航行する「プライド オブ ああリカ」。1週間の日程で、ハワイ4島を停泊ありで効率よくめぐれる

――ハワイは日本人に人気だと聞いています。そのほかのエリアはいかがでしょうか。

 

ベン やはり地中海が人気です。このエリアには新しい船を含めて9隻配船されていて、毎日運航しているため、選択肢も多い。新造船「ノルウェージャン ビバ」「ノルウェージャン プリマ」もこのエリアで航行しています。大きく新しい船が楽しめるエリアと言えるでしょう。さらに寄港地での滞在時間も平均10時間とゆったり楽しめるコースを設定しています。

 

――確かに新しい船も続々と就航しています。

 

エンジェル NCLの需要はすごく伸びていて、弊社CEOも過去最高の成長を明らかにしています。2036年までに8隻の新造船の就航を予定しており、先日2025年4月にデビュー予定の「ノルウェージャン アクア」が進水しました。

 

ボーグ ノルウェージャン アクアは新しいダイニングを備えます。NCL初となるタイ料理店「スコータイ」、高級ワインバー「スワール ワインバー」、全メニュープラントベース、すなわちベジタリアン料理で構成した「プランテリ」を発表しています。

 

ノルウェージャン アクアに設けられるタイ料理「スコータイ」
ノルウェージャン アクアに設けられるダイニング、「サーフサイド」

エンジェル NCLの「フリースタイルクルージング」は、好きなダイニングを好きな時間に選べます。ランチを1時に食べたければ1時に食べられるし、3時に食べたければそれも可能です。

 

矢島 食事だけでなく、服装も好きなスタイルで大丈夫です。日本発着クルーズを実施したとき、日本人のお客様から一番多かった質問が服装のこと。「何を着ればいいのですか?」と皆さん心配されますが、NCLに関してはその心配は無用です。着たくなければスーツもドレスも不要ですので、荷物もコンパクトにすることができます。とにかく自由度が高いのが特徴です。

 

ボーグ 誰と出かけるかも自由です。船内では子どもからお年寄りまで、幅広い世代の楽しみがあります。カップルやファミリーだけでなく、NCLには「ストゥーディオ」という一人旅向けの客室があります。ここは一人旅向けのラウンジも備えており、一人でゆったりと過ごすこともできるし、一人旅同士、交流をはかることもできます。

 

エンジェル NCLでは上級客室専用エリア「ザ・ヘブン by ノルウェージャン」も備えており、ラグジュアリーに過ごすことも可能です。その空間は静かでプライバシーが確保されていて、まるでブティック船にいるような雰囲気です。ヘブンで上質な過ごし方ができるのもNCLの強みです。

一人用客室「ストゥーディオ」
一人用客室専用のラウンジ

――NCLのダイニングは本当にオプションが多くて、時に悩みそうです。個人的にお好きなダイニングはありますか?

 

エンジェル どれも好きですが、イタリア料理「オンダ by スカルペッタ」が好きですね。窓際に座って、海を眺めながらリラックスしておいしい料理をいただく時間が好きです。

 

ボーグ 私はキャグニースステーキハウスが好きですね。世界レベルのステーキが楽しめる空間で、先日ファミリーで行ったときには家族にも好評でした。

 

――今後もNCLは拡大路線ですね。日本人のクルーズファンにメッセージはありますか。

 

エンジェル 先にも述べたようにNCLでは2036年までに8隻の新造船の就航を予定しています。最新船「ノルウェージャン プリマ」をさらに進化させた船が今後も就航していき、新しいクルーズの楽しみ方を提案していきます。アジアにも3隻配船しますので、ぜひこの機会にNCLを感じていただければと思っています。

ノルウェージャンプリマのイタリア料理「オンダ byスカルペッタ」はテラス席もあり
人気の「キャグニーズステーキハウス」のボリュームあるステーキ
画像左から矢島氏、エンジェル氏、ボーグ氏
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