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フッティルーテン、排出実質ゼロを目指し4000キロの航海へ
2025.10.03
業界
フッティルーテンは2日、先進バイオ燃料(HVO100)を使用した気候中立航海を、ベルゲンからキルケネスまでの往復4000キロで実施すると発表した。
投入するのはバッテリーハイブリッド客船「MSリチャード・ウィズ」(1万1205トン、1993年建造)。HVO100を使用し、温室効果ガス(GHG)排出が実質ゼロとなる航海は業界初の試みとしている。出航は10月29日。停泊中は可能な限り陸電も利用し、CO2(二酸化炭素)とNOx(窒素酸化物)の排出を削減する。
HVO100は加水処理植物油(Hydrotreated Vegetable Oil)を100%原料としたバイオ燃料で、化石燃料が一切含まれていない。廃棄物由来の植物油や脂肪から化学的に生成したもので、既存のディーゼルエンジンに使用できる。
気候中立(Climate Neutral)は、発生するGHGをバイオ燃料や陸電利用、植林などで相殺し、実質的に排出ゼロを目指す考え方。フッティルーテンはこれまでCO2、NOxの排出量を削減するため、船隊のアップグレードに1億ユーロを投資。並行して、バイオ燃料の使用を段階的に導入している。
また、同社は研究機関「シンテフ(Sintef)」はじめ、ノルウェーの海事業界と連携して「シー・ゼロ(Sea Zero)」プロジェクトを推進。排ガスゼロで通常運航できる船の設計開発に取り組んでいる。
写真提供:フッティルーテン

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