美らブルーにときめく島めぐり、水族館での特別ディナーも
にっぽん丸「飛んでクルーズ沖縄」レポート

美らブルーにときめく島めぐり、水族館での特別ディナーも にっぽん丸「飛んでクルーズ沖縄」レポート
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2024.09.05
撮影場所:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

 

ジンベエザメが水槽を一周して正面にやってくるたび、ほうっと見とれ、乗客の方々と「南の海にすむ人魚姫のお城に招かれたような気分ね」と笑顔を交わす。お互いに以前乗ったクルーズの思い出話がこぼれ出すのも、海の生きものたちがもたらす効果なのかもしれない。

 

それにしても、こんなにゆっくりと大水槽前で過ごすのは稀有な機会だ。この特別な時間は、沖縄の魅力あふれる会場・施設を舞台に、新たな交流の機会を創造する「沖縄MICE」の一環で、今回にっぽん丸がクルーズ船初の実現を果たしたという。心に深く刻まれ、思い出に残るひとときに乾杯だ!

料理やドリンクを手に、海の中で時間を共有するような感覚で談笑を楽しんだ。撮影場所:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館
CRUISE GALLERY
料理やドリンクを手に、海の中で時間を共有するような感覚で談笑を楽しんだ。撮影場所:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

 

●ピュアな優しさが伝わる音楽エンターテイメント Kiroro 金城綾乃が登場

 

クルーズ2日目の夜に開催されたのは、「Kiroro 金城綾乃スペシャルナイト」。沖縄出身デュオKiroroで「ベストフレンド」「未来へ」などヒット曲でも知られる金城綾乃さんが、オリジナル曲から沖縄民謡まで、うたとピアノを披露してくれた。 のびやかな歌声、繊細でいてときに驚くほど力強いピアノに、うっとり。

 

沖縄のわらべ唄で手遊び唄でもある「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」では、「みなさん、歌詞に合わせた手遊びをご一緒にやってみませんか?」と笑顔で問いかける金城さんにつられ、皆で頬っぺをつつき、耳をつまんで、音楽と動きをエンジョイ。ドルフィンホールに温かな空気が満ちた。

 

金城綾乃のうたとピアノに、ギター、ヴァイオリンを加え、息の合った演奏で温かなステージを繰り広げた
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金城綾乃のうたとピアノに、ギター、ヴァイオリンを加え、息の合った演奏で温かなステージを繰り広げた

 

コンサート後にこの取材のためにインタビューにも応じてくれた金城さん。クルーズは初体験だという。「船ってどんな空間で、クルーズがどんなものなのか、ワクワクのドキドキで乗船しました(笑)。でも、予想以上にすっごくすてきです。初めてなのに、にっぽん丸という船がひとつの家で、乗客やスタッフのみなさんが家族のように感じます」。

 

出身地である沖縄で、子育てをしながら音楽活動を続けている日々、今回のクルーズは、「もう、新しい発見の連続です。沖縄に住んでいても、那覇から北部に行くのは半日がかりだし、離島にもなかなか行けません。それが快適な船内に居ながらにして行けるなんて。海から見る風景も新鮮ですね。お食事もおいしく、沖縄の素材が使われているのがうれしくて。しかも、普段食べ慣れている海ブドウが天ぷらになっていたり、意外でビックリしました」と気さくな笑顔で話す。

 

会場入りしたらまずピアノに挨拶するのが習慣で、「にっぽん丸のピアノには、『初めまして、あなたはずっと海の上にいるのね』と挨拶したんです。調律の状態も良くて、安心してステージに臨めました」という金城さん。「このクルーズで目にした風景や感じた風はきっとこれからの私と音楽にも元気やヒントをくれそう。みなさんも沖縄っていいなと感じてくださったら、幸せです」。優しく、ピュアな心がそのまま楽曲や演奏になって聴き手に届く。また次の船上での出会いも楽しみだ。

金城綾乃(きんじょう・あやの)1998年Kiroroとして「長い間」でメジャーデビュー。現在、3人の子の母として、沖縄で子育てをしながら活動。FM沖縄のレギュラー番組などソロでも活躍中
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金城綾乃(きんじょう・あやの)1998年Kiroroとして「長い間」でメジャーデビュー。現在、3人の子の母として、沖縄で子育てをしながら活動。FM沖縄のレギュラー番組などソロでも活躍中

 

●やんばるカフェ&ナイトも盛況 沖縄テイストあふれる船内

 

食事やさまざまなイベントにも、沖縄を楽しんでもらおうという工夫が凝らされていた今回の飛んでクルーズ。新たに総料理長となった崎原健氏は、沖縄出身。「料理長を拝命した4月にこの沖縄が決まっていたので、渾身のメニューを考えてきました」という。

 

