八代港/熊本県「受け継がれるレガシーと恵みの海に出会う旅へ」
【特集】美しき港町へ
上天草で多島美を誇る
夕映えの海に感嘆
熊本のオーシャンリゾートと言えば、120余の島からなる天草。5つの橋で九州本土と結ぶ「天草五橋」をドライブして向かえば、橋ごとに異なる海の眺めが両側に開けて、感動の連続だ。
橋を4つ渡ると前島で、海辺には「リゾテラス天草」「ミオカミーノ天草」「天草パールガーデン&海中水族館 シードーナツ」といった、島グルメやおみやげショッピングなどを楽しめる、3つの複合施設が立ち並ぶ。その裏手には五橋遊覧船などが発着し、一帯は天草随一のリゾートエリアだ。
施設のうち、2021年にリニューアルしたのが「天草パールガーデン」。ゲートをくぐれば緑の島々と海、橋が調和した松島の絶景が惜しげもなく広がる。天草は真珠の産地でもあり、敷地内には専門店の「天珠館」も。海がきれいな天草ではアコヤ貝に汚れが少なく、良質の真珠が採れるという。
もちろん多島美も、天草の海の自慢だ。その夕暮れの眺めを高所から楽しもうと、さらに橋を渡り上島へ。国の名勝、の展望台からは「天草五橋」と多島海を一望できる。大小の島々を見事に配した、海の巧まざる美景にただ見とれてしまう。
この高舞登山や前島などを含むエリアが上天草で、近年はセレブ感に満ちたホテルなどが続々オープンし、人気を集めている。樋合島のレストラン「マリーナ カーニャ」もその1つ。2022年、マリーナの「フィッシャリーナ天草」のクラブハウスに誕生した。
上天草出身で長年、海外でキャリアを積んだ店長兼シェフの元松崇さんは、「帰国し、天草の食材の豊かさをあらためて実感しました」という。ワタリガニやタコ、「天草 梅肉ポーク」など、天草の山海の幸による無国籍料理を、海やマリーナを目に味わうのは至福だ。
多様な海の恵みが魅力の天草。訪れる際には、「天草五橋」の最初の橋近くの「三角西港」にも立ち寄ろう。明治三大築港の1つで開港は1887年。石積みのふ頭などが昔のまま残る。整然として美しい石積みは、天草の石工たちの技であることも覚えておきたい。