MITSUI OCEAN FUJIが魅せる
にっぽんの美を再発見
“知る”を楽しむ船旅

輝く太陽の下、船内はもちろん、寄港地も満喫。
ツアーで訪れた寄港地は、また新たなにっぽんを知る機会となった。
■光に満ちた夏の日本海で
「海の京都」に出会う
夏の青空に映える真っ白い船体が、とても端正で美しい。港から姿を眺めた後、「三井オーシャンフジ」に初乗船した。
2024年12月に就航したこの船は、日本で初めての全室スイートルームのラグジュアリー船だ。全客室数229の全てがオーシャンビューでバスタブ付き、さらに約9割の客室にバルコニーが備わっているという豪華さ。チェックインしてまず気に入ったのは、心地よくゆったりと広い室内に加え、奥行きのある大きなウォークインクローゼットだ。荷物が全部入り、このおかげで毎日の身支度がしやすく、室内はいつでもすっきりしていた。
三井オーシャンフジを運航する商船三井クルーズは、「にっぽん丸」も運航している。にっぽん丸は寄港地でのこだわりのイベントなど、質の高いきめ細やかな乗客サービスに定評がある。それは三井オーシャンフジにもしっかり受け継がれ、ほかではできない寄港地観光ツアーなども積極的に展開しているという。




今回、寄港地の一つ舞鶴港で、「海の京都」と呼ばれる京都北部の丹後半島にある秘境的な名所「伊根の舟屋群」を訪れるツアーに参加した。「日本で最も美しい村」に加盟している町だ。
バスで由良川を渡り、天橋立の長い松林を遠くに見た後、青い日本海沿いの道を走って、静かな伊根湾に面した伊根町に到着した。ターコイズ色の美しい海の岸辺を縁取るように、「舟屋」と呼ばれる二階建ての木造家屋が立ち並んでいた。一階は海から直接小舟を陸に引き上げる場所で、二階は漁業の道具置き場や作業場だという。現在は約230軒の舟屋が並び、国の重要伝統建造物群にも選定されているそう。沖合の小島に守られて干満の差が少なく、天然の良港である伊根は、かつて北前船ルートの港として栄えていたとツアーのガイドさんから聞いた。
港の桟橋から遊覧船に乗り、沖から舟屋の風景を見た後、通りを歩いて散策した。目の前はおだやかな海、後ろは緑の山に挟まれた通り沿いに、レトロで趣のある木造の建物が並ぶ。現在は旅館として使われている舟屋もあり、ここでの宿泊も魅力的に感じた。のんびりとした時間が流れるこの場所は、日本のなつかしい漁村風景に出会えるとして、京都の中心地からアクセスが遠い場所なのに、外国人観光客にもとても人気と聞いて納得した。




人口2000人の漁業の町、伊根はブリが名産で、冬はカキの養殖が盛んとのこと。ガイドさんによると、町の学校の給食には、その日に獲れたての魚介料理が並ぶという。なんとうらやましく、豊かな食文化だろう。教育現場での地産地消の実践に感動しつつ、こんな風に思いがけずその土地の魅力を知ることも、寄港地観光ツアーの楽しさだと感じた。
舞鶴港の船に戻る前には、港近くの大きな海鮮市場「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」に立ち寄った。一歩足を踏み入れた途端、魚介料理の香ばしい香りが漂い、食欲がそそられる。舞鶴近海で獲れた新鮮な旬の魚介や加工品のほか、選んだ魚介を店先で刺身や炭火焼きなどにしてもらい、その場で食べられるのが魅力的だ。船に帰ればランチタイムだと思いつつ、舞鶴産の大きな採れたての生牡蠣にどうしても魅かれ、一つ買って食べることに。レモンとポン酢をかけて、パクッと食べると濃厚な美味しさが口の中いっぱいに広がり大満足。バスに戻り、他の参加者と、それぞれイカや焼きイイダコなどをおいしく食べた話で盛り上がったのだった。










