コロナ渦での地中海クルーズ乗船記【Vol.2コスタクルーズ船内のコロナ対策編】

2021年秋に日本からコスタクルーズの「コスタ スメラルダ」地中海クルーズに参加した体験をレポートする。
写真・文=藤原暢子
●いざクルーズターミナルへ
コスタクルーズからは、メールや専用アプリで、バルセロナ港のターミナルに来る時間を12時と指定されていた。乗船のための検査はコスタクルーズが実施してくれる。


ターミナル入り口で荷物を預け、検温、手荷物検査を受けた後、受付カウンターでパスポートや書類を出し、IDカード用の写真撮影をする。検温を除けば、ここまでは通常の乗船と変わらない。ターミナルに停泊している「コスタ スメラルダ」を眺め、久しぶりの海外クルーズに胸躍る。
その後、抗原検査のエリアに進む。ターミナルに来る時間を細かく設定しているため、混み合うことはほとんどない。6つほどのブースがあり、空いたブースに案内される。検査は綿棒を鼻から入れて粘膜をぬぐう、“鼻咽頭ぬぐい”。慣れてしまえば、唾液採取より楽で早い。検体はバックヤードに設置されたラボで検査に運ばれる。


乗客は検査番号とグループ番号の札を渡され、その番号が掲げられている待合エリアに座って待つ。3~4グループが離れて待っていて、結果が出ると順番に番号が呼ばれる。若干の待ち時間のために、無料のドリンクがもらえるカウンタ―も設けてあってありがたい。
トータルで2~3時間の乗船手続きを予測していたが、検査結果は15~20分後に出て、あっという間に船内に案内された。この時期は乗客定員を約半分に抑えているとはいえ、乗客に待ち時間の負担をかけない努力はさすがだ。
●コロナ禍のクルーズは、どの港から乗るかも重要!?
前後してしまうが、同船は7泊で、バルセロナ(スペイン)~パルマ・デ・マヨルカ~航海日~メッシーナ(イタリア)~ローマ~サボナ~マルセイユ(フランス)を周遊する。同じ港なら、どの港でも乗下船ができる“インターポーティング”。特にコロナ禍では自分の国の港から客船に乗り、気軽に近隣の国や観光地をめぐれると人気だった。国内旅行的でありつつも、海外にも行けるのはヨーロッパ大陸の強みだ。
通常ならば船会社もインターポーティングのオペレーションに慣れているだろうが、各港で乗船前の抗原検査を行う船側はいかに大変かと思った。
今回、バルセロナ乗船を選んだのは日程の都合もあったが、港から空港の近さ、国内でも欧州内でも有数の観光地なので、帰国の際のPCRセンターが探しやすいという理由もあった。もし行き慣れている場所や言葉が通じやすい場所があるなら、そこから乗船するのがベターだ。

