にっぽん丸で過ごす夏、「にっぽん丸ビーチ」の休暇

●夏フェス気分で楽しんだ「にっぽん丸ビーチ」

 

今回「にっぽん丸ビーチ」となる場所は「NEMU RESORT(ネム リゾート)」という自然豊かな総合宿泊施設にある「夕日に染まる浜」だ。港から送迎バスで約15分。サーファーたちが波間に浮かぶエメラルド色の海や、冬はあおさ栽培で緑色が海面を彩るという英虞湾沿いの道を走ってNEMU RESORTに到着した。東京ドーム60個分もの敷地があるという。ロビーから敷地内をカートで7~8分走ると「にっぽん丸ビーチ」の大きな白いテントが迎えてくれた。

 

目の前には青い海の美しい景観。その手前の緑の草地に大きなテントや小さいテント、ハンモックが点在し、おしゃれな夏フェスのような雰囲気だ。遠い沖合いの水平線に、にっぽん丸の姿も見えた。まず冷たいものを飲みたいと、テント下のカウンターバーに行くと、見たことがないラベルのドリンクが並んでいた。興味津々に見ていると、「この日のために三重県界隈で作られたおいしいものを選んできたんです」とクルーが笑顔で教えてくれた。

 

●「食のにっぽん丸」のセンスを感じる、ご当地セレクション

 

まずは「SINTO BEER」 (神都麦酒)を。伊勢志摩産の古代米を使用したクラフトビールで、ベルギービールに似たフルーティーなおいしさだ。海を眺めながら飲む冷たいビールは格別! ほかにも「イセ・カルダモンコーラ」、「若戎(わかえびす)ソーダ」、「夢工房くまの」と、どれも味や原料にこだわりがあっておいしいので、東京に帰ってからもまた飲みたいと思うものばかり。「にっぽん丸ビーチ」ではこれらが全部無料のサービスで、さすが、食のもてなしを大事にするにっぽん丸のセンスだなと実感した。

CRUISE GALLERY
おしゃれに彩られた「にっぽん丸ビーチ」
どこか外国のビーチのような空間で、乗客は思い思いにくつろいだ
明治時代の幻のビールを再現したものだというSINTO BEER

遊泳は禁止だったので、丸石の多いビーチの波打ち側を歩いたり、写真を撮っていると、音楽の生演奏が始まった。ギターとサックスのデュオによる心地良いサウンドがビーチ一帯に流れ、皆思い思いに散らばって、カウチやハンモックにくつろいでいる。昨日の今頃はまだ東京にいたのに、今、解き放たれた気分で、のんびりと海を見ながら夏の午後を楽しんでいる。一度乗船してしまえば、宿や荷物の移動が必要なく、ずっとここまで身軽に来られる快適さは、やっぱり船旅ならではでないだろうか。

 

カウンターバー近くに行くと、スタッフが「実はこれもおすすめなんですよ」と、伊勢の御福餅本家のこし餡アイスキャンディー「お福アイスマック」をアイスボックスから出してくれた。地元ではおなじみの老舗のアイスとのことで、自然な甘さがおいしい。東京でもどこかで買えるだろうか、とさっそく思いながら、溶ける前に急いで味わった。

 

ビーチから船に戻ると、7階のリドテラスを目指した。毎日客室に届く船内新聞を見て楽しみにしていたもので、京都で人気の京料理「祇園 さゝ木」監修のかき氷が提供されるのだ。ふわっふわで繊細なかき氷にかかったアングレーズソース、添えられたマンゴー、巨峰、日向夏の食感のハーモニーが絶妙だ。下のほうの抹茶ソースのコクもうれしいサプライズ。これも無料のサービスなので、さすが食のにっぽん丸、と何度目かの感心をさせられたのだった。

CRUISE GALLERY
生演奏が心地よくビーチリゾートに響いた
NEMU RESORT内観。敷地はとにかく広く、ゆったり過ごせる
無料で提供された「祇園 さゝ木」監修のかき氷

●ドルフィンホールで鑑賞した極上コンサート

 

その夜は明治座とコラボの特別企画で、「中川晃教コンサート」が行われた。4階、5階が吹き抜けの本格的なドルフィンホールで、2階席に当たる5階に席を取った。オペラ会場のような華やかで重厚なカーテンを開けて座席に着き、気分も上がる。フロア席は多くの人で埋まっていた。ステージの前に透明なシールドがあるものの、すぐ間近で鑑賞できるので、観客にはとびきりぜいたくな空間ではないだろうか。

 

コンサートが始まり、ピアノ、ウッドベース、ドラムのジャズ編成を思わせるバンドで中川晃教さんが感情をたっぷり込めて歌う姿、伸びやかで素晴らしい歌声に引きつけられた。ミュージカル曲が多く、新作ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」からのナンバーも特別に披露。会場を包む熱い拍手の波に加わりながら、心が形で見えたら、ハートマークが会場をいっぱいに満たしていることだろうと思った。

 

中川晃教コンサートを目当てに乗船した人も多く、熱いステージが繰り広げられた
CRUISE GALLERY
中川晃教コンサートを目当てに乗船した人も多く、熱いステージが繰り広げられた

●多彩な美食を堪能できるグルメなディナータイム

 

夜はメインダイニング「瑞穂」で、洋食フルコースの日。メニューに新鮮なカルパッチョやエビの料理があったので、にっぽん丸おすすめのノンアルコールドリンクから、魚介に合うというフラワリーライチを試すことに。ジャスミンティーとライチ果汁、少し華やかな香りがアクセント。ワインなどのアルコール以外にも料理とのペアリングドリンクがある多彩さに感心した。プリプリの大きなオマールエビの料理を味わった後に、アミューズとしてのシャーベット、そして厚切りビーフのグリル、最後のデザートまで、グルメなディナーを堪能できた。

 

 

CRUISE GALLERY
オマールエビを中心に据えたメインディッシュの一皿
アミューズからバランスよく配されたフルコース
関連記事
TOPへ戻る
シェアアイコン