客室ステイがバージョンアップ!
新サービスもスタートした「にっぽん丸」へようこそ

客室ステイがバージョンアップ! 新サービスもスタートした「にっぽん丸」へようこそ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.04.28

新サービスは、客室の外にもあった。ラウンジ「海」での無料喫茶で、これまでどおりのフリードリンク(コーヒー、紅茶、ジュースなど)に加えて、乗船日と下船日、航海日の特定の時間に、ビール、スパークリングワイン、国内各地の特産ジュース2種が無料でふるまわれる。

 

今回は出港のタイミングで行われる無料喫茶を利用し、ふじりんごと南高梅、2種のジュースの味比べを楽しんだ。それぞれ香り高くさわやかな味わいで、すっと疲れが消えた気がした。

無料喫茶では、寄港地などにちなんだジュース2種のほか、ワインや生ビールも無償提供される
CRUISE GALLERY
無料喫茶では、寄港地などにちなんだジュース2種のほか、ワインや生ビールも無償提供される

ディナーを終えてから、最近オペレーションが大きく変わったというカジノを訪れてみた。会場がドルフィンホールから、かつてのカードルーム(麻雀卓が置かれていた部屋)に移り、予約制となっていた。手順は以下の通り。

 

まず、船内新聞「Port&Starboard」で「事前受付」時間とカジノの開催時間をチェック。カジノは一回30分で定員12名(ブラックジャック3人×2卓、ルーレット6人×1卓)、事前受付時間内に、希望の時間帯を押さえて、時間になったら会場へ……という寸法だ。定員は厳密で、見学だけだとしても予約なしでは立ち入ることもできない。回の合間の消毒作業も徹底しており、安心感があった。

予約制となり、テーブル間の仕切りもあるカジノ。安心して遊べる
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予約制となり、テーブル間の仕切りもあるカジノ。安心して遊べる

 

新緑の伊豆で歴史めぐり

 

翌日の寄港地である熱海で、寄港地ツアーに参加した。バスに乗り込み、新緑に覆われる峠を越えて、向かうは伊豆の国市にある韮山反射炉だ。反射炉とは大砲などを鋳造するための鉄の溶解炉で、韮山では幕末、列強諸国に対する軍事力強化のため、多くの大砲が製造された。同時期に各地にあった反射炉の中で現存する唯一の施設。実際に稼働を終えてから150年以上になるが、地域の人たちの理解のもと、修理・補修が行われてきたため、状態はとてもよい。私たちを案内してくれたのも地元のボランティアガイドさんだった。時間いっぱい、熱心に詳しく教えてくださり、この施設が本当に地元で大切にされてきたのだな、と実感した。

伊豆の国市にある韮山反射炉。そびえたつようで、迫力満点
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伊豆の国市にある韮山反射炉。そびえたつようで、迫力満点

 

次に向かった願成就院は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ゆかりのお寺。仏師・運慶が手がけた阿弥陀如来をはじめとする貴重な仏像が残り、主人公である北条義時の父・時政が創建したことで知られる名刹だ。最近はそのおかげで参拝客が急増し、週末は団体客を断らざるを得ない状況とのことだが、にっぽん丸のグループは快く受け入れていただけた。熱海はにっぽん丸にとってはなじみの深い寄港地。近隣地域を含めて信頼関係を着実に築いてきたからこそなのだろう。

 

それにしても道中の新緑がまぶしい。地元のバスガイドさんは「熱海名物の梅園も、桜の季節も過ぎてしまって」と恐縮されていたが、木々の芽吹きがあざやかに目に焼きついた。

注目度がアップしている願成就院、新緑が美しい季節もまた良い
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注目度がアップしている願成就院、新緑が美しい季節もまた良い

人気アーティストのライブと、華麗な花火

 

この日のショーは、80年代から活躍を続ける杉山清貴さんによるアコースティック・ライブ。開演の1時間以上前から席を確保するファンが何組も現れたのはさすがである。『さよならのオーシャン』といった懐かしいヒット曲、近年のオリジナル曲、洋楽のスタンダードナンバーや美空ひばりのカバーなど、幅広いレパートリーをさわやかな声とギター一本で聴かせてくれた。もともと海を感じる曲が多く、ご自身もサーファーというだけあって、曲の合間に「船の揺れが海の中にいるみたいで気持ちいい。帰りたくない(笑)」とお話しされていたのはさすがであった。

杉山清貴さんによるステージ。シンプルかつ心温まるステージだった
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杉山清貴さんによるステージ。シンプルかつ心温まるステージだった

ライブの余韻も冷めやらぬ中、ディナーを済ませて上着を着込み、デッキに出た。気温13度とのことだが、風が吹いているせいかそれより肌寒く感じる。港から少し沖にいるにっぽん丸から見える熱海の夜景が、きらきらと輝いている。すでに先客もちらほらいて、夜景を熱心にスマホのカメラに納めている。みんなで待っているのは、熱海海上花火大会だ。にっぽん丸はこの瞬間、花火を見るためのベストポジションに停泊している。

 

20時20分、一発目が打ち上がった。すぐ目の前に広がる光と音はまさに花火の醍醐味。デッキ上の観覧席からは、控えめな感嘆の声が漏れる。

 

オーソドックスな尺玉、ユニークな型物花火など、バリエーション豊かなプログラムで飽きさせない。最初はうまく写真に収めようとスマホを構えていたが、ディスプレイ越しに見るのがもったいなくなって途中でやめた。

 

そうこうするうちに迎えたフィナーレは、熱海名物という大空中ナイアガラだ。その名から想像するような仕掛け花火ではなく、大規模なスターマイン。次々と打ち上がる花火の金色の光が美しくて、ただただ見とれていた。最後の光が消えると、デッキのそこかしこから自然と拍手が起こったのだった。

 

デッキから見る花火。席が用意されており、間近でゆったりと眺められるぜいたく
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デッキから見る花火。席が用意されており、間近でゆったりと眺められるぜいたく
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