にっぽん丸のステートルームがより快適に!
2022年2月に全面改装予定

にっぽん丸のステートルームがより快適に! 2022年2月に全面改装予定
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2021.11.12
「にっぽん丸」のステートルームが全面的に改装されることが明らかになった。
2022年2月に控えている改装の詳細と、その背景、そしてコンセプトを紹介していこう。

●時代とともに変化する客室への要望

 

にっぽん丸のステートルームに泊ったことがある人の中には、片方のベッドの上部になにやら出っ張った部分があることに気づいたことがある人もいるかもしれない。3人で利用したことがある人は、その出っ張りが垂直に倒れて2段ベッド仕様になった様子に、「おお!」と目を輝かせたのではないだろうか。この出っ張った部分はプルマンベッドと呼ばれ、使用しないときは壁に収納できる。限りあるスペースを有効活用した、客船の英知が詰まった装置でもある。

客室写真左上部に見える凸部分がプルマンベッド

そもそも商船三井客船が「にっぽん丸」を就航させたのは、日本にレジャークルーズが登場し始めた黎明期だ。同社は当時、「ふじ丸」というもう一隻のクルーズ船も運航していた。「にっぽん丸」はレジャークルーズを行うのと同時に、もうひとつ大きな役目を担っていた。それが例えば日本政府の行う青年国際交流事業「青年の船」などでの利用、すなわち研修船としての役割だ。こうした研修船では、プルマンベッドを備えた3人で利用できる客室は非常に有効だった。

 

ただ時代とともに研修船としての役割は徐々に縮小、にっぽん丸の主たる活躍の場はレジャークルーズに。見知らぬ者同士が相部屋になる機会も少なくなった。「そんななかコロナ禍の影響もあり、お客さまが客室で過ごす時間が長くなってきました。アンケートの中にも『もっと客室をこうしてほしい』などのご要望が寄せられることもありました」と語るのは、商船三井客船の山口直彦代表取締役社長だ。

商船三井客船の山口直彦代表取締役社長

●ステートルームをさらに居心地よくアップデート

 

にっぽん丸は2010年に大改装を実施し、直近では2020年にもコンセプトルームや新たなバーなどを設ける改装を実施している。「ただそれらの改装は5階以上が多く、多くのステートルームは手がついていなかった。今回はその部分を改装して、客室での快適性をさらにアップさせたいという思いがあります」と山口社長は語る。

 

改装により、これまでしまったままになることが多かったプルマンベッドは姿を消し、ツイン仕様になる(とはいえ、一部トリプルルームは引き続き利用できるので、これまで3人でステートルームを利用していた方もご安心を)。ベッドやマットレスにはフランスベッドを導入、寝心地はさらに良いものになりそうだ。

 

●コンセプトは「モダンラグジュアリー」

 

ベッド以外にも、客室のカーテンやドアなどのインテリア全般も新たになる。改装のコンセプトは「モダンラグジュアリー」。2020年の改装も手掛けたフラックスデザインの渡辺友之氏が今回も担当する。2020年の改装では新施設に加えて、同船に新たに敷かれた華やかなじゅうたんが印象的だった。大胆な柄を採用しながら、クラシカルな上品さも兼ね備えた世界観が、次の改装時にステートルームでどう活かされるか楽しみだ。

 

改装後の客室イメージ図
CRUISE GALLERY
改装後の客室イメージ図

この改装ではバスルームも全面的に新しくなるという。「実はこれまで、『トレイットペーパーが使いにくい』という声もあったんです」と山口社長は明かす。そうした声に真摯に耳を傾け、同社では1年にもわたって動線などを調査、検討し、今回のバスルームの完成図を描いたという。これまで海外製であったシンクなどにも日本のTOTO製を導入、さらに日本人に使いやすい仕様になる。たかがバスルーム、されどバスルームである。ちょっとした使い勝手の良さが、乗客にとって居心地の良さにつながるだろう。

バスルームの完成イメージ図

●テーブルもUSBコンセントも新たに

 

使い勝手の良さと言えば、ベッド脇にUSBコンセントを設置するのも、小さなことだが大きな進化だ。スマホやタブレットを持って乗船する乗客が多い昨今、枕元でそうしたアイテムを充電しながら眠りにつけるのはありがたい。2020年の改装時に同船はWi-Fi対応になっているが、Wi-Fiを活用するシーンもさらに増えそうだ。

 

加えて客室のテーブルも新たなものになるという。「コロナ禍の影響もあり、船内でテイクアウトできるものを増やしたところ、これが好評でした。そうした背景もあり、客室でのドリンクやフードのサービスをさらに増やしていきたいと思っています」と山口社長。新たに導入されるテーブルは飲食時にも使いやすい、広めなものになるそうだ。まだサービスの詳細は発表されていないが、ステートルームでもモーニングコーヒーで目覚める、というような新サービスがスタートすることを期待したい。

 

この改装は2022年2月に予定しており、2週間程度のドック明けには新たな客室でのステイが楽しめる。新たな客室に泊る日が、今から待ち遠しい。

 

 

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