いま、世界でクルーズ船は動いているの?
各地エリアのクルーズ事情を解説

いま、世界でクルーズ船は動いているの? 各地エリアのクルーズ事情を解説
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.11.18
コロナ禍も出口が見えてきた現在。
現在の世界のクルーズ事情を主要エリアごとに見ていこう。

北米

 

クルーズ・ビジネスの中心地であるアメリカは、比較的早期に客船の運航が再開されたエリアだ。2022年7月には米国疾病予防管理センター(CDC)がクルーズ旅行の規制をすべて解除し、現在は乗船前の検査は不要とする船会社が多い。船内でもマスク着用率は低い。入国に当たっても新型コロナウイルス陰性証明書の提示義務はない。これまで通り72時間前までのESTA申請が必要なのに加え、ワクチンを2回以上接種しているという証明書が必要だ。各船社はこれまで通り数多くの客船を配船。ノルウェージャンクルーズライン(NCL)、ディズニー・クルーズラインなど多くの船社が新造船を同地に配す。

NCLの新造船「ノルウェージャン ブリス」もカリブ海クルーズへ

ヨーロッパ

 

欧州エリアも早期に客船の運航が再開されており、一時は国内クルーズが盛んだったが、現在は国際クルーズも多く実施されている。乗船条件や入国条件は船会社や国によって異なるが、ワクチン接種の証明を求められることもある。陸上でのマスク着用率も高くなく、船内も同様。コロナ禍の影響は薄くなっているが、一方でロシアとウクライナの戦争の影響は飛行機の減便や航路変更、そして現地での物価高などに現れている。MSCクルーズ、コスタクルーズなど欧州を拠点にする船会社を中心に、多数の客船が定点クルーズを行う。

MSCクルーズで地中海での運航再開一番乗りだった「MSCグランディオーサ」

オセアニア

 

パンデミック開始直後はロックダウンや厳格な水際対策を行ってきたオーストラリア&ニュージーランドだが、気づけばアジアエリアよりも先に国際クルーズを再開。オーストラリア入国に当たっては、ワクチン接種証明やコロナ陰性証明は不要。ただし船会社によっては求められるので、ワクチン接種証明は持参していた方がいい。さらに以前同様、入国前には電子渡航許可申請(ETA)が必要だ。プリンセス・クルーズやRCIもオーストラリアに配船。今冬には「クイーン・エリザベス」もオーストラリア・クルーズを行う。

シドニーを航行する「クイーン・エリザベス」。日本と時差も少なく、クルーズに参加しやすい

アジア

 

世界の中でも最も規制がなされているのがアジア地域だ。特に中国本土は引き続き観光目的の入国ができない。これまで中国発着を目的に多くの外国客船がアジアに配船されてきたので、早期の再開を期待したい。ただし東南アジアは規制が撤廃されつつある。例えばシンガポールは早期に客船が運航再開したということもあり、入国に当たってはワクチン接種証明などをアプリに事前登録すれば、陰性証明などは必要ない。ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)は同地ですでにマレーシア寄港クルーズを行っており、10月末からはタイ寄港も再開。

RCIの「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」はアジアの顔になりつつある

【コラム】燃油高に円安……
海外クルーズ予算は多めに見積もろう

 

久々に海外に行った人から多く聞かれる感想が、「思ったより費用がかかった」ということ。特に米国では顕著で、例えば日本式のラーメンが1杯3000円程度することも普通だ。

 

その背景は、米国の場合は物価高、それに円安と燃油高が加わる。飛行機の燃油サーチャージは特に顕著で、例えばクルーズのメッカであるカリブ海の拠点マイアミまでの航空券は、燃油サーチャージだけで10万円を超えることも多い。

 

パンデミック前に頻繁にクルーズしていた人にとっては割高感は否めないが、この状況はすぐに変化するとは思えない。久々の海外クルーズは、これまで我慢していた分、思い切って予算を多めに見積もろう。

2022年秋号に掲載
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