【最新船は、こんなにもすごい!】セブンシーズ・スプレンダー
インテリアの絢爛さやスイート客室の豪華さなどが取り上げられがちなリージェントの客船だが、それ以外にも魅力が多い。
もちろん、クルーズ代金もそれなりだが、標準的な客室を選べば他のラグジュアリー客船との差はそうない。高く感じるのは寄港地ツアーが代金に含まれているためでもあるが、質の高い寄港地ツアーをちゅうちょせずに好きなだけ参加できるのは、同社のオール・インクルーシブの醍醐味だ。
ラグジュアリー客船ではシアターで行われるショーも小規模になりがち。しかし、リージェントは今回の新造船の就航に合わせて、ブロードウエーの振付師と演出家とリージェントの制作チームが5作品を制作したように、エンターテインメントにも力を入れている。
究極のラグジュアリー客船として扱われるため、敷居が高いと感じるかもしれないが、バトラーを筆頭にクルーたちは実にフレンドリー。心地よい距離は保ちつつ、乗客がクルーズを楽しめるように細心の注意を払い、常に明るい。
進歩的な一面もあり、女性キャプテンも抜擢している。リージェントが全力を尽くして作り上げたセブンシーズ スプレンダーに同社初の女性キャプテン、セレナ・メラニー氏を任命した。同氏はイタリアのトスカーナ生まれで、16歳で実習生として貨物船に乗り込み、商船学校を卒業。女性船員としてさまざまな船で働き、201 0年から同社に勤務してきた。乗客やクルーからも熱い信頼を受けてきた同氏だけに、女性キャプテンとして活躍を期待したい。
乗客もそれなりの層ではあるが、皆気負いがなく、何かあれば声をかけたり、親切に対応してくれる。
ユニークな試みが「ブロック・パーティー」。例えば航海日の午後、「もしよければ、客室の外に出てみてください」と放送が流れる。初めてでよくわからないまま、客室を出ると、ウエーターたちがシャンパンを配ってまわり、同じく客室から出てきた“ご近所さん”と立ち話をするという企画だ。豪華なスイートから顔を出した乗客がこれまた意外に気さく。シャンパンやワインのお供もあるので、見知らぬ人と会話が弾み、その後も気軽に会話を交わすようになる。
プライバシーと親密さ。気分に合わせて選べ、新しい出会いもそっとアシストしてくれるのがリージェントの魅力の一つでもある。
〈SHIP DATA〉
船名:セブンシーズ スプレンダー
(リージェント セブンシーズ クルーズ)
就航:2020年2月
総トン数:5万125トン
全長:224メートル/全幅:31メートル
乗客定員:750人/乗組員数:542人