たとえばメインダイニング瑞穂の夕食、乗船2日目の「にっぽん丸和膳」のメニュー表を眺めると前菜は、やんばる鶏など5種盛り合わせ。煮物は沖縄県産黒毛和牛バラ肉の鍬煮(角煮)。ほかにも、海ぶどう、四角豆、グルクン(魚)、島豆腐、じゅーしー(かやくご飯)など、沖縄ならではの食材や料理が見て取れる。

 

 

「にっぽん丸御膳」より。お造りは、沖縄県産めばち鮪、琉球スギ、セイイカ。天ぷらは沖縄車海老、島らっきょ、海ぶどう、四角豆、よもぎ、グルクンなど。沖縄の食材や郷土料理を取り込んだ構成で乗客を魅了した
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「にっぽん丸御膳」より。お造りは、沖縄県産めばち鮪、琉球スギ、セイイカ。天ぷらは沖縄車海老、島らっきょ、海ぶどう、四角豆、よもぎ、グルクンなど。沖縄の食材や郷土料理を取り込んだ構成で乗客を魅了した

 

3日目のディナーには、沖縄県産ミーバイのカルパッチョや、見た目にも美しい紅芋のパリソワール(冷製スープ)などが登場した。どの料理も、小さなあしらいの野菜や花まで、沖縄らしい種類や色合いが選ばれ、細やかな愛情が感じられる。ちなみに、おすすめのワインや日本酒と並び、スパークリング泡盛など沖縄特産飲料も用意され、テーブルでの味わいと話題に花を添えていた。

「ウエルカムディナー」の「紅芋のパリソワール」。紅芋の冷製スープの底にはコンソメジュレ。生クリームでハイビスカスの花を描いた美しい一品。台グラスに氷を入れた涼し気な演出にもテーブルで歓声がわいた

 

プールデッキ脇のリドカフェには、国頭村認定スイーツの「クニガミドーナッツ」やオリオンビールなどを用意した「にっぽん丸美ら海カフェ」がオープン。Cコースの下船前夜、「やんばるナイト」には沖縄北部の酒造による泡盛が大集合し、沖縄民謡ユニット「いなぐんぐゎ」のステージも開催された。飲んで歌って踊り出しても楽し、賑やかなカチャーシー(沖縄の宴会での踊り)の輪が広がる。コンクール受賞に輝く泡盛などちゃっかり飲み比べもできる幸せな沖縄の夜はゆっくりと更けていった。翌朝、にっぽん丸は予定通りに那覇港へ。帰りの飛行機が発つ那覇空港を間近に見ながら入港、着岸した。

「やんばるカフェ」では、保存料を一切使用せずすべて手作りの国頭村認定スイーツ「クニガミドーナッツ」やオリオンビールを追加代金なし(無料)で提供。小腹のすいた午後に楽しいおいしさをくれた
下船前夜の「やんばるナイト」は、沖縄民謡ユニット「いなぐんぐゎ」のステージと、沖縄北部の泡盛が大集合。「カチャーシーの踊りは、窓をあけるような手の動きで」と教わり、みんなで盛り上がった

●「飛んでクルーズ沖縄」前後に那覇で街歩き

 

那覇港からの乗客は、あらかじめ指定された日時までにスーツケースなど荷物を宅配便で送れば、にっぽん丸まで届く。さらに下船後もスーツケースを自宅に宅配便で送ることが可能だから、大きな荷物を自分で運ぶ必要がなく、身軽に移動できる。そのメリットを活かし、出発日に早めの便で那覇空港に飛ぶか、帰りのフライトをゆっくり目にしてゆいレールやバスで那覇市内の観光をしてみるのもいい。

 

取材班は国際通りや那覇公設市場へ。「あれ、10年以上ぶりの楽器屋さん、ゴーヤマラカスにマンゴーマラカスが加わってる」「市場で、昔はそのまま下がっていたミミガーの”豚さんの顔”が、いまは真空パックなんだね」と新たな発見も。公設市場2階の食堂も健在なことを確認、さらに沖縄をたっぷりと楽しんだのだった。

公設市場2階の食堂では、沖縄そばやゴーヤチャンプルなど定番の沖縄料理が味わえる
那覇の公設市場は沖縄の食文化が垣間見られる面白スポットでもある
那覇空港のロビーには、にっぽん丸の送迎バス(要事前予約・有料)スタッフがお出迎え。空港~那覇港ターミナルの移動はスムーズだ
ペンアイコン取材メモ

飛んでクルーズ沖縄 Cコース ~久米島・国頭村・本部~

日程:2024年6月25日(火) ~ 6月28日(金)

コース:那覇~久米島~国頭村~本部~那覇

クルーズ代金:166,000円(スタンダードステート)~658,000円(グランドスイート)

船名:にっぽん丸(商船三井クルーズ)

総トン数:2万2472トン

乗客定員:400人/乗組員数:約230人

取材協力:商船三井クルーズ

